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詩集「棘」

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降りつもる想いはいつか



深い溜め息…朝陽が昇る
目映い光は影を刻み
刹那の希望を打ち砕く…

ずっと…一緒にいたい
そんなこと言えるはずもなく
四つ葉のクローバーを探し
野原を彷徨い歩く…

降りつもる想いはいつか
この大空へと還るだろう
今あるこの苦しみは
いつかはきっと…思い出に…


風にさざめく緑の木洩れ日
郷愁に身を任せてもなお
痛む胸は君の名を呼ぶ…

せめて…想いだけでも…
振り払えない弱い心
願い求めては諦めて
流れる雲を見つめる…

降りつもる想いはいつか
淡い記憶の底へと沈み
突き刺すこの哀しみを
癒す術を見つけ出す…


翳りゆく光…山の端の朱
暮れゆく空へ瞬く星
焦がれ見上げるだけの僕は…

降りつもる想いはいつか
流れゆく時代(カワ)のその先へと
静かに繋がってゆき
名もなき物語へと…

降りつもる想いはいつか
この大空へと還るだろう
今あるこの切なさを
優しく風が…抱いてく…




 
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