転生特典は聖槍の影打
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20話 死を喰らう者と白龍皇
「ねぇ〜空〜」
「ん?どうしたルサルカ」
「どうして空が出て行かないで、あんな木偶の坊みたいな魔獣に任せたのよ空や私が出れば瞬殺でしょ」
『確かにあの程度ならば俺が出張っても良いだろう』
「あのなーフェンはともかくお前は」
視線を戻すとそこには白亜の翼を広げ、自由自在に空を飛行する女性 ヴァーリ
対照的に地面にいるのは2メートル越えの大男、その手にはその体躯相応の大剣を構え空にいる相手を警戒している
俺の神器によって生み出された魔獣 トバルカイン
両者の実力は伯仲しているといって良いが
「………っく!」
「aaaaaaaaaa!」
攻撃しようと接近するヴァーリを近づけるかと言わんばかりに大剣を振るうカイン、カインは飛行出来ないのでヴァーリに近づけない
互いが攻め手を欠いている、将棋で言うならば千日手といったところだろうか
「あの前衛しか出来ないような奴らの中に割って入れるか?」
「無理ね……あの速さだと捕まえるのは難しそう…」
それでも出来ないと言わないあたり彼女の自信の強さが伺える
「てか、早く結界出してる奴探せよ」
「言われる前から探してるわよーでも見つからないのよ、本当嫌になっちゃうわー」
『それよりも何故…アレは空の大剣を平気で振っているのだ?』
フェンはトバルカインを訝しむような目で見ている
「ん、あれか?トバルカイン…まぁ俺の代理で作った魔獣、髪を触媒に作ったから、俺の一部を魔獣にしたとも言えるな…だからあいつは黒円卓の聖槍を扱えるんだ」
まぁこの魔獣 トバルカインは本物以下の模造品だ、永劫破壊の恩恵は無いから霊的装甲も無いし死体じゃ無く魔獣なのだから頭を吹き飛ばせば死ぬし微弱ながらも自我があるので俺の思い通りに動かない可能性がある。それに
「形成してんのに俺の能力も使えない……改良の余地ありだな」
あの槍には腐食毒に加え、俺が刻んだルーンによる氷だって使えるのだそれを使用しないという事は
「単純に力任せに暴れるなんて……本当にそれだけ?」
まぁ……ある意味で自分の可能性を知り得るチャンスなのだ見ていて損は無い
「っく!流石は魔獣創造で出来た魔獣ね!」
『舐めてかかると痛い目に合うな』
仕方ないとヴァーリは呟き
「行くわよ!アルビオン!禁手!」
ヴァーリは神器 白龍皇の光翼の禁手 白龍皇の鎧を展開する、これにより10秒待たずに相手の力の半減と吸収が行える。
「…………………………」
トバルカインは視線を向けただけで何もしない、そもそも飛んでるので何も出来ない。
「行くわよ」
ヴァーリは先ほどまでとは比べ物にならない速度で接近、カインが気づいた時には
『divide!』
顔面に一撃重い拳をくらった、立ち上がろうとするがフラフラしていて足元が覚束ない…
それもそのはず力は半減され、その力は
「ヘェ〜……中々魔力が篭ってるのね」
『あれだけの大剣を武器にしているのだ、単純に振り回すだけでも魔力の消費も多いのだろう』
彼女に吸収されるのだ白龍皇の力は本当にタチが悪い
「………a」
それでもカインは大剣を構えヴァーリと相対する。まるで
勝算があるように
視点は空に変わり
「ヘェ〜あれが白龍皇の鎧ね…カメラカメラっと」
「本当に初めて見たわよ…綺麗ね」
『二人とも冷静すぎやしないか?あれが負けたらどうなるか解らんのだぞ?』
空とルサルカはフェンの方向を向き
「うーん……どうだろ?あの白龍皇…ヴァーリだっけ?なんかあの人、戦えればいいみたいな発想の人みたいだから通してくれそうじゃね」
「そうね〜定期的に魔獣を訓練相手に送っとけば大丈夫そうに見えるけどー」
「如何でしょうか?以外と貴方方にも興味を示すかも知れませんよ」
会話に割って入ったのは、紳士服を着た優男 ヴァーリからアーサーと呼ばれていた男だ
「誰?そして何で?」
「これは失礼しました私の名前はアーサーペンドラゴン
アーサー王の末裔ですね」
「あれ?アーサー王って子供いたっけ?若しかしてモードレッドの子孫とか?」
「いえいえ歴としたアーサー王の末裔ですよ、これが証拠です」
アーサーが見せたのは俺やルサルカの聖遺物とは真逆の存在、人の理想や純粋な希望が詰まった光と形容できる剣
「エクスカリバー」
アーサー王が所持していた世界でトップクラスに有名な武器の一つ 聖剣 エクスカリバー
「細かく言えば破片なのですがね嘗ての大戦で7本に砕けてしまいましてね…これは支配の聖剣と言います」
「ヘェ〜それが行方知れずのエクスカリバーの一振り…まさかこんな所で見れるなんて思ってもなかったわ」
「話を戻しますと……私やヴァーリはある組織に属してまして貴方方の元に来たのも面接と勧誘が目当てなのですよ」
「(圧迫) 面接と勧誘ねー」
「面倒くさっ!………ん?」
まさかオーフィスが俺を飛ばした理由って……
「おや?貴方の魔獣が押されてますね…勝負アリでしょうか?」
「さぁな、でもカインの中に俺の感情があるなら……」
恐らく……
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