ストライクウィッチーズ 119航空隊【リメイク】
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欧州へ
海戦!
着任報告を終えた私は、一人で空母赤城まで戻ってきました。
私の帰りを待っていてくれたのかは知らないが、そこには坂本少佐が待っていました。
「着任報告は終わったのか?」
「・・・はい」
なんか申し訳ない気分で胸が張り裂けそうになっている根岸。
根岸は昼間の話を思い出すと、急に呼吸が早くなったのだ。
それを見ていた坂本も異常だと気付いたのか、
「根岸、どうした。どこか悪いのか?」
「・・・いえ、なんでもありません」
とてもじゃないけど話せる内容じゃないよ。
ブリタニアにやってきて、まさかな内情報告をしないといけないなんて思ってもみなかったよ。
たしかに私たちは最前線の援軍としてきましたけど、仲間を疑って仕事をしないといけないなんて嫌なところだよ。
だって、私の思っていた第501統合戦闘航空団とは違っていたなんてね。
「今日は魔法力を使いすぎたので休ませてください」
「それは構わんが、本当に大丈夫なのか?」
「はい。ですので、失礼します」
悟られてはいけない。
これが極秘任務である異常は、私の部隊はもちろんのこと、その他の部隊にも口外することはできない。
誰かに言うことができるのならば、スッキリとするのだろうけど、それはむりなんだよね。
遣欧部隊の部隊長の仕事は単にネウロイを倒すだけではなく、彼女たち501航空団が規律違反や職務放棄等をしないかを見なければいけない。
つまり、密偵しなければならないのだ。
これは代々の部隊長が行ってきたことであるため、断ることはできないのだが、やはり、やりたくない仕事であった。
坂本は遣欧部隊の部隊長を務めずに、最初から501航空団に所属していたためこの事を知らず、今に至っているのです。
しかし、今日の根岸の変わりようで違和感を感じている坂本は色々と考え、頭を悩ませていたのです。
根岸の戦歴や経歴を調べておいたほうがよさそうだな。
それた気は乗らないが、ミーナにも注意するように伝えなくてはいけないかもしれん。
だが、一番の原因は今日の着任報告だろう。
となると怪しいのはマロニー大将だろう。
「私も明日に備えて早く寝るか」
さすがに今日は遅い。
明日調べても遅くはないだろう。
根岸 自室
「はぁ~、こんなことになるならブリタニアになんて来たくなかったよ」
二度目のブリタニア。
今度こそは、と思いやってきたのに、出されたのは屈辱的な命令。
そんな普通はやるはずがない。
でも私はそれをやらなければいけない。
私の属する扶桑海軍の面子もあるが、一番は私の弱みを握られていることも理由であった。
マロニー大将はなかなかの曲者だと思う。
毎回、部隊の体調の弱みを握ってこんな命令を出しているんだもんね。
でもさ、それをもっといい方向に使うことはできなかったのかな?
その才能をもっといい方向に向けていれば、今の欧州の現状は少しは変わっていたのではないかな?
「明日からはもっと憂鬱になるのかな?」
考えただけでも嫌になるよね。
傍から見たら私のこう言って裏切りに見えてもおかしくないよね。
というか、裏切りそのものかもしれないよね。
なんで私がやらないといけないの?
ブリタニア空軍に属する魔女でやればいいじゃん。
頭のなかでいろいろ考えては愚痴がでてくる根岸であるが、根岸はマロニー大将だけではなく、自分も悪いと考えるようになていたのです。
根岸は自分に付け入るスキがなければこんなことにはならなかったと反省しているのですが、それは無理な話なのです。
付け入るスキなど、探せばすべての人にある問題である以上はそれがなければといっても無意味なのです。
「ブリタニアにつかなければいいのに」
そして根岸はブリタニアについてほしくない。
そう思いながら就寝するのでした。
翌朝 根岸の自室
「もう朝なんだ。もう少し寝たいよ」
昨晩寝付いたのは、根岸が決めていた就寝時間を約二時間ほど超えていたのです。
そして起きる時間は同じ出会ったのです。
それでも普段なら起きるのですが、昨日の魔法力の使い過ぎと、マロニー大将からの命令により起き上がりたくない根岸は布団から一向に出ようとしませんでした。
宮藤さんは坂本少佐と何かやるといっていたのですし、今日はゆっくりしていてもいいですよね。
今日くらい心を落ち着かさせてください。
そうすれば普通に職務を全うできるはずですから。
いろいろと考えているうちに根岸は再び眠りについてしまいました。
確かに昨日の疲労を考えると七時間ではきついかもしれません。
そして根岸は仮眠程度の眠りをとったのです。
仮眠といっても一時間ほど寝ていたので仮眠といえないかもしれないですがね。
起きた根岸は軽く朝ご飯を食べたのちに下船準備にかかったのです。
根岸に荷物はさほど多くないのですが、自室内に散らかっている服や書類をまとめることを考えると容易ではなさそうです。
そんなこんなで身支度していると、一枚の写真が出てきたことにより作業の手が止まったのです。
その写真を見て根岸は、瞳に涙を浮かべていました。
すると根岸はその写真をカバンのわかりやすいところにしまい、再び作業に戻ったのです。
片づけを初めて子一時間経ったころに、根岸は動かしていた手を止めました。
自室は片づけられ、ほぼ乗艦の時と同じくらいきれいになっていたのです。
根岸の荷物はバック一つとリュックにまとめられ、それ以外は見当たらない状態になったのです。
「ふぅ。次はストライカーの整備でもしようかな」
私の烈風はおてんばだから、ちゃんと整備しないと。
それに昨日は無理させたかもしれないから念入りにやらないと。
やっぱり自分のストライカーは自分で整備するのに限るね。
根岸は機嫌がよくなったのか、鼻歌を響かせながら自室を後にしました。
向かったのは格納庫にあるストライカーユニットの置き場。
なんでも自分で整備するのが好きらしい。
「早く行って様子を見ないと」
少しずつ駆け足で格納庫で向かっているといきなり警報が鳴り響いたのです。
そしいてこの警報が意味するのは敵襲。
つまりネウロイがあらわれたのです。
ブリタニアまであと半日というところで現れたネウロイは大型だったのです。
やっぱりこっちはよく出るんだね。
扶桑とは違うのはわかっていたけど、ここまでタイミングよく出てこなくてもいいと思うんだよね。
ついてないね。
「とっとと出撃しますか」
私は格納庫まで走りました。
格納庫までの道のりで誰にも会うことなく着けたのはなぜか嬉しくなりました。
そこで私はすぐさまストライカーユニットと適合を始め、出撃準備に入りました。
私のストライカーである烈風は扱える人間が少なく、私以外に使える人を私は知りません。
ですが、速力や高度、加速度では他のユニットに負ける来はしません。
「根岸理恵!発艦します!」
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