英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅰ篇)
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外伝~特別模擬戦第三戦 VS”闘神の息子”ランディ・オルランド~
~グラウンド~
「ほらよっ!!」
戦闘開始早々ランディは懐から素早く取り出したスタングレネードをフィー達の中心地に放り投げ
「へ――」
「な――」
突如放り投げられたスタングレネードにマキアスとユーシスは呆け
「これはまさか……!」
「スタングレネード……!目を閉じて!」
ある事に気付いたラウラは目を見開き、フィーが警告した瞬間、スタングレネードは爆発すると共に強い光を放った!
「うわあっ!?め、目が……!?」
「チィッ!?小癪な真似を……!」
スタングレネードによる強い光をまともに受けてしまったマキアスとユーシスは状態異常―――”暗闇”状態になり
「ハッ、まずは二人だ。」
二人の状態を見たランディが銃口を二人に向けたその時
「―――させぬ!」
「!!」
ラウラが剣技―――鉄砕刃で強襲し、ラウラの奇襲に気付いたランディはその場から離れ
「そこっ!!」
「チッ、”西風の妖精”は予想していたが”光の剣匠”の娘も今のを躱すとはな………!」
そこにすかさずフィーがクラフト―――クリアランスで追撃し、ランディは舌打ちをした後フィーと銃撃戦を繰り広げ始めた。
「アークス、駆動――――レキュリア!!」
その時オーブメントを駆動させたユーシスがアーツで自分とマキアスの暗闇状態を回復させ
「さっきのお返しだ!―――ブレイクショット!!」
視界が回復したマキアスはランディに標準を合わせて強烈な一撃を放った!
「――遅ェよ。」
「なっ!?」
しかし襲い掛かる弾丸の軌道を脅威的な肉眼で見切っていたランディは身体を僅かに傾けて回避し
「舞え、翼よ!!」
そこにユーシスがクラフト―――ライトニングバードを放ったが
「無駄だ。――――オォォォォォ……!」
「うあっ!?」
「グッ!?」
ランディはブレードライフルを構えて猛スピードで回転しながら突撃して襲い掛かる闘気の鳥を真っ二つにしてユーシスとマキアスに回転攻撃を叩き込み
「行くぜ――――」
回転攻撃を終えて二人の背後で止まった瞬間振り向いて凄まじいスピードで強襲して刃の部分を二人に何度も叩き込み
「ブラッディパニッシャー!!」
最後に二人の足元から闘気の刃を発生させて強烈な一撃を叩き込み
「さあて……始めるとするか……うおおおおおおおおおお―――――ッ!!
「ががっ!?」
「ぐあっ!?」
ランディは怒涛の銃撃を放ちながら突撃し
「喰らえ―――ベルゼルガー――――ッ!!」
二人の背後へと駆け抜ける瞬間無数の斬撃を叩き込んだ!
「かはっ!?う……ぐぅ……!?」
「グッ!?馬鹿……な……っ!?」
クラフト―――ブラッディストームからブラッディパニッシャー、大型ライフルで戦場を狩るランディの赤き奥義―――ベルゼルガーによる連携に耐えきれなかったマキアスとユーシスは地面に叩きつけられると共に戦闘不能になり、それぞれ呻き声を上げた!
「マキアス、ユーシス!」
二人が戦闘不能になった事にラウラは驚き
「一気に二人減ったのは痛いね……!シュッ!!」
フィーは厳しい表情をした後クラフト―――スカッドリッパーでランディに強襲した!
「!!」
フィーの神速による強襲も猟兵時代の勘が完全に戻っているランディには驚異的な身体能力や反射神経を備えていた為、間一髪で回避した。
「これはさっきのお返し。」
「チッ……!」
しかしフィーは自分の強襲が回避される瞬間、F(フラッシュ)グレネードをランディの足元に投擲した為、ランディはF(フラッシュ)グレネードによる強烈な光から目を守る為に目を閉じた。
「ラウラ!」
「任せよ!―――断ち切る!!」
「グッ!?」
その時フィーと戦術リンクを結んでいたラウラはクラフト―――地裂斬を放ってランディに命中させた!
「――今だ!フィー、行くぞ!」
「了解!シュッ!!」
そして互いのアークスから強烈な光を放ち始めたラウラの呼びかけに応えたフィーが電光石火の速さでランディに強襲し
「……っ!」
フィーの強襲攻撃をランディは間一髪で回避したが
「正道と邪道の連携、思い知るがよいっ!!」
「チィ……ッ!?」
剣を闘気によって光の剣と化させたラウラが突撃してその場で回転攻撃をして発生させた竜巻をその身に受けた。
竜巻を放ち終えたラウラが後ろに下がってフィーと肩を並べたその瞬間!
「クックククク………ハハハハハハハッ!面白くなってきたじゃねえか……オォォォォオォォォォ―――――ッ!!」
ランディは凶悪な笑みを浮かべて声を上げて笑った後咆哮を上げると共に膨大な赤き闘気を纏い
「ほらよっ!!」
「「!!」」
クラフト―――クリムゾンクライで凄まじい闘気を纏い、爆発的な身体能力を得たランディは複数のスタングレネードを一度に投擲し、協力技を放つ構えをしていたラウラはそのまま技を放つ為に空へと跳躍して回避し、フィーは電光石火の速さでランディに向かって強襲して投擲された複数のスタングレネードを回避し
「「奥義!烈・太極無双撃!!」」
二人はランディに向けて協力技を放った。しかし―――
「な――――いない!?」
協力技を叩きつけたはずの場所にランディはいなく、その事にラウラは驚き
「一体どこに……―――!!」
フィーは警戒の表情で周囲を見回したが足元からの危険を察知し
「―――ラウラ!」
「クッ!?フィー、一体何を―――」
足元に煙を上げているスタングレネードに気付いたフィーが目を閉じてラウラに力一杯突撃してラウラを突き飛ばしたその瞬間、強烈な光が放たれると共に何かのガスがフィーを包み込んだ!
「コホッ、コホッ……!?クッ、身体が痺れて……油断した……まさか麻痺ガスだったなんて……!」
ランディが自分達の協力技を回避すると同時に地面に落として行った強力な麻痺ガスも調合されている特殊な閃光爆弾―――パラライボムを受けた影響で身体が痺れたフィーはブレードライフルの銃口を自分に向けたランディを睨んだその時!
「さあて……始めるとするか……うおおおおおおおおおお―――――ッ!!」
「……ッ!?」
ランディは怒涛の銃撃を放ちながらフィーに突撃し
「喰らえ―――ベルゼルガー――――ッ!!」
フィーの背後へと駆け抜ける瞬間、無数の斬撃をフィーに叩き込んだ!
「アアアアッ!?ラウラ……頑張って……」
「フィー!?」
ランディの奥義をまともに受けたフィーは吹っ飛ばされて地面に叩きつけられると戦闘不能になり、その様子を見ていたラウラは声を上げ
「さてと。局長の要望通り、ここからはコイツで相手してやるよ。”西風の妖精”さえ先に潰しておけば、後の3人は誰が相手でも大した脅威じゃねえからな。」
ランディは武器をブレードライフルからスタンハルバードに持ち替えて不敵な笑みを浮かべてラウラを見つめた。
「クッ……アルゼイド流を舐めるなぁっ!コォォォォォ……ハアッ!!」
ランディの挑発に唇を噛みしめたラウラはクラフト―――洸翼陣で身体能力を上昇させ
「―――地裂斬!!」
地面を這う衝撃波を放った!
「オォォォォ……サラマンダー!!」
しかしランディはスタンハルバードを振るって一瞬の溜め込みによって纏わせた闘気を炎の竜と化させた衝撃波を放ってラウラの攻撃を相殺し
「ほーらよっ!!」
ラウラに向かって再びスタングレネードを投擲した!
「その手はもう通じんぞ!!」
投擲されたスタングレネードを見たラウラは後ろに跳躍して回避したが
「甘ェんだよっ!!」
「クッ……!?」
跳躍して自分の目の前でスタンハルバードを叩きつけたランディのクラフト―――バーンディバイドによって発生した炎の衝撃波をその身に受けて怯み
「らああああああっ!!」
「うあっ!?」
連携して放たれた闘気を纏った薙ぎ払い攻撃―――テンペストレイジを間一髪大剣で防御したが、吹っ飛ばされ
「これで終わりだ―――喰らえっ!!……悪ィな……」
「グウッ!?」
吹っ飛ばされたラウラに向かって追撃したランディの戦域を自在に駆け抜け、鬼気迫る勢いで敵を蹂躙するクラフト―――デスストームをその身に受け、身体中に伝わってくる強烈な痛みに呻いたラウラは思わず地面に跪きかけたが
「まだ……だ……っ!」
ラウラは大剣を支えにして身体を震わせながら立ち上がった!
「……今のを喰らって立ち上がるとはな。さすがは”光の剣匠”の娘だけあってタフだな。」
「フフ、父上に挑んで何度も叩きのめされたからな。この程度では倒れん……!」
若干驚いた様子のランディの言葉にラウラは不敵な笑みを浮かべ
「で?まだやるのか?」
「ああ……!今の私ではそなたに敵わない事は先程の戦いで十分理解できたがアルゼイド流の剣士として決して諦めぬ……!」
「ったく、往生際の悪い嬢ちゃんだぜ……!」
そして二人は互いを睨みあいながら膨大な闘気をさらけ出した!
「(”洸刃乱舞”では恐らく届かない……未完成だが、一か八か試すしかあるまい……!)受けてみよ!我が全霊の奥義!!セイッ、ヤアッ、たあっ!!」
決意の表情になったラウラは大剣に全神経を集中させてランディに詰め寄って高速の斬撃を何度も叩き込み
「チッ!?まだこんな力を残していたのかよ……!?」
スタンハルバードを軽々と振るって対処していたランディだったが次々と繰り出されるラウラの高速の斬撃は全て見切れず、ダメージを受け、ランディに斬撃を叩き込んだラウラは大きく後ろに跳躍し
「うおおおおおおおおおお…………!」
大剣を上段の構えにして全身に残る全ての闘気を注ぎ込み始めた!
「クク、やるじゃねえか……!赤き夜の死神よ、戦場を駆け、兵どもを貫け…………うおおおおおおおおっ!!」
対するランディは不敵な笑みを浮かべた後全身に膨大な殺気と闘気を纏って咆哮を上げた!
「吼えろ!獅子洸翔斬――――ッ!!」
そして闘気を溜め終えたラウラは闘気によって発生した金色の巨大な獅子を纏ってランディに向かって突撃し
「デス――――スコルピオン!!」
対するランディは闘気によって発生した赤きサソリを纏ってスタンハルバードを突きの構えでラウラに向かって突撃し、互いの奥義がぶつかった際、グラウンドに地震が起こり、互いの闘気がぶつかった際に闘気の爆発が起こり、爆発の煙が晴れるとラウラとランディは背中合わせの位置にいたが
「ま、本気の俺相手にタイマンでここまで粘っただけ上出来だぜ。」
ランディは不敵な笑みを浮かべてスタンハルバードを仕舞い
「ここまで……か……見事だ……」
両手に持っていた大剣がないラウラが地面に崩れ落ちたその時、ランディのSクラフトとぶつかり合った際弾き飛ばされた大剣はラウラの遥か後方の地面に刺さっていた!
「―――そこまで!勝者、ランディ・オルランド!」
そしてラウラが戦闘不能になるとサラ教官は戦闘終了の号令をかけた!
「つ、強すぎる……これがトップクラスの”猟兵”か……」
「クッ、以前バレスタイン教官と戦った時と違いARCUSによる戦術リンクも問題なく結べていたというのに……!」
戦闘終了の号令がかかると地面に倒れているマキアスとユーシスは呻き
「……まさかスタングレネードに麻痺ガスが調合されていたなんて……――油断した。」
「フフ、本来の得物でないにも関わらずあの強さ……世界は広いな……」
フィーは悔しそうな表情で呟き、ラウラは静かな笑みを浮かべ
「あ~、疲れた。これだから本気は出したくなかったんだよな……」
膨大な闘気と殺気を霧散させたランディは疲れた表情で呟いた。
「………………」
「僕達Ⅶ組の”最強コンビ”であるラウラとフィーのコンビをも圧倒するなんて……!」
「……ノルドの地で戦った猟兵達とは桁違いだな。」
「ええ……」
戦いを見守っていたリィンは口をパクパクさせ、エリオットは信じられない表情をし、ガイウスの言葉にエマは頷き
「それによくあんな重力級の武器を軽々と振り回せるわね……」
「相当な腕力と体力がある証拠ですね……」
アリサとセレーネは驚きの表情でランディを見つめた。
「パラスケヴァスを守るあの戦いの時にランディさんが本来の得物で戦っていたら私達が危なかったかもしれないわね……」
「た、確かにそうですね……まさかランディさんがあそこまで強いなんて……」
「フッ、さすがは”闘神の息子”か。」
「というかあんだけ強いんだったら、エヴリーヌ達がミシュラムの時に手伝う必要がなかったような気がしてきたよ。」
プリネの推測にツーヤは冷や汗をかいて頷き、レーヴェは静かな笑みを浮かべ、エヴリーヌはある出来事を思い出しながら呟いた。
「ふええええ~!さすが”闘神の息子”だね~!”闘神の息子”でこの強さなんだから、”赤の戦鬼”や”血染めの(ブラッディ)シャーリィ”とかどんな強さなんだろう?」
「つーか、あのオッサンって本当に俺達と同じ人間か?」
ミリアムは興味ありげな表情で呟き、クロウは表情を引き攣らせ
「おいコラ、そこのバンダナ!誰がオッサンだ!?お兄さんと呼べ!俺はまだ20代前半だぞ!?オッサンなのはむしろそこのリア充局長だぞ!?」
クロウの言葉を聞いたランディはクロウを睨んで指摘した。
「おいおい、俺もまだ20代だぞ?」
「まあ、四捨五入すれば30代ですけどね。」
「ティ、ティオちゃん。」
ランディの指摘に目を丸くしたヴァイスの反論に指摘したティオの答えを聞いたエリィは冷や汗をかき
「ハハ……相変わらず凄いな、本気のランディは……」
ロイドは苦笑しながらランディを見つめていた。
「やれやれ……今の所全敗とは情けないわね。さすがに1対4なら勝てると思ったんだけどね。」
「む、無茶言わないで下さいよ!?」
「サラに挑むよりキツイし。」
呆れた表情で呟いたサラ教官の言葉を聞いたマキアスは疲れた表情で指摘し、フィーはジト目でサラ教官を見つめた。
「?教官、”今の所”はと仰っていましたが……まさかまだあるのですか?」
「先程の戦いで、”特務支援課”の皆さん全員と模擬戦をしましたが……今度は一体どの組み合わせでしょうか?」
一方サラ教官が呟いた言葉からある事に気付いたリィンは不思議そうな表情をし、エマは尋ね
「もしかして”黄金の戦王”が相手だったり~?」
ミリアムは口元に笑みを浮かべてヴァイスを見つめた。
「フッ、残念ながら俺ではない。最後は”特務支援課”自身―――つまりはロイド、エリィ、ティオ、ランディの全員が相手だ。」
ミリアムの疑問を聞いたヴァイスは口元に笑みを浮かべて答え
「ええっ!?ぜ、全員!?」
「サラ教官、彼らと対する我らⅦ組は誰が挑むのだ?」
ヴァイスの答えを聞いたエリオットは驚き、ラウラはサラ教官を見つめて尋ねた。
「フフ、最後のメンバーはリィン、セレーネ、ミリアム、クロウ!あんた達よ!」
ラウラの問いかけにサラ教官は口元に笑みを浮かべて指名し
「は、はい!」
「わかりました!」
「わーい!ようやくボクの出番だね!」
「うげっ!?おいサラ!さすがにこの4人じゃ、あの4人に対抗するなんて戦力不足過ぎじゃねえか!?特に翼のロリッ娘と赤毛のオッサンの反則的な強さはさっき見ただろうが!?」
指名されたリィンとセレーネ、ミリアムはそれぞれ答えたがクロウは表情を引き攣らせた後サラ教官に指摘した。
「だからお兄さんと呼べっつーの!」
「模擬戦が始まったら、とりあえずまずはあのバンダナの人を集中攻撃して速やかに無力化しましょう。」
ランディはジト目のティオと共にクロウを睨み
「ティ、ティオちゃん……」
「ハハ、クロウさんの言った言葉を気にしているんだな……」
ティオの提案を聞いたエリィとロイドは冷や汗をかいて苦笑した。
「あんたは先輩なんだから泣き言を言わない!今まで培ってきた経験を駆使して、頑張って勝ちなさい!」
「無茶言うぜ、オイ……」
サラ教官の答えにクロウは肩を落として溜息を吐き
「ハハ……でも今の所全敗しているんだから、せめて最後は勝ちたいよな?」
「はい!精一杯頑張ります!」
「ボクもみんなの仇を討つ為にもガーちゃんと一緒に頑張るねー!」
「――――――」
リィンは苦笑し、リィンの言葉にセレーネは力強く頷き、ミリアムは無邪気な笑顔を浮かべてアガートラムを召喚した。
「勝手に俺達を殺すな、阿呆。」
ミリアムの言葉にユーシスは呆れた表情で指摘した。
「女神よ……彼らに勝利の風を……」
「頑張って、みんな!」
ガイウスはその場で祈り、アリサは応援の言葉を送った。
「――それじゃあ双方、それぞれの戦闘配置につきなさい。」
そしてサラ教官の言葉を聞いたロイド達、リィン達はそれぞれ戦闘配置につき
「―――双方、構え。」
サラ教官の言葉を聞くとリィン達はそれぞれ武器を構え、ロイドはトンファーを、エリィは銃を、ティオは魔導杖を、ランディはスタンハルバードを構え
「―――”特別模擬戦”最終戦、トールズ士官学院特科クラス”Ⅶ組”代表リィン・シュバルツァー以下4名対クロスベル警察分室”特務支援課”代表ロイド・バニングス以下4名……―――始め!」
サラ教官の号令を合図にリィン達とロイド達は模擬戦を開始した!
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