英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅰ篇)
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第104話(インターミッション終了)
~マルーダ城・訓練所~
「ハア、ハア……つ、強すぎる……!」
「ハア……ハア……これがかの”剣聖”カシウス卿の実力……フフ、お見事です。」
戦闘が終了するとリィンは息を切らせており、同じように息を切らせているラウラは静かな笑みを浮かべ
「いたた……後半、完全に本気になっていましたよね、カシウスさん。美人の後輩の為に、ちょっとぐらい手加減してくださいよ~。」
「さ、さすがエステルさんの父親ですね……あたし達まで先程の絶技でやられちゃいましたし……」
「カシウス准将だったら、一人で”魔神”と戦える気がしてきたわ……」
「フッ、それどころかフェミリンスやセリカ・シルフィルとも一人で戦える気がしてきたぞ……」
ダメージで呻いていたサラ教官は疲れた表情で指摘し、ツーヤとプリネは冷や汗をかいて表情を引き攣らせ、レーヴェは静かな笑みを浮かべた。
「とても私達と同じ人間とは思えないわよね……?」
「う、うん……僕達なんかあっという間にやられちゃったし。」
「フフ、世界は本当に広いな……」
「こんなに強い人間の人は初めてみました……」
苦笑するアリサの言葉にエリオットは頷き、ガイウスは静かな笑みを浮かべ、セレーネは呆けた表情で呟き
「やはりあの非常識の塊である”ブレイサーロード”の父親だけはあるな。」
「た、確かに……」
「親娘どころか、養子もみんな”人外”と言っていいほど滅茶苦茶強い”ブライト家”って本当に恐ろしい一家だね。」
「アハハ……」
呆れた表情で呟いたユーシスの言葉にマキアスは疲れた表情で頷き、疲れた表情で言ったフィーの言葉を聞いたエマは苦笑していた。
「うむ、さすがはカシウスじゃな!」
「フフ、本来の得物でない棒術でこれ程なのだから、剣術になったらどれ程の強さになるのかしらね……?」
リフィアは感心した様子でカシウスを見つめ、エリゼは冷や汗をかいて苦笑していた。
「フム、チームワークも良かったし、及第点と言った所か。」
「あ、あの~、カシウスさん。実習の評価をするのはあたしなので勝手に評価しないでください……というかカシウスさんの感覚で評価されたら、あたしを含めた全員が落第してもおかしくないですよ!?」
カシウスの評価を聞いたサラ教官は冷や汗をかいて苦笑した後疲れた表情で指摘した。
「ハッハッハッ!謙遜する事はないぞ、サラ。2年前より腕は確実に上がっているぞ。」
「アハハ……カシウスさんこそ、2年前の時と比べると圧倒的に実力が上がっていると思うんですけど。」
笑顔のカシウスの称賛にサラ教官は冷や汗をかいて苦笑していた。
「それ以前にずっと疑問に思っていたが……何故リウイ陛下の依頼を受けたのだ?」
その時ある事を疑問に思っていたレーヴェはカシウスに尋ねた。
「まあ、エステル達の件でいつも世話になっている事もあるが、何より”報酬”が中々魅力的だったからな。」
「へ……」
「”報酬”、ですか?」
「一体何なのですか?」
カシウスの説明を聞いたリィンは目を丸くし、プリネとツーヤは首を傾げて尋ねた。
「お前さん達と同じように俺もウィル殿に専用の武具を創ってもらったんだよ。さっき貰った新しい武具の相手として、お前さん達はちょうどいい相手だったぞ?」
「ええっ!?」
「カ、カシウス准将も俺達と同じようにウィル様から武具を創ってもらっていたんですか……」
「ただでさえ強いのに、武器も反則クラスとか、どこまで強くなるの?」
「アハハ……」
カシウスの説明を聞いたアリサは驚き、リィンは冷や汗をかいて苦笑し、ジト目で呟いたフィーの言葉を聞いたセレーネは苦笑していた。
「フフ……―――これにて異世界での”特別実習”は終了じゃ!」
「―――皆様、本当にお疲れ様でした。まずは傷の手当てからさせて頂きますね。」
その様子を見守っていたリフィアは口元に笑みを浮かべて宣言し、エリゼは微笑んだ後リフィアと手分けしてリィン達の傷を回復していた。
その後転移門でゼムリア大陸に戻ったリィン達は飛行船でグランセルに向かい、その後グランセルから飛行船でエレボニア帝国の帝都ヘイムダルに向かっていた。
~飛行船内~
「…………………すぅ……」
「ハア、相変わらず寝つきだけは恐ろしい程速いよな……」
自分の席についた途端眠り始め、未だに眠り続けているサラ教官を見たリィンは呆れ
「アハハ、まあ今回ばっかりは本当に疲れていたのかもね。」
「まあ、さっきの戦いを経験したらいくらサラ教官でも疲れるわね……」
「サラさんやお兄様達はわたくし達が倒れた後も戦っていたのですから、疲れて当然ですよ……」
「うむ、相手は何といってもかの”剣聖”カシウス卿だからな。私にとって今回の”特別実習”は素晴らしい体験になった。」
「”剣聖”……噂には聞いていたけど、あそこまで強いとは思わなかった。」
苦笑するエリオットとアリサの意見にセレーネとラウラは頷き、フィーは静かに呟いた。
「フッ、まさかリウイ陛下からあんな不意打ちがあるとは本当に予想外だったな。」
「アハハ……確かにそうですね。あたし達にすら知らされていなかったですものね。」
「フフ、レーヴェが最後に残るなんて、さすがね。もう完全に追い越されちゃったわ。」
静かな笑みを浮かべて言ったレーヴェの言葉を聞いたツーヤは苦笑し、プリネは微笑んでいた。
「―――まあ、ラウラの言う通り、今回の”特別実習”は色々と勉強になったな。」
「ああ。世界が異なる事による全く違う文化……多くの宗教や異種族に国々……世界は本当に広いな……」
静かな口調で呟いたマキアスの意見にガイウスは静かな表情で頷き
「フッ、俺にとっては何物にも代え難い素晴らしい”土産”まで共についてきたがな。」
「ううっ、ユーシスさんはいいですよね……私はこれからの事を考えると頭が痛くなってきましたよ……」
静かな笑みを浮かべるユーシスの話を聞いたエマは疲れた表情で言った。
「ハハ……(まあ、今回の特別実習は本当に色々あったよな……)」
エマの様子を苦笑しながら見守っていたリィンは隣の席にいるアリサに視線を向け
「?何かしら?」
「い、いや、何でもない。」
自分の視線に気付いて首を傾げて尋ねたアリサの質問に頬を赤らめて若干慌てた様子で答えた。
「あ。そう言えばリィン、アリサ。二人が付き合い始めた事、まだB班のみんなには言ってなかったね。」
二人の様子を見て何かを思い出したエリオットは笑顔で二人に話しかけ
「なっ!?」
「ちょっ、エリオット!?」
エリオットの言葉を聞いたアリサとリィンは顔を真っ赤にして慌て出し
「ええっ!?(そう言えばアリサさん、以前私に妊娠防止の魔術の使い方を聞いてきましたけど………ま、まさか……)」
「一体いつの間にそのような関係に……」
「ビックリ。いつくっついたの?」
「ほう?そのような面白い話を黙っていたとは。ここはクラスメイトとして是非聞かないとな?」
「フフ、おめでとうございます。」
「おめでとう、リィン、アリサ。」
B班の面々はそれぞれ興味津々と言った様子でリィンとアリサを見つめた。
「フフ、付き合いだした所か、既に二人は”大人”になっちゃったのよ♪しかもアリサの方から誘うという形で♪」
するとその時先程まで眠っていたサラ教官がいつの間にか起きてからかいの表情で答え
「ちょっ、サラ教官!?」
「何時の間に起きたんですか?」
「そ、それよりこんな公衆の面前でとんでもない事を言わないで下さいっ!!」
リィンは慌て、セレーネは驚き、マキアスは疲れた表情で指摘し
「え、えっと……それってもしかして……」
(や、やっぱり……)
「随分と大胆な行動に出たのだな?まさかアルフィン皇女殿下のあの行動を見たからか?」
「フッ、先程の話、寮の管理人にも是非知らせてやらないとな?」
ある事を察したエマは顔を真っ赤にし、プリネは疲れた表情をし、ユーシスはからかいの表情で静かな笑みを浮かべているレーヴェと共にアリサを見つめ、他のB班の面々も驚きや興味津々と言った様子でアリサを見つめ
「い、いやああああああああああああああああああ~~~~~っ!?何でこうなるのよ~~~~っ!?」
アリサは顔を真っ赤にして声を上げた。
こうして……様々な出会いを果たした異世界での”特別実習”は無事終わりを告げた。
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