英雄伝説~焔の軌跡~ リメイク
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第109話 (1章終了)
~翡翠回廊~
「みんな、行くぞ!」
「突撃開始!!」
「皆行くよ、マイティサーキット!」
戦闘開始早々ロイドとユリア大尉、アニスはそれぞれ仲間達の闘志を高めるクラフトで仲間達の攻撃力を上昇させた。
「そらっ!!」
「も、燃えちゃえ!バーニングフォース!!」
仲間達のクラフトで攻撃力が上昇したケビンとティータはそれぞれベヌウに攻撃したが
「………………」
「きゃっ!?」
ベヌウは怯まず、舌を伸ばしてティータに攻撃した。すると攻撃をしたベヌウ自身はなんと負っていた傷が回復した!
「女神の御加護を――――ホーリーブレス!!」
その時リースが聖典の祝福で味方の傷を回復する法術でティータの傷を回復した。
「オォォォ……ブレイブスマッシュ!!」
「ハアッ!まだよっ!!」
一方フレンとアーシアは取り巻きの石像を倒す為にそれぞれ一体ずつ向かって攻撃を叩き込み
「せいっ!!」
「やっ!そこだっ!」
クラフトで仲間達を強化し終えたユリア大尉とロイドも続くように一体の石像に攻撃を叩き込んだ。
「流影打!ドカンと一発、流舞崩爆波!!」
更にアニスはトクナガで流れるように攻撃を叩き込んだ後石像を打ち上げ、激しい水しぶきを起こして攻撃して石像を倒した。するとその時フレン達が倒し切れていない石像達が口から炎を吐いてケビン達にダメージを与えた。
「今助けたる―――そらっ!!」
「が、頑張って!!」
石像達の攻撃が終わるとケビンとティータが味方の傷を回復するクラフトで自分や仲間達の傷を回復した。そして石像達は再び攻撃する為に口に炎を溜め始めたが
「させるか!ハアッ!!」
「同じ手は喰らわねぇぜ!スタンブレイク!!」
「刃よ、伸びよ!!」
ロイドとフレンはそれぞれトンファーに電撃を流し込んで攻撃し、アーシアは法剣の刃を伸ばして攻撃して石像達の行動を中断させた。
「えいっ!アセンション!!」
「エアディバイド!ルナティックスティング!!」
「食らえ光の鉄槌―――リミテッド!!」
そこにリースがアーツで、ユリア大尉がクラフトを連携させて、アニスが譜術でそれぞれ石像達に攻撃し、3人の攻撃によって石像達はそれぞれ破壊された。
「……………」
取り巻きが倒されたベヌウは取り巻きを気にせず、ケビンに舌を伸ばして攻撃したが
「っと!もう、しまいにしよか……滅!!」
ケビンは側面に跳躍して回避した後クラフト―――デスパニッシャーで反撃を叩き込み
「つ、貫いて!アクアスパイラル!!」
追撃にティータが導力砲から水圧の槍を放ち、水圧の槍に全身を貫かれたベヌウの周りを覆っていた膜が消え、ベヌウはアーツの駆動を始めた!
「連濤雷光弾!!」
しかしそこにアニスがトクナガに頭突きでベヌウを宙へと打ち上げさせた後杖を回して譜術による雷を発生させて追撃し、止めにトクナガの拳による一撃を叩き込んで敵のアーツの駆動を中断させた。
「せいっ、はっ、たぁっ!!」
「行くぜっ!うぉぉぉぉぉ……っ!!」
アニスに続くように敵を左右から挟み込んだロイドがクラフト―――アクセルラッシュで、フレンがクラフト―――ブレイブラッシュによる連続攻撃を叩き込み
「そらっ!」
「そこっ!」
「えいっ!」
二人の攻撃が終わるとケビンとアーシアがボウガンで、ティータが導力砲でそれぞれ遠距離攻撃を叩き込んだ。すると敵の姿は若干変化した!
「……………」
変化した敵は全身に霊力を溜め込んだ後、妖しげな色をした衝撃波を戦場全体に放つ技――冥界波をケビン達に放った!
「くっ……」
「こ、これは………」
「ふ、ふええ~?ね、眠くなって……」
敵の攻撃を受けた後突如眠気が襲って来たユリア大尉とロイド、ティータはその場で跪いて眠り始め
「クソッ、今の攻撃に睡眠効果もあったのか……!」
「先に言っておくけど、わたしは治癒系の技や譜術は使えないから、そっちが何とかしてよ~!」
ユリア大尉達の様子を見て、敵が放ったクラフトに睡眠効果がある事を悟ったフレンは表情を厳しくし、アニスは疲れた表情で声を上げた。
「わかっとる。………今助けたるっ!そらっ!」
そしてアニスの言葉に頷いたケビンは法術で自分達の傷を回復すると共にユリア大尉達の状態異常―――”睡眠”を回復し、状態異常が回復したユリア大尉達は再び立ち上がって武器を構えた。すると敵は再び”冥界波”を放つ為に全身に霊力を溜め始めた。
「させん!はっ!やっ!せいっ!たぁ!!」
「させるか!スタンブレイク!!」
「行くぜ!スタンブレイク!!」
「無駄です!」
「刃よ、伸びよ!!」
敵の行動に気付いたユリア大尉とリース、アーシアはそれぞれ行動を妨害するクラフトを放って攻撃したが、それでも怯まず敵は先ほどと同じ攻撃――冥界波を放ってケビン達にダメージを与えると今度はリースとフレンが”睡眠”状態になってしまった。
「が、頑張って!!」
「女神よ、我らにお慈悲を―――セイクリッドブレス!!」
それを見たティータとアーシアがそれぞれ治癒系のクラフトを放って自分達の傷やリースとフレンの”睡眠”状態を治癒した。
「あ~、もう!いい加減にしてよね!音素ばくは~つ!」
するとその時アニスはトクナガと共に全身から闘気を解放し
「ヤロー!テメー!ぶっ殺ーす!殺劇舞荒拳!」
ベヌウに一気に詰め寄って凄まじい勢いでトクナガのパンチによる乱撃を叩き込み続け
「とどめー!」
止めとばかりにトクナガを跳躍させた後強烈な一撃をベヌウに叩き込んだ。するとベヌウを中心にドーム型の衝撃波が発生した。
「続けていくよ~!」
更にアニスを乗せたトクナガは跳躍した後凄まじい勢いでベヌウを踏みつけ、自分を中心とした円陣を発生させ
「十六夜天舞!!」
そして全身から光を放つ回転攻撃で跳躍した!
「――――――!!??」
アニスが放った究極の乱舞技―――十六夜天舞によるダメージに耐えきれなかったベヌウは叫び声を上げながら消滅した!
「くっ……はあはあ………」
「あれが………本物の悪魔………」
「何とか退けられたわね……」
「ああ……よくあんな相手を全員無事で退けられたぜ……」
「こ、怖かった…………」
「しょ、正直生きた心地がしなかったよ……」
「あ~、めんどくさかった……あんな面倒な奴、もう2度と出てきてほしくないよ……」
「あんな魔物がこの世に存在するのか……一体……どういう場所だというんだ。」
ベヌウの消滅を確認したケビン達は唯一平気な様子で立っているアニスを除いて全員探索や戦闘の疲労によってそれぞれその場で蹲った。
「フフ………先が思いやられるな。」
するとその時何者かの声が聞こえ、声に驚いたケビン達が顔を上げると、そこには謎の異空間に巻き込まれる前に出会った謎の人物――仮面をつけた異形の男がいた!
「!!」
「あの時の………!?」
「仮面の男……!」
「やっぱりこの事態はお前の仕業か!?」
男に気付いたケビンとリースは真剣な表情をし、アーシアとフレンは厳しい表情で男を睨んだ。そしてケビン達は立ち上ってゆっくりと自分達に近づいて来る男に武器を構えて警戒した。
「君達が光に包まれた時に現れたという異形の男か………何者だ、名乗るがいい!」
「フッ…………名乗れと言うならまずは自分から名乗るのが礼儀というものではないか?王室親衛隊、大隊長……ユリア・シュバルツ大尉。」
「…………………」
初対面であるにも関わらず、自分の事を知っている男をユリア大尉は驚いた男を警戒し
「勿論そこの二人も知っているぞ。―――クロスベル警察”捜査一課”の刑事―――ガイ・バニングスの弟、ロイド・バニングス。そして―――ゼムリア大陸とは異なる世界”オールドラント”の”七英雄”の一人にして仕えていた主の最後を見届けた”最後の導師守護役”アニス・タトリン。」
「!兄貴の事まで……!」
「っ!!何でその事を……!」
男に視線を向けられたロイドは驚き、過去の辛い出来事を男が知っている事にアニスは息を呑んだ後男を睨んだ。
「どうやらオレたちのことをコソコソ調べとるみたいやな………目的はなんや?今の悪魔はあんたの仕業か?この事態を招いたんはオマエの仕業っちゅうんか!?」
「ククク………吠えるな、ケビン・グラハム。お前達の苦難はまさに始まったばかり………今、あえて絶望に囚われる必要がどこにある?」
「なに………!?」
「…………っ……………」
男の言葉を聞いたケビンは驚き、リースは男を睨んだ後、男を強襲した!しかし男が振るった剣に弾き飛ばされ、受け身を取った。
「………くっ…………」
「リース………無茶すんな!」
「!?(今の剣筋は……!一体どういう事……!?)」
受け身を取り、呻いているリースにケビンは忠告し、男が振るった剣を見て何かに気づいたアーシアは血相を変えた。
「フフ、七耀教会の法剣か。なかなかの鋭さだが………姉に較べるとまだまだ未熟よ。」
「な………!?」
「………どうして…………」
「……………」
男が口に出したある言葉を聞いたケビンとリースは信じられない表情をしている中、アーシアは真剣な表情で黙って男を睨んでいた。
「ハハハ、急くな。この”影の国における絶望の宴は始まったばかり………足掻いて、もがいて、のた打ち回ってもらわなければ我が”王”も喜ばれるまい。」
「ま、待て………!」
「逃げる気か!?」
「………挨拶代わりに一つだけ教えておこう。我が名は”黒騎士”。偉大なる”王”に仕える”影の国”の守護者なり。それとこれは先が思いやられるお前達への”餞別”だ。”ネクロマンサー”と共に、次なる苦難に臨むがいい。それでは、さらばだ―――――」
そして男―――黒騎士は転移し、黒騎士が転移によって消えると封印石が現れた!
「くっ……」
「き、消えちゃった………………」
「何者なんだ、あの男は……?どうして兄貴の事まで……」
(……あんな奴、俺は今まで会った事はないぞ……?)
「………………………」
黒騎士が逃げられた事にケビンは唇を噛み、ティータは信じられない表情をし、ロイドとフレンが考え込んでいる中リースは不安げな表情で黙っていた。
「何者かはわからないが…………一つはっきりした事がある。………どうやら我々には明白な『敵』がいるという事だ。」
「………ええ、そうですな。それもどうやら………とびっきり厄介な敵みたいや。」
そしてユリア大尉の言葉にケビンは重々しい様子を纏って頷いた。
その後封印石を回収したケビン達は一端情報を纏める為、そして新たな封印石を解放する為に庭園に戻った―――――
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