ストライクウィッチーズ 119航空隊【リメイク】
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欧州へ
空母赤城
「お疲れ様です」
「お疲れ、理恵が隊長になっているとはね」
「私も任命されたときは驚きました」
先ほど到着したこの人は、私の元上司である桐島えりか大佐。
元119航空隊の隊長です。
桐島さんには何度も助けられたのです。
私が入隊してすぐのころはまともに飛ぶこともできなくて、訓練以外の時間も付き合ってくれたのです。
そして、前回欧州に行ったときは、シールドを張ったのにもかかわらず、ネウロイの攻撃で飛ばされてしまったところを桐島さんに助けてもらったのです。
「時間も押していることだから、とっとと引継ぎをしてしまいましょう」
「そうですね。ではーーー」
私は現在基地に残っている訓練中の隊員数、引き継ぎ任務等を伝え
「ーーー以上です」
「わかりました。」
と、無事引継ぎを終えることができたのですが、一年間いたこともあり愛着があったのかなかなか出発できなかった。
それは理恵だけではなく圭や千香も同じだった。
まぁ、摩耶は単純に眠たいだけなのかもしれないが。
最後に何かしないといけないけどいったい何をすればいいのかな。
このままいってしまうと、なんか後悔する気がするんだよね。
「理恵、早くいかないと追いつかないぞ」
「そうなんですが・・・」
「・・・仕方がない」
何かを感じ取ったのか、桐島は腹に力を入れ始め、理恵たちの前に立った。
「敬礼!!!」
そう、隊舎に向かい敬礼をさせる。
理恵の思いを考慮してくれたのである。
大井は理恵の出身でもあるため、なおさら思いが強かったのであろう。
「満足したか?」
優しく問いかけると理恵は満面の笑みで返事をした。
桐島はそれを見届けると、そっと背中を押し、出発するように告げる。
それを察した理恵は周りを見て、隊員がそろっていることを確認し、
「119航空隊!出発!!」
大きな声を出し、空母赤城に向かうのであった。
~空母 赤城~
扶桑皇国海軍第一航空戦隊。
旗艦赤城を中心とした扶桑の特務艦隊である。
編成は正規空母赤城に第十六駆逐隊の雪風、初風、時津風、天津風と第十七駆逐隊の浦風、谷風、浜風、磯風と、渡欧艦隊にしてはかなりの戦力を有していた。
だが、敵はネウロイである。
通常兵器でどこまで戦えるかはわからない。
「坂本さん。今朝、誰かが発艦したと思うんですけど、なんかあったんですか?」
空母赤城には今朝まで護衛として乗艦していた105航空隊がいたのだが、宮藤とは会っていなかったため、宮藤は何らかの戦闘があったのかと思っていたのである。
「はっはっはっ。この艦には私以外にも魔女がいるということさ」
「答えになてないですよ」
この赤城は扶桑にとって大切な空母である。
だからこそ護衛もかなりの人数で行っているのです。
随伴の駆逐艦が多いのはそれもそういうことなのです。
「それで坂本さん。この艦には何人の魔女がいるんですか?」
「そうだな。私を含めて八人だったか」
「八人もいるんですか!?」
八人もいるのに私は坂本さんしかわからないよ。
きっと怖い人なんだよね?
「そろそろ着艦するころだろう。見に行くか?」
でも坂本さん以外の魔女も見てみたい。
ここは勇気を出さないと!!
「はいっ!!」
この後で会うのが宮藤と同い年の理恵率いる119航空隊とは知ることもなく、坂本に連れられ二人で甲板に向かう。
甲板では着々と着艦準備が進められていた。
「ところで坂本さん?」
「なんだ宮藤」
「坂本さんとほかの方は同じストライクウィッチーズの人なんですか?」
「いや、あいつらは扶桑の魔女隊だ」
扶桑の魔女。
この言葉がなぜか宮藤の頭の中で響いていた。
私も練習すれば坂本さんみたいに空を飛べるのかな?
でも戦争には参加したくない。
「詳しくは本人たちに聞いてみるがいい」
~空母 赤城 甲板~
「理恵!大きいよ!」
「そうだね」
大井基地に滑走路よりも長く見えるのはきっと海の上だからあだろう。
本来なら地上の滑走路が空母に負けるなんて考えられないからね。
「理恵、艦長にあいさつに行かなくていいのか?」
「そうですね。では皆さんは自室に向かってください」
今日は色々あったことですし、このまま休息にしてもいいですね。
それに扶桑近海は比較的に安全ですし。
休めるときに休んでおかないといけないですからね。
やることもたくさんあることですし。
「艦長はどこにいるのかな?」
大体予想は尽きますけど、一様確認してから行きますか。
行き違いになるなんて嫌ですしね。
「おーい。根岸ー!!」
そういえばこの艦には坂本少佐も乗艦されていたのでしたっけ。
これは厄介なことになりそうですね。
坂本さんといえばスパルタ訓練でそこそこ有名な方ですから。
その分、実力ま確かですけどね。
甲板に上がってきた坂本と宮藤はまっすぐ理恵のもとに向かってきていた。
理恵は動くことなくその場でただ立っているだけだった。
それにしても隣の子はいったい?
見た目からすると、私と同じくらいだよね。
でも、なんで軍服ではないの?
話せる位置まで近づいてくる二人に顔を向ける。
そして来ている服が中等教育の制服であったことから
「坂本少佐、お久しぶりです」
「そうだな。根岸も元気そうで何よりだ」
いつものように笑いながら話す坂本少佐。
あんま変わってないね。
それよりも、今は坂本さんのとなりにいる子が気になるんだよね。
「あの・・・」
「おっ、・・・すまん、忘れえるところだった」
本題はやはりその子ですか。
「根岸。こいつは宮藤だ」
「宮藤芳佳です」
宮藤ってことは、あの宮藤博士の?
でもそんな有名人なら知らないはずもないはず。
やはり軍人ではなく一般人かな。
「はじめまして宮藤さん。私は第119航空隊の根岸理恵少佐です。以後、お見知りおきを」
「少佐って、坂本さんと同じ」
「いえ、坂本少佐には及びませんよ」
やっぱり一般人だね。
軍の機密が満載なこの艦に乗せるなんて、なんのつもりなの?
軍の機密のありそうな艦長室、指令室等を思い浮かべながら考え事をしている理恵に対し、宮藤はまだ何か用事があるようで、理恵の顔を見ていた。
「私に何か御用ですか?」
私と同じくらいなのに坂本さんと同じ階級なんて。
きっと魔法に使い方がうまいんだよね。
私もちゃんと使えれば、みんなのためになるのかな?
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