英雄伝説~光と闇の軌跡~(SC篇)
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第101話
~ブライト家~
「こんの~……!何、人んちを壊しているのよ!ブラッシュ!!」
戦闘開始早々エステルはクラフトを放った!
「フッ。……喰らえっ!」
しかし猟兵は不敵に笑い、エステルの攻撃を回避した後、レナに向けて銃弾を放った!
「!!」
しかしエステルがレナの前に出て庇った。
「エステル!」
「っつ!?」
銃弾を受けて、ダメージを受けたエステルを見たレナは声を上げ、エステルは痛みに耐えた後、猟兵を睨んだ。
「ムン!!」
そして猟兵はエステルに斬りかかった!
「なっ!?」
銃で斬りかかった猟兵を見たエステルは驚きながらも、剣で防御し、猟兵と鍔迫り合いになった!
「あっち行け~!」
「!?ガッ!?」
そこにミントがクラフト―――アイシクルショットを放って、猟兵を吹っ飛ばした!
「チッ………!」
吹っ飛ばされた猟兵は舌打ちをした後、銃を構えたが
「聖槍!!」
「なっ……アーツだと!?グッ!?」
エステルが放った魔術に驚き、銃で防御したが、光の槍は銃に命中した後爆発し、銃を破壊すると共に猟兵の目をくらませた!
「異界の円環よ!捉えし者を浄化の炎で焼き尽くせ!オキサイドリング!!」
「グアアアアアアアッ!?……………」
そしてミントが放った魔術を受けて悲鳴を上げた後、戦闘不能になった!エステルとミントが戦っている一方ヨシュアは一人で猟兵と対峙していた。
「オラアッ!」
猟兵はヨシュアに銃を連射して放ったが
「遅い!絶影!!」
ヨシュアは横に跳んで回避した後、クラフトを放った!
「ガッ!?」
ヨシュアのクラフトが命中した猟兵は呻き
「朧!!」
「グアッ!?」
さらに続けて放ったヨシュアのクラフトにさらにダメージを受け
「雷よ!!」
「グアアアアアッ!?」
たたみかけるようにヨシュアが使った絵札――”雷の絵札”の魔術攻撃を喰らって悲鳴を上げ
「これで決める……!ハァッ!そこっ!せぃやっ!」
「グッ!?チクショウ…………」
ヨシュアが放ったSクラフト――真・断骨剣・妖の型を喰らい、戦闘不能になった!
「クッ………まさか”剣聖”のガキどもがこれほどとはな。」
「………退くぞ。」
「こら―――!あんた達には聞きたい事が一杯あるんだからね!」
撤退しようとする猟兵達を見て、エステルは怒鳴ったが猟兵達は答えず、それぞれ現れた場所から急いで出て行った!
「に、逃げられた…………!」
「凄く行動が早かったよね………」
「……………(あの武器は少なくとも強化猟兵が使う武器じゃない。剣とライフルを合わせた武器――”ブレードライフル”を主流に使う猟兵………まさか!)」
猟兵達に逃げられた事にエステルは悔しがり、ミントは残念そうな表情で言い、何かに気付いたヨシュアは信じられない表情をした。
「エステル……私を庇って撃たれたようだけど大丈夫?」
そこにレナが心配そうな表情でエステルに近づいて来て尋ねた。
「ちょっと、喰らっちゃったけど、こんなのかすり傷よ!それよりお母さんが無事でよかったわ。………闇の息吹!!」
レナに答えたエステルは自分に治癒魔術を使って、傷を回復した。
「それにしても何でこんな所に猟兵が………」
「それも使っている武器が今までと違ったよね?」
傷を回復したエステルは真剣な表情で呟き、ミントはある事を思い出して言った。
「………………とりあえず、母さんをロレントまで連れて行こう。話はそれからだ。」
「………そうね。家の中が滅茶苦茶になったし、しばらくはステラ達の家に泊めてもらうわ。……ロレントまでお願いね、3人とも。」
ヨシュアの言葉に頷いたレナは3人を見て言った。
「うん、任せて!」
そして3人はレナをロレントまで護衛した後、知り合いの家にレナの事を頼み、ギルドに報告に向かった。
~遊撃士協会・ロレント支部~
「あら……ようやく来たわね。来るのが遅かったから迎えに行こうと思っていた所よ。」
ギルドに入ると既に仲間達がいて、シェラザードがエステル達に言った。
「うん、待たせてごめん。」
「………それより重大な報告があります。」
シェラザードの言葉を聞いたエステルは謝り、ヨシュアは真剣な表情で言った。
「久しぶり……と言いたいところだけど、どうやらその様子だと何かあったようね。何があったのかしら?」
ヨシュアの様子を見たアイナは真剣な表情で尋ねた。そして3人はブライト家に猟兵達が襲撃した事、そしてその後にレナを知り合いの家に預けた事を説明した。
「………まさか結社の連中がロレントに現れるとはな………それにしても何で、一軒家を襲ったんだ?」
「………恐らくエステルを攫ったように旦那の奥さんを攫おうとしたんだろう。」
アガットの疑問にジンは真剣な表情で言った。
「その事なんですが………今回の敵は”結社”の猟兵じゃないと思います。」
「え………それってどういう事!?」
ヨシュアの推測を聞いたエステルは驚いて尋ねた。
「練度が明らかに違うし、何より使っている武器がその証拠だよ。」
「武器?そういえば、あいつら変わった武器を使っていたわね………」
「うん。ティータちゃんが持っているような火薬式の銃で攻撃したと思ったら、銃で斬りかかってきたもんね。」
敵の使っていた武器を思い出して呟いたエステルの言葉にミントは頷いた。
「………あの武器は”ブレードライフル”。構造が複雑で量産されていないけど、使えば遠近両方で戦える武器だよ。」
「確かに今まで戦ってきた猟兵が使っている武器じゃないわね………」
ヨシュアの説明を聞いたシェラザードは考え込んだ。
「……………”ブレードライフル”を主流に使い、赤い鎧の猟兵………恐らくあの猟兵達は”赤い星座”の猟兵達だ。」
「へ?」
「「ふえ?」」
ヨシュアの推測を聞いたエステルとミント、ティータは何の事かわからず、首を傾げたが
「「「なっ!?」」」
「”赤い星座”だと!?」
「?その様子だと、みなさんは知っているようですね。」
アイナ、アガット、シェラザードは驚き、ジンは血相を変えて叫び、その様子を見たリタは言った。
「えっと……”赤い星座”って何なの?」
「――”赤い星座”。数ある猟兵団の中でも最も大きい勢力の一つで、戦いの狂気に満ちた最強で最悪の猟兵団の一つだよ。」
「あ、あんですって~!?」
ヨシュアの説明を聞いたエステルは驚いて声を上げた。
「そ、そんな人たちがどうしてリベールに………」
「………もしかしたらだけど、結社が雇ったかもしれない。彼らは戦好きだけど、大金を払わないと動かないだろうし。」
信じられない表情で呟いたティータの疑問にヨシュアは静かに答えた。
「まいったわね…………リッジを安静にさせないといけない状況でまさか”赤い星座”の猟兵が現れるなんて………」
「へ?一体何があったの?」
考え込んでいるアイナを見たエステルは気になって尋ねた。そしてシェラザード達はマルガ鉱山に見回りに行った際、鉱山内で魔獣があふれ、シェラザード達は鉱夫たちの救出と彼らを逃がす為に瀕死の状態で一人戦っていた遊撃士を救出した事件を話した。
「そ、そんな事があったなんて………リッジさん、大丈夫なの?」
「ええ、あちこち痛めているけど遊撃士にとってはかすり傷よ。もう意識を取り戻して今はホテルで休んでいるわ。」
「よかった………」
エステルの疑問に答えたアイナの答えを聞いたミントは安堵の溜息を吐いた。
「………まあ、メンフィル兵達が大人数で街を見回っているから多分何かあっても大丈夫だと思うけど………」
「そういえば、いつも以上にメンフィル兵達が見回りをしていましたね。一体何があったんですか?」
アイナが呟いた言葉で気になった事を思い出したヨシュアは尋ねた。
「それはよくわからないわ。………”導力停止現象”が起きて数日後、突然大人数のメンフィル兵達が見回りを始めたのよ………何事かと思ってクラウス市長がメンフィル兵に尋ねたら、リウイ陛下の命で始めたそうよ………まあ、市民達はあの”大陸最強”のメンフィル兵達が今の状況で街を守ってくれているという安堵感を与えている上、こちらも助かっているし、ある意味いいんだけど………」
「リウイが…………?一体何を考えているのかしら?」
「時間があれば大使館に行って、理由を聞くのがいいかもしれないね。」
アイナの話を聞いて首を傾げているエステルにヨシュアは提案した。
「そうね。王都に向かう途中で寄るのもいいかもしれないわね。……先ほどエルナンさんから通信があって、何でも、アリシア陛下があなた達に話があるらしいわ。グランセルに寄ったら王城を訪ねてほしいですって。」
「女王様が!?」
「一体何の話があるんだろう?」
アイナの説明を聞いたエステルは驚き、ミントは首を傾げた。
「詳しくは聞いてないわ。ただ、導力通信では話しにくい内容みたいね。」
「通信では話しにくいこと……。そっか、導力通信だと傍受される危険があるから……」
「どうやら機密性の高い話があるみたいだね。」
アイナの話を聞いたエステルは納得し、ヨシュアは真剣な表情で呟いた。
「ただ、今すぐ来てほしいという訳ではないみたい。王都に立ち寄ったらでいいそうよ。」
「そっか……分かったわ。」
「これから訪ねてみますが………こちらは大丈夫ですか?」
アイナの説明を聞いたエステルは頷き、ヨシュアは尋ねた。
「………メンフィル兵達に”赤い星座”の事や、”赤い星座”の猟兵が現れた事を後で私が説明して、警戒を強めるように頼んでおくわ。」
「わかりました、お願いします。」
そしてエステルは仲間達と共に王都に向かったその時、エリーズ街道にて信じられない光景を目にした………………
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