転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1313話
「ま、こんなものでしょうね」
それが交渉を終えた後でエザリアが呟いた一言だった。
現在俺達がいるのは、交渉前にナデシコ世界について調べた部屋だ。
取りあえず今回の交渉で俺達が得たのは、現在ナデシコが停まっているこのネルガルの研究所の全面的な利用と、地球連合に対するネルガルの仲介をネルガル上層部に要求して貰うといったところか。
勿論その仲介が行われるまでの間に火星を攻略していくというのは変わらない。
そして何より、俺がネルガルに雇用されているという契約を交渉終了時点で終了する事になったのは自由に動けるという意味で大きいだろう。
それに対してシャドウミラーはネルガルの扱いに配慮し、交渉する際の優先権を認める事。
それと、ホワイトスターに対する人材の受け入れだ。
総合的に見れば、俺達の方が得をした……のか?
ホワイトスターに対する人材の受け入れは、シャドウミラー側としても決して悪い事じゃない。寧ろ活気や新技術的に考えれば喜ばしい事なのだから。
出来ればイネスみたいな技術者に来て欲しい。
……ウリバタケも技術者なんだが、性格的に技術班に馴染み過ぎそうで。
それに技術班にはレモン、マリュー、エキドナ、セシル。……それと葉加瀬や茶々丸、エヴァとかもいる。
いや、エヴァはウリバタケの好みに合わないか? ただ、幻術を使った大人の姿になっていれば話は別だが。……年齢詐称薬とか。
でも無難に考えれば、やっぱりネルガルのお偉いさんとかが来るんだろうけど。
「そうだな。総合的に見れば、俺達の得た物の方が大きいと思う。それで、俺はシャドウミラーに戻ってもいいと思うか?」
「そうね。ネルガルからの雇用に関してはもう終わったのだし、いいんじゃない?」
「それにしても、一国の代表が一企業に雇われるというのも随分と奇妙な話だな」
今までのやり取りを聞いていたイザークが、どこか呆れたように呟く。
実際、俺のような存在が色々と規格外だというのは明らかだ。
けど、一国の代表がパイロットとして戦闘の最前線に立つという時点で色々とおかしいし。
「じゃあ、ホワイトスターに戻るけど、構わないな?」
「ええ。……あ、でも連絡役として誰かこのナデシコか、研究所の方に置いておいた方がいいわよ。ゲートの通信装置もあるけど、この世界の人はゲートに近づかせないように量産型Wに命令してあるし」
「……誰がいい?」
「難しいところね。アクセルが戻ってきた日なんだし、特に緊急の用件という訳でもないのだからあやかと千鶴はアクセルと一緒に過ごしたいでしょう。かと言ってレオンは色々と忙しい。私の方も手が離せる状況ではないとなれば……ああ、彼女はどう?」
ふと何かに気が付いたかのように呟くエザリア。
その視線が向けられているのはゲート。
それだけでエザリアが誰を示しているのかはすぐに理解出来た。
「神楽坂か」
「ええ。彼女は現在まだ決まった部署にはいないのよ。それで色々な部署を経験して貰ってるんだけど、その辺を考えるとこういう経験をしておくのも面白いと思うわ」
「……話は分かるけど、いいのか? こう言っちゃ何だが、神楽坂はシャドウミラーに入ってから日が浅いし、一般人……とは言えないけど、それでもシャドウミラーの中だと重要なポストにいる訳じゃない。なのに、そんな重要な役所を任せて失敗したらダメージはでかい。それこそ、神楽坂だけじゃなくてシャドウミラーとしてもな」
「その辺は心配いらないわよ。彼女だって成長しているんだもの。シャドウミラーに入って来てから何度も話す機会があったけど、十分信用も信頼も出来る相手よ」
中学生の時から神楽坂を知っている身としては、エザリアがそこまで評価するのを多少疑問に思うが……いや、そもそも神楽坂がシャドウミラーに入ってからの事を俺は知らないしな。それをここで色々と決めつけるのは止めておいた方がいい、か。
事実、神楽坂はリュケイオスのオペレーターを任されていたのだから。
「分かった、なら神楽坂に頼むか。エザリアがそこまで言うのなら信用出来るだろうし」
そう告げた時、何故かイザークが得意気な表情を浮かべていたのだが、何だ?
「信じて貰えて何よりよ。じゃあ、早速行きましょうか」
「ああ」
イザークの態度に疑問を抱きつつ、俺達は部屋を出る。
そして向かったのはブリッジ。
「アクセル代表?」
「ああ。ちょっとホワイトスターの方に戻ろうと思ってな」
「ホワイトスターにですか? そのお気持ちは分かりますけど、その、連絡の手段は……」
申し訳なさそうな表情を浮かべるプロスペクター。
その隣にいるエリナは、何かを言いたげにしているが結局黙り込んでいる。
「心配するな。代わりの人材をこっちに置くから」
「はぁ、それならいいですが、その、どのような方なのでしょう? 勿論アクセル代表が推薦する人なのですから信用出来ると思うのですが」
「そうだな。……シャドウミラーに入ったばかりではあるが、色々と苦労してきた人物であるのは確かだ。特に血筋という点で考えれば、とある世界の王族に連なる人物でもある」
……間違ってはいないな、うん。間違っては。
ただ、その性格とか色々と抜けているところがあったりするところを言ってないだけで。
「お、王族ですか。その、もしかしてシャドウミラーには色々な世界の王族が集まっていたりするのですか?」
「そう、だな。……うん、それは否定出来ない。全ての世界からって訳じゃないが、何個かの世界から王族がシャドウミラーに所属している」
例えばコーネリアはギアス世界の3分の1以上を占領したブリタニア皇族だし、俺がいない間にシャドウミラーに所属する事になった近衛だって血筋的には高貴な血筋だって話だし、神楽坂は言うに及ばず。
今のところはこの3人がシャドウミラーの中でも王族や皇族といった者達だろう。
そこから大分位は下がって、代々軍人一家のナタルや、家が大富豪だったムウといった面々が出てくるのか。
……シャドウミラーの代表を務めているけど、俺は生まれとしては特別な事はないんだよな。転生云々を抜かせば。
「そ、そうですか。では、その方を迎える用意を……」
「ああ、別にいらない。俺が使ってた部屋をそのまま使わせてやってくれ」
「は? その、いいんですか?」
「ああ」
漫画とかの大半は既に空間倉庫に収納済みだが、それでも全く何も置いてない訳じゃない。
ハルカが来た時に良く見ていた雑誌とかも置いてあるし、暇をするような事はないだろう。
神楽坂が大人しく部屋でじっとしているのかと言われれば、首を傾げざるを得ないが。
恐らくナデシコの中を見回り……いや、違うな。研究所の方に手伝いに行くか?
だが俺はそれを止めるつもりはない。
神楽坂は人に好かれやすい性格をしているし、ここで避難民の手伝いをしてシャドウミラーに対する好感度を上げてくれれば、こっちとしては願ったり叶ったりだ。それに、神楽坂の場合は咸卦法が……ああ、そうか。その件を言っておくのを忘れてたな。
「ちなみにだが、神楽坂に妙な真似はしないようにな。神楽坂は年齢こそまだ20代で若いけど、生身での戦闘はかなり強い。それこそバッタ程度なら余裕で倒す事が出来るだろうし、エステバリスだって多分どうとでもなる」
その言葉を聞いた瞬間、プロスペクターだけではなくゴートの表情までもが驚愕に見開かれる。
「えっと、その……神楽坂さんという方は王族なのです、よね?」
「ああ」
「それが、バッタやエステバリスを生身で倒す、と?」
「最近の王族はそれくらいの力がないとやっていけないらしいぞ」
「そ、そうなのですか? さすが異世界の王族、色々と変わってますね」
プロスペクターが困ったように告げる。
今の俺の言葉を本気にしたのか、それとも単なる冗談か何かだと判断したのか……それは分からないが、あながち冗談って訳でもないんだけどな。
「じゃあ、そういう訳ですぐに神楽坂をこっちに呼ぶ。何か用事があるのなら、神楽坂に言ってくれ。俺のコミュニケを渡しておくから」
「は、なぁ。分かりました。それで、アクセル代表は次いつこちらに?」
「明日だな。一応今日はホワイトスターとの間にゲートが開いたって事で、家に戻ろうと思う。……待ってる相手もいるしな」
そう告げると、プロスペクターも俺が何を言いたいのかを理解したのだろう。小さく咳払いをしてから口を開く。
「その、仕方がありませんな。ナデシコでは男女交際については色々と規則がありましたが、アクセルさんは既にナデシコのアクセルさんではなく、シャドウミラーのアクセル代表なのですから」
そう告げた瞬間、操舵士の席にいたハルカが口を開く。
「それなら、私もホワイトスターに行ってもいいかしら? その資格はあると思うんだけど」
「……あら、やっぱり」
「はぁ。……だと思ったよ」
エザリアが納得したように、イザークはどこか諦めの混じった口調でそれぞれ呟く。
どうやら俺がこの世界でも恋人を作っていると思っていたらしい。
それは間違ってるような、間違ってないような……確かにハルカとは一夜を共にしているし、そういう意味ではエリナもまた同様だ。
だが、結局それは一夜限りの事として、エリナの方からは忘れるように言われているし、ハルカの方は俺に迫ってきてはいるが、まだ受け入れてはいない。
つまり、一応まだ恋人同士ではないという事になる……筈だ。
「ハルカさん! その、ホワイトスターに行く人選はまだ決まって……」
「構わないわよ」
慌てたようにハルカを諫めようとしたプロスペクターだったが、エザリアの声がそれを遮る。
プロスペクターもそれは意外だったのか、珍しく驚いた表情を浮かべていた。
いや、実はそれが演技だとしても、俺には見抜けないだろうけどな。
「今、何と? ホワイトスターに連れて行ってもいいと聞こえましたが」
「ええ。その人はアクセルが口説いた相手でしょ? アクセルは他の世界に行く度に恋人を増やしてくる、困ったくらいの女好きなのよ。だから、もしその人をホワイトスターに連れて行っても、特に何が起きる訳じゃなくて、またかと皆も納得するでしょうね」
「……一応門世界やマブラヴ世界では恋人を作ってないんだけどな」
苦しい言い訳だと自分でも思っているが、ブリッジにいるメンバーが俺に向けてくる視線を考えると、何とか言い返せずにはいられなかった。
「そう? マブラヴ世界の方だと何人か怪しい人がいるでしょう? それに門世界の方は、単純に時間がなかっただけじゃないの? 大体、エルフ族を大量に連れ込んだじゃない」
エルフという言葉に、ブリッジのメンバーの多くが何らかの反応を示したが、取りあえずそれは無視して口を開く。
「エルフ達が俺に好意を持っているのは分かる。けど、あいつ等が俺に向けてくる好意は、男女間のそれじゃなくて、信仰の対象に向けるものだろ。大体、ホワイトスターにいるエルフ達は女だけじゃなくて男も多い。俺にそっちの趣味はないぞ」
「エルフ!? エルフがいるんですか!? 凄い、本当にエルフとかっているんですね!」
俺の声を遮るように響く声。
その声の持ち主は誰なのかは、声で分かった。
艦長が、俺の方へと目を輝かせながら視線を向けているのだ。
いやまぁ、その気持ちは分からないではない。
このナデシコは科学の発達した世界であって、ファンタジー系の要素がある訳じゃない。
古代火星文明とかファンタジー系のようにも思えるけど、それはこの際関係ないのだろう。
「エルフ以外にワイバーンもいるぞ。ちなみにホワイトスターにある牧場区画に来れば、ワイバーンに乗る事も出来る」
「わぁっ! ワイバーンに乗ったアキトに助け出されるお姫様の私……ああ、駄目よアキト、そんな、そんなっ!? せめて誰もいないところで……」
いきなりトリップしたな。
いやまぁ、エルフとかワイバーンっていうファンタジー系の要素ってのは、ツボな人にはとことんツボだ。
だとすればこうなるのもおかしくはない、か。
1人で身悶えている艦長をそのままにして、ハルカは話を戻す。
「それで、私も行くけどいいのよね? ホワイトスターにいる、アクセルの恋人達にもきちんと挨拶をしておく必要があるでしょうし」
俺の方へと視線を向けながら尋ねてくるハルカに、俺が出来るのは頷くだけだった。
「分かった。ハルカがホワイトスターへ来るのを許可する」
「ありがと。……ちなみに、エリナは行かないの?」
流し目を向けてエリナに話を向けるハルカだったが、それを受けたエリナは急に挙動不審になる。
「そっ、それは……だって、私はネルガルの人間で……」
「……いいの? 本当に? ここで置いて行かれるという事が、どういう意味を持っているのか。それはエリナにも分かるでしょ? それでいいのなら、私はこれ以上何も言わないわ。それがエリナの決断なんでしょうから。その代わり後悔する事になっても知らないわよ?」
ハルカの言葉に少し迷ったエリナだったが、その視線がプロスペクターの方に向けられると、すぐに頷きを返される。
「ホワイトスターという場所をエリナさんが見てくるというのは、ネルガルにとっても決して悪い事ではないかと」
「……そうね。じゃあ、私も行かせて貰おうかしら。一応顔合わせはしておいた方がいいから、私も同行しましょう」
こうして、ハルカとエリナの2人がホワイトスターへ行く事になる。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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