英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅰ篇)
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第196話
~トリスタ~
「そこだぁっ!!」
「パテル=マテル!パトリオットフィールド、展開!」
「――――!!」
ダブルセイバーで薙ぎ払いを放ってきたオルディーネに対し、レンの思念によって操縦されているパテル=マテルは前方に結界を展開してオルディーネの攻撃を受け止め
「我が一撃に耐えられるか!?――――玄武の烈燐撃!!」
「すごい――――ねこパンチッ!!」
その隙を狙ったサフィナとベルフェゴールがそれぞれオルディーネの両腕の関節の部分に強烈な一撃を叩きつけた!
「グアッ!?生身で騎神にダメージを与えるとか、どんだけの化物なんだよ……!オラアッ!!」
二人の攻撃を受けた影響によって操縦席にいるクロウも顔を歪めた後オルディーネを操縦してクラフト―――クリミナルエッジで近くにいる二人を攻撃したがベルフェゴールは転移魔術で、サフィナは飛竜を巧みに操って回避した。
「漆黒の闇に飲み込まれなさい!――――ティルワンの死磔!!」
「うおおおおおおおおっ!?」
そこに詠唱を終えたヴァレフォルが魔術を発動するとオルディーネは闇世界に閉じ込められると共に全身に暗黒の打撃を受け
「今よ、パテル=マテル!頭を狙いなさい!」
「――――」
「グッ!?」
苦しんでいる様子のオルディーネを見たレンの指示によってパテル=マテルは巨大な腕で勢いよくオルディーネの頭を殴った!
「態勢が崩れたわ!追撃よ、パテル=マテル!!」
「――――――」
「ガッ!?」
そしてパテル=マテルは態勢が崩れたオルディーネの隙を逃さないかのように続けてオルディーネのボディにパンチを叩きつけた!
「受けるがいい―――白露の鎌撃!!」
「喰らえ~!―――乱れ投擲!!」
「私の怒りの炎、たっぷりと味わいなさい!―――メルカーナの轟炎!!」
「グアアアアアアアッ!?」
そこにサフィナが双鎌を振るって無数の衝撃波を、ヴァレフォルは大量の短剣を空高くへと投擲した後オルディーネの頭上に降り注がせ、ベルフェゴールは魔術の炎でオルディーネを包み込んで追撃した!
「パテル=マテル、機関銃用意!」
「―――――」
3人の攻撃によってオルディーネが苦しんでいる間を逃さないレンの指示によってパテル=マテルは異空間から大型の銃を召喚して両手にそれぞれ一丁ずつ持ち
「撃ちなさい(ファイアー)!!」
「――――!!」
「ががッ!?」
レンの指示によって両手にある銃から導力のエネルギー弾と魔導のエネルギー弾を怒涛に連射してオルディーネにダメージを与え
「そのまま突進!」
「―――――!!」
「グウッ!?」
そして銃撃に怯んだオルディーネにパテル=マテルは突進してオルディーネを吹っ飛ばし、吹っ飛ばされたオルディーネにベルフェゴール達は詰め寄って次々と怒涛の攻撃を仕掛けてオルディーネ相手に圧していた!
「す、凄い……!」
「”灰の機神”でも手も足も出なかったのに……」
「あの蒼い人形兵器を相手に圧倒し続けているな。」
「これがメンフィルの”力”か。」
「フッ、さすがに”化物”が3人と機甲兵を圧倒的に上回ると思われる人形1体相手には奴も手も足も出ないようだな。」
オルディーネを圧倒しているレン達を見たアリサとエリオット、ガイウスとラウラは驚き、ユーシスは口元に笑みを浮かべ
「ベルフェゴール達もそうだけど、ツーヤの義理の母親も予想以上に善戦しているね。」
「ああ……まさか生身であんな相手ともまともに渡り合えるなんて……」
「まさに人馬――ーいえ、”人竜一体”の攻撃ですわね。」
「いいぞ~!もっとやれやれー!」
「ア、アハハ……”魔王”のベルフェゴールさんやヴァレフォルさんはまだ納得できますが、サフィナ元帥まで生身で騎神にダメージを与えるなんて、正直予想外ですよ……」
口元に笑みを浮かべたフィーの言葉にマキアスは疲れた表情で頷き、ミリアムは興奮した様子でレン達を応援し、セレーネは目を丸くして呆け、エマは大量の冷や汗をかいて表情を引き攣らせながらサフィナを見つめた。
「クソッ、化物共が……!闇よ…………俺に力を……!らああああああああああああっ!!」
3人と1体に牽制攻撃しつつ、距離を取ったオルディーネはダブルセイバーに膨大な暗黒の闘気を溜め込み
「まずはそのデカブツだ!デッドリー――――エンドッ!!」
パテル=マテルに向かって突きの構えて目にも見えない速さで突撃した!
「うふふ、レンには見えているわよ♪パテル=マテル!!」
「――――――」
「なあっ!?」
しかしオルディーネの大技を仕掛ける様子を見たレンは攻撃を見切る為に魔人化していた為、オルディーネの強烈な突きも見切り、何と念波による操縦でパテル=マテルに真剣白羽どりをさせた!
「”白羽どり”だとっ!?」
「あ、あんな事までできるなんて、あの人形兵器、一体どういう構造をしているのよ!?」
「んー、あの娘もボクと一緒で”繋がっている”のかな~?」
「……?」
「ミリアムさん……?」
オルディーネの攻撃を真剣白羽どりしたパテル=マテルを見たラウラとアリサは驚き、ミリアムは考え込みながらレンとパテル=マテルを見つめ、ミリアムの言葉を聞いたフィーとセレーネは不思議そうな表情でミリアムを見つめた。
「チャンス♪機械越しとはいえ、ここはどうかしら♪すごい―――ねこアッパー!!」
するとその時ベルフェゴールは転移魔術でオルディーネの足元に現れた瞬間膨大な闘気を纏ってオルディーネの股間の部分に強烈なアッパーを叩きつけた!
「~~~~~~~―――――ッ!?」
するとオルディーネからクロウの声にもならない悲鳴が聞こえ
「うわ……っ……!?」
「あれは痛いだろうな……」
「オレ達”男”にとっては恐ろしすぎる攻撃だな……」
「フ、フン。奴には良い薬だ。」
「ア、アハハ……騎神にあんな攻撃をしたのはベルフェゴールさんが歴史上初でしょうね……」
その様子を見ていたⅦ組の男子達はそれぞれ表情を引き攣らせたり青褪めさせ、エマは冷や汗をかいて苦笑していた。
「―――好機!ルクセンベールに伝わりし奥義………受けるがいい!ハァァァァァァ――――ッ!」
一方オルディーネの様子を見たサフィナは双鎌に凄まじい闘気を纏わせて飛竜と共に突撃した!するとサフィナは飛竜と一体化したかのように闘気の竜となり、オルディーネに突撃した!
「ルクセンベール流奥義―――――双竜烈破!!」
「ガッ!?しまった――――」
竜の闘気をその身に叩きつけられた瞬間に起こった大爆発によってオルディーネの手からダブルセイバーが弾き飛ばされた!
「今よ、パテル=マテル!連携モード発動!」
レンが指示を出すとパテル=マテルの片手には大型の導力の機関銃が、もう片方の手には巨大な戦斧が握られ、更にはパテル=マテルは背中から自動浮遊射撃機”ファンネル”を展開し
「殲滅しなさい(ゴー)!!」
「―――――!!」
「うおおおおおおおおおおっ!?」
レンの指示によって片手の銃を連射し、ファンネルからも怒涛のレーザーを放って敵を怯ませ
「止めよ!」
「―――――!!」
「ガハッ!?」
連射攻撃を終えたパテル=マテルは戦斧を豪快に振るって強烈な一撃を叩きつけてオルディーネを地面に叩きつけた!
「「究極の闇よ、我に仇名す愚かなる者に制裁を!――――アルマティルワン!!」」
そしてそれぞれ詠唱を終えたベルフェゴールとヴァレフォルが大魔術を発動するとオルディーネは暗黒の球体に飲み込まれ
「ガアアアアアアアアアアアアアアアア―――――――――――――ッ!?嘘だろ……っ!?”切り札”を使ったこの俺が負ける……だとっ……!?」
全身に暗黒の強烈な打撃を集中攻撃され、操縦者のクロウは自分にフィードバックしてきた凄まじいダメージによって気絶しかけたが何とか気を持った。しかしオルディーネは地面に倒れ、蓄積したダメージによって立ち上がれなかった!
「……………………」
「か、勝ったの……?」
「ひゃっほう!今度こそクロウの負けだね!」
「そ、そんな!?しっかりして、”C”!!――――なっ!?あれは……!」
ベルフェゴール達の勝利にエマは絶句し、アリサは呆け、ミリアムは興奮し、スカーレットは表情を青褪めさせて声を上げた後ある事に気付いて空を見上げると何とカレイジャスが滞空していた。
「あれは……!」
「カ、”カレイジャス”……!?」
「一体どうしてここに……」
カレイジャスを見たユーシスとマキアスは驚き、フィーは呆け
「あら、”カレイジャス”じゃない。」
「フフ、オリヴァルド皇子も彼らの事が心配だったようですね。」
レンは目を丸くし、サフィナは微笑んでいた。
―――今は斃れる時ではない!未来を掴む為に、落ち延び、機を伺うがいい!
「この声は……!」
「父上!?」
カレイジャスから聞こえて来た声を聞いたガイウスとラウラは驚いた。
「チッ、ここで現れるとはな!逃がさねぇぜ―――”紅き翼”!!」
するとその時オルディーネは立ち上がって飛びあがってカレイジャスに向かおうとしたが
「うふふ、敵に背後を見せるなんて、おバカさんねぇ?パテル=マテル!」
「―――――」
「ガアッ!?」
パテル=マテルのクラフト―――バスターキャノンを背中越しに受けて撃ち落され、地面に叩きつけられ
「もう一発喰らっときなさいっ!すごい―――ねこパンチ!!」
「~~~~~~~―――――ッ!?」
更にベルフェゴールが再びオルディーネの股間の部分に強烈な一撃を入れるとオルディーネの股間の部分に罅が入ると共にオルディーネから再び声にもならないクロウの悲鳴が聞こえた!
「―――お待たせしました。風の精霊達よ、彼らに精霊達の導きを!」
するとその時長時間の詠唱を終えたリザイラが両手から膨大な魔力を解放するとアリサ達の地面に巨大な魔法陣が現れた後、セレーネを除いたアリサ達に風の結界が包み込まれると共にアリサ達の身体を浮き上がらせた!
「っと、そろそろ戻らないとね!」
それを見たヴァレフォルは光の球体となってエマの身体に戻り
「うわあっ!?」
「リ、リザイラ、僕達に一体何をした―――うわあああああああっ!?」
「”風”がオレ達を包み込んで―――」
「皆さん!?キャッ!?ベ、ベルフェゴールさん、一体何を……!?」
結界に包まれたアリサ達は空へと舞い上がった後それぞれフィー、エリオット、マキアスの3人、アリサ、ミリアム、ガイウスの3人、そしてラウラ、ユーシス、エマの3人の組み合わせで3方向に別れてどこかへと飛び去り、更にベルフェゴールに抱き上げられたセレーネは驚いた後戸惑いの表情でベルフェゴールを見つめた。
「もうここには用はないわ!私達も撤退してご主人様の元に戻るわよ、リザイラ!」
「ええ!」
そしてセレーネを抱き上げたベルフェゴールとリザイラは転移魔術でその場から消え
「―――行きましたか。彼らを逃がす事もできましたから、これ以上の戦闘は無意味ですね。レン、転移魔術をお願いします。」
「はーい。―――転移―――ケルディック市。」
二人に続くように飛竜に乗っているサフィナもレンの転移魔術によってレンやパテル=マテルと共にその場から消えた!
「クッ、まんまと逃げられてしまったわね……!”C”!せめて”紅き翼”だけは追った方がいいんじゃないの!?」
その場から全員が消えるとスカーレットは唇を噛みしめた後オルディーネを見つめて言ったが
「そ、そうしたいのは……山々なんだが……あいつらとの戦いによるダメージがデカすぎる上、ベルフェゴールに男の急所を何度も攻撃されたせいで脳を通して俺の股間にまでダメージを伝わってきやがったから、股間が痛すぎて動かせねぇんだよ……」
「同志”S”。”C”の気持ちは男の俺ならわかる……あれは……男にとっては恐ろしすぎる攻撃だ……」
「…………………」
オルディーネに乗っているクロウと機甲兵に乗っているテロリストから帰ってきた情けない答えを聞いて冷や汗をかいて呆れた表情で黙り込んだ。
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