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英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅰ篇)

作者:sorano
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第85話

リウイ達が戦闘を終えたその頃、大聖堂を襲っていた魔獣や人形兵器達は全て駆逐され、魔獣達に混じって戦闘していたテロリスト達も戦闘不能状態になっていた。



~ヘイムダル大聖堂~



「クッ……!」

「馬鹿な……たったあれだけの数で同志”G”が呼び寄せた魔物達や”結社”が提供してくれた人形兵器達を全て殲滅だと……!?」

「”化物”が……!」

戦闘不能状態になっているテロリスト達は悔しそうな表情でレンを睨み

「―――”結社”ですって!?」

「……………」

テロリスト達の言葉を聞いたプリネは顔色を変え、レーヴェは目を細めてテロリスト達を睨んでいた。



「うふふ、人形兵器がいた時点で”結社”が関わっている事は察していたけど……まあ、あなた達みたいな下っ端が持っている情報なんて、大した事ないでしょうから、”用無し”よ。」

「レ、レン姫……?」

「よ、”用無し”って、一体どういう――――」

凶悪な笑みを浮かべて言ったレンの言葉を聞いたセドリック皇子は戸惑い、アリサが不思議そうな表情をしたその時!

「炎よ!氷よ!雷よ!大地よ!光よ!闇よ!そして無よ!今ここに全て具現せよ!」

「キャハッ♪お待ちかねの時間だね♪」

全身に膨大な魔力を纏ったレンが詠唱を終えると、レンの背後に様々な属性の武器達が召喚され、それを見たエヴリーヌは無邪気な笑みを浮かべた!



「何だ、あれはっ!?」

「ありえない……あれほどの数の属性の魔力を一度に使いこなすなんて……!」

「”風”が彼女を中心に集まっている……?」

レンの背後に召喚された様々な属性の武器達を見たユーシスは声を上げ、エマとガイウスは信じられない表情をし

「ヒッ!?」

「ま、まさか―――――」

テロリスト達が恐怖の表情をしたその時!



「さあ!お茶会の始まりよ!虹の(ゲートオブレインボー)!!」

レンの言葉を合図に武器達は一斉にテロリスト達に襲い掛かった!

「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア―――――――――ッ!?」

全身を武器に貫かれたテロリスト達は悲鳴を上げ

「「…………………」」

その様子を見ていたプリネとレーヴェは目を伏せて黙り込み

「うふふ………これで終わりよっ!!」

レンは最後に指を鳴らして炎、冷却、雷、地、暗黒、神聖、純粋が全て混ざった大爆発を起こした!そして爆発が消えるとそこにはクレーターができており、テロリスト達は塵すら残さず消滅していた!



「ひ、酷い……!」

「何と惨い事を……」

「………女神よ………どうか彼らに安息を……」

「あれがレン姫の”本性”か…………」

テロリスト達が無惨に殺されて行く様子を見たアリサとエマは悲痛そうな表情をし、ガイウスはその場で祈り、ユーシスは目を細めてレンを見つめた。

「レン姫!どうして彼らを殺したんですか!?」

するとその時セドリック皇子が真剣な表情でレンを見つめて叫んだ。



「あら、何を寝ぼけた事を言っているのかしら?テロリストなんだから、捕えた所でどうせ”処刑”でしょう?レンがその手間を省いた所か死体も処理してあげたのに、どうして怒るのかしら?」

「……っ!確かに彼らは罪を犯しました!ですが、彼らにはまず法の裁きを受けさせるべきです!しかもエレボニア帝国の許可も無しにどうしてこのような勝手な事を……!」

「――――元はと言えば、肝心な時は役立たずの近衛隊を護衛に任せていたエレボニアの責任よ?まあ、鉄道憲兵隊はそこそこやるようだけど……レン達からすればどっちも”大して変わらない”わ。レン達はそんな情けないエレボニアに自分達の身を任せられないから、”自分達の身を守る為”に自爆行為も厭わないテロリスト達を”殲滅”しただけ。レンより年上の皇子の癖に守られてばっかりで、自らは戦いもしない人は黙ってもらえるかしら?」

「普段はふざけた態度をしているオリビエですら戦っていたのに、自分は守られてばっかで戦わないなんて、皇子として情けなさすぎだね。」

「!それ……は…………」

レンとエヴリーヌの指摘にセドリック皇子は辛そうな表情で黙り込んだ。



「グッ…………!」

「…………ッ……!」

セドリック皇子や自分達を侮辱された事で近衛隊や鉄道憲兵隊はレン達に怒鳴りたかったが相手がメンフィル帝国の皇女と客将の為、怒鳴る事もできずに悔しそうな表情で身体を震わせて唇を噛みしめ

「………………」

アリサ達はそれぞれ複雑そうな表情で、ユーシスは目を細めてレン達を見つめ

「レン、エヴリーヌお姉様!今のは言いすぎですよ!?セドリック皇子に謝って下さい!」

「……こちらはエレボニア帝国に招待されている身。二国間の溝が生まれるような発言は控えた方がいいぞ。」

プリネは二人を睨んで非難し、レーヴェは静かな表情で二人を見つめて言った。



「―――いいんです、プリネ姫、レオンハルト少佐。全ては僕の力不足が生んだ事ですから……」

「セドリック皇子……」

「……………」

そして疲れた表情で制したセドリック皇子の言葉を聞いたプリネは辛そうな表情をし、ユーシスは目を伏せて黙り込んでいた。

「―――危ない所を助けて頂き、誠にありがとうございました、レン姫。」

「フフ、私はエレボニア帝国に招待された身として、殿下達の身を守る為に当然の事をしたまでです。ですから、セドリック殿下が礼を言う必要はございません。」

セドリック皇子にお礼を言われたレンは”皇女”としての口調で答えた。

「それで後始末等はエレボニア帝国軍に任せてもよろしいですか?」

「はい。今回はレン姫達のお手を煩わせてしまって、申し訳ありませんでした。今後はこのような事が無いよう、僕自身より一層精進するつもりです。」

「そうですか。セドリック殿下がどのような皇族に成長なされるか、今から楽しみにしていますね。それではまた後ほど。―――エヴリーヌお姉様、一旦”モルテニア”に戻りましょう。ついでに飛竜たちの回収もお願いね。」

「ん。―――転移。」

そしてレンはエヴリーヌの転移によって飛竜たちと共にその場から消えた。



~同時刻・地下墓所~



「………………」

同じ頃リウイ達の戦いを見守っていたリィンは口をパクパクさせ

「す、凄い……こ、これがあの”英雄王”達の実力……!」

「……今の戦いを見る限り、あのギデオンという男を除けば3人共相当な腕前に見えたが……」

エリオットとラウラは驚きの表情でリウイ達を見つめ

「まるで赤子を捻るような一方的な戦いだったよな……?」

「というか、あれでもまだ全然本気を出していないと思う。」

マキアスは表情を引き攣らせ、フィーは静かに呟いた。



「フハハハハハハ!所詮屑は屑だったな!口ほどにもない!」

「グウッ……ゴホッゴホッ……!ぢ………ぐ……じょう……!こんな……ところで……終わって……たまる……かっ……!」

高笑いをして声を上げたリフィアの言葉を聞いた大男は咳き込んで口から血を吐いた後口から血を流しながら悔しそうな表情でリフィアを睨んだ。するとその時通信の音が鳴り響き、リウイは”C”達を警戒しながら通信を開始した。

「――俺だ。レンか。ああ……ああ……今、こちらもリーダーと幹部格と思われる者達を無力化した所だ。―――――先程大聖堂にいるレンから連絡があった。大聖堂を攻めていたテロリスト共は一人残らず”処刑”したそうだぞ?」

通信を終えたリウイは不敵な笑みを浮かべて”C”達を見つめ

「何だとっ!?テメェら!よくも俺達の同志達を……!」

「…………ッ…………!」

リウイの話を聞いた大男はリウイを睨み、”C”は唇を噛みしめて怒りによって身体を震わせ

「なっ!?」

「………………」

「しょ、”処刑”って……」

「しかもレン姫って、確か僕達よりも年下だろう!?」

「プリネからはレン姫の年齢は13歳と聞いているが…………」

「ま、相手が悪かったね。なんせ相手はよりにもよってメンフィル帝国の中でも最も残虐な性格をしていると言われている皇女――――”殲滅天使”なんだから。」

リィンは驚き、ツーヤは目を伏せ、エリオットは不安そうな表情をし、マキアスは信じられない表情で声を上げ、ラウラは戸惑い、フィーは静かに呟いた。

「―――大人しく投降するなら、エレボニアに引き渡してやってもよいが、まだ抵抗するつもりならレンがテロリスト共を処刑したように全員この場で処刑する。さあ、どうする?」

「グッ…………!」

リウイに降伏を迫られた”C”は呻き声を上げてリウイを睨みつけた。するとその時



フフ、彼らにこんな所で倒れてもらってはこちらとしても困りますな?



男性の声が聞こえて来た!

「!この声は……!」

「”怪盗B”――――ブルブラン!!」

声を聞いたラウラは真剣な表情になり、リィンは声を上げた。すると”C”達は薔薇の花びらに包まれてその場から消え

「フフ、御機嫌よう。」

ブルブランがリウイ達から距離を取った状態で現れた!



「ぬっ!?お主は!」

「―――”怪盗紳士”か。人形兵器達を見かけた時点で”結社”が背後にいる可能性も考えていたが、奴等を助けた所を見ると、どうやらテロリスト共と”結社”は繋がっているようだな?」

ブルブランの姿を見たリフィアは真剣な表情になり、リウイは目を細めてブルブランを睨んだ。

「フフ、”彼ら”は”幻焔計画”に必要な者達。今ここで退場してもらう訳にはいかないのだよ。」

「”幻焔計画”……”リベールの異変”のように”身喰らう蛇”はエレボニア帝国でも何かを起こすつもりなのですね?」

ブルブランの言葉を聞いたペテレーネは真剣な表情で問いかけたが

「フフ、いずれわかる時が来るだろう。――――それでは失礼する。」

ブルブランは明確な答えを言わず、薔薇の花びらに包まれてその場から消えた! 
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