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ONEPIECE 空の王者が海を征す

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空の王者、街で過ごす

「サンジ、包丁砥ぎは終わったが他の仕事はあるか?」
「んじゃ皿洗い頼むぜ」
「承知した」

麦わらの一味に加入してから数日、順調に大海原を行く海賊船"ゴーイングメリー号"。可愛らしい羊の船首を持った船を使用して旅を続ける麦わら海賊団、今レウスはそんな一味の雑用係として活動していた。

「助かるぜ。お前が皿洗いしてくれるってんなら俺はゆっくりナミさんのおやつの調理が出来るぜ」
「役に立ててるなら何よりだ。一味に入ったからには何か仕事しねえとな」
「良い心掛けだ、ルフィにもその10分の1ぐらいの気持ちを持ってくれたな」
「否無理だろ。入って数日な俺でも解るぞ」
「だな」

皿を洗いながら調理を続けるサンジと雑談をするレウス。今現在一味の中で一番仲良くなっているのサンジだった。それなりに話に乗ってくれるのでかなり接しやすい、それに食事のリクエストにも対応してくれるからだ。

「うーん本当に綺麗ね……これなら結構な値打ちになるわね」

ラウンジではナミがレウスから貰った鱗をじっくりを観察しつつ鑑定を行っていた。剥いで良いかと迫ってくるので鱗をいくつか自分で剥ぎそれを渡したのだ。ちょっぴり痛かったらしい。鱗は人間でいう所の皮膚だからしょうがないが。

「ねえレウス、もっと鱗貰えないかしら?」
「勘弁してくれナミちゃん……金欠になった時なら良いがそれ以外じゃ拒否するぞ」
「解ったわよ、まあ緊急時の資金面が解決したと考えれば儲け物ね」
「勘弁して欲しい物だ………」

ちょっぴり女性(ナミ)に恐怖心を抱きつつ左手を変化させ竜頭の口から温風を吐き出し洗い終わった皿へと浴びせていく。能力の有効活用なのだがなんだか食器洗い機のような事をしているせいかちょっぴり複雑な気分になるレウスであった。

「洗浄と乾燥終わったぞ」
「いやマジで助かったぜ。誰かがやってくれるってのは良いもんだな」
「食器洗い機っという扱いの定着は勘弁願いたいがな」
「まあそういうなって。また頼むぜ」
「………まあ頼まれればやるが」

溜息を付きつつ波の隣の席に座りつつ部屋の隅に置かれている袋を傍に寄せ中身を取り出してじっくりと見る。茶とおやつの準備が済みそれをナミに差し出したサンジと鱗を綺麗に拭き値打ちを出来るだけ高めようとしているナミはその行動が気になったのかそちらへと視線を向けた。袋から取り出したのは爪や牙のように見えた。

「レウスそれってなんだ?牙に見えるが」
「ああこれ?竜化してた時に抜けた俺の牙や爪だよ、何かに使えないからなぁって取ってあるんだ」
「へぇ~それも貰っても良い?もしかしたら売れるかも」
「商魂逞しいなぁナミちゃんは」

そう言いつつ袋から幾つか牙や爪を差し出して渡す。

「結構硬いし鋭い、道具としてかなり使えそうね」
「まあ好きにしたらいいさ、その内また抜けたりするだろうし」

そのようなやり取りをしていると船は目的地であったローグタウンへと到達した。別名始まりと終わりの町、"海賊王”ゴール・D・ロジャーの出生地であり処刑地でもある事で有名であるこの町が東の海(イーストブルー)から偉大なる航路(グランドライン)へ行く時の玄関口となる町である。そのため東の海中の無法者達が偉大なる航路を目指しこの島に集結している。

「っつう訳で俺はこの財宝を換金してくる、ゾロ悪いが手伝って貰えるか?この量だ、一人じゃ骨だからな」
「ああ分かった。その後で武器屋に寄りてえがいいか」
「俺は良いぜ興味あるからな、でもお前金あるのか?」

試しに聞いてみた所ゾロはうげっと言いたげな表情をした。数日共に過ごしたがこの一味の財布は如何考えてもナミが握っている。そして守銭奴な彼女が普段から金を渡しているとは考えにくい。

「んじゃ俺の元々の取り分の4割から工面してやるよ、それで買うってのは」
「ああ悪いがそうさせて貰うぜ」
「んじゃ換金所へ出発~」

ゾロと共に宝を分けて中央街へと歩いていく。中央街は活気に溢れ多くの人がいる、そんな所にあった換金所は大きく宝は容易に換金出来そうだ。

「んじゃ俺は換金してくるから先に武器屋にでも行っててくれ」
「ああ解った、んじゃ……あそこの店にいるからよ」
「おう」

一旦ゾロと別れ宝を担ぎ上げて換金所へと入っていくレウス、入ると直ぐに周囲から喜々とした目の店員から見られる。それ流しつつ換金の受付へと向かう。そこには如何にも頑固そうな老人が席に付いていた。

「………おう。それを換金すんのか」
「頼むぜ」
「物を見せな」

ドスン!大きな音を立てながら宝を老人へと差し出す。袋から宝を取り出すと老人は猛禽類のような眼光で宝を品定める。時折目に付けるタイプのルーペで細かい部分などを見つめている。それを宝全てへと行っていくがかなりペースが速い。かなりのベテランのようで僅か1時間半で全ての宝の鑑定を終えた。

「………待たせたな小僧、中々の上物ばかりで久しく嬉しくなっちまって長々と見ちまってた」
「いや結構早かったと思うけどな、この量を1時間半でやるんだから」
「んで査定額だがな……こんぐれぇだな」

老人が査定をしながら計算していた算盤に示した金額を紙に書き起こして見せてくれた。そこにはナミの査定額を上回る5000万ベリーの文字が書かれていたので思わず首笛を吹いてしまう。

「こりゃうちの航海士の査定以上だぜ、この額で頼むよ。爺さんサンキュ」
「へへへっこっちこそ良い宝見せて貰ったぜ小僧、しかもこれは小僧が取ったもんだろ」
「おっ解るの?」
「長年こういう仕事してると解るもんさ、中々いい腕だ。お前さんの幸運を祈る」

老人と最後に握手をし他の従業員が持ってきた5000万の入ったアタッシュケースを持って換金所を出る。このうちの6割、3000万がナミに入るから自分の取り分は2000万ベリーという事になる。まあ2000万という大金を持ち歩く訳には行かないので基本的に管理はナミに任せるつもりでいるが。先程ゾロがいるといった店に入ってみるとそこには腕を突き出しているゾロと地面にへ垂れ込んでいる眼鏡の女性と店主と思わしき男性、そして床に突き刺さっている刀が目についた。

「おいゾロどういう状況?」
「レウスやっと来たか。いやちょっと妖刀と勝負をな」
「ふ~ん……んで買うもん決まった?」
「一本はな。なあもう一本選んでもらっていいか?」

地面に刺さった刀を抜きつつ女性に頼むゾロ、その後ゾロの男気に惚れたのか店主が店で最高の刀である良業物"雪走"という刀を先程の妖刀と共に無料で手に入れた。

「やっぱ三本あると落ち着くな」
「そういう物なのか……?まあいっか、なあゾロ。金使わなかったんだし飯でも盛大に食って行かねえか?5000万って額が入ってよ、俺の分だけで考えても2000万だ」
「そりゃすげえな、んじゃどっかの店で派手にやろうぜ」

この後、ゾロと共にたっぷり飲み食いした結果、20万ベリーの支払いとなった時流石に食いすぎたかなと顔を見合わせたそうな。 
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