少しだけスキャンダル
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第三章
しかしだ、あの女将軍は。
「あの人はね」
「伊達に帝王アトンの命狙ってないわよ」
「何してくるかわからないわね」
「そっちの王子も心配だけれど」
「カー将軍もなのね」
「どうなるかしら」
心から心配していた、二人で。何だかんだで王子は脱獄してすぐにだった。ダークナイトというキャラクターが出て来て。
それでだ、私はこのキャラクターのことは彼氏に問うた。一緒に下校している時に。ちなみに私と彼女は同じバスケ部、彼はサッカー部だ。校門で待ち合わせて一緒に帰っていた。
「ダークナイトって」
「あれ王子だろ」
「やっぱりそう思う?」
「モロバレだろ、王子いなくなって出て来てな」
しかもだとだ、彼は私に話した。
「声同じ人で使ってる技もな」
「王子の技使ってたわね」
「そこまで揃ってたらな」
「王子よね」
「誰がどう見てもそうだよ」
「じゃあ女将軍に復讐するのかしら」
「そうなるんじゃないのか?」
こう私に答えてくれた。
「ことの展開次第で」
「やっぱりそうなるのね」
「そうなるだろ、とにかくな」
「いよいよクライマックスで」
「楽しみだよな」
「これからの展開がね」
二人で下校デート中にこう話した、そしてだった。
そうした話をしながらもダイナマンを観ているとだ、彼女は次回予告について覚悟をしていない顔で私に言って来た。
「来週だけれど」
「カー将軍ね」
「最期って出たわね」
「やっぱり」
「うん、そうなるんじゃ」
こう私に言って来た。
「どう思う?」
「私もね」
その次回予告を観ている、それならだった。
「そう思うわ」
「将軍死ぬのね」
「そうなるんじゃ、もうクライマックスの時だし」
「じゃあ王子も」
「ダークナイト王子よね」
「私もそう思うわ」
「正式に再登場ね」
私はこのことを期待していた、けれど。
それでもだ、彼女は本当に次回予告に心配していて実際にその回を観てから一緒に観ていた私に泣いて言った。
「立派な最期だったわ」
「まさに忠臣よね」
「ええ、ヒーローよりも格好よかったわ」
「同意よ、じゃあ」
「私の恋は終わったわ」
心からの言葉だった。
「もうこれでね」
「彼氏の彼とは?」
「これまで通りだけれど」
それでもというのだ。
「もう終わったわ」
「そうなのね」
「ええ、将軍のことは忘れないわ」
こう言っていた、そしてその次の話で私は王子が復活して喜んだけれど。
最終回でその王子が死んだ、それで今度は私が泣いてだった。
「格好よかったわ」
「王女さんと一緒に死んだわね」
「ええ、それでもね」
「いい最期だったわね」
「王子に相応しかったわ」
「これでダイナマンも終わりね」
「そうね」
最終回まで済んだ、実際に画面に終わりと出ていた。
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