ドリトル先生北海道に行く
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第八幕その七
「そして狩猟道具や生活道具もありますので」
「じゃあ今から」
「そういうのを見て勉強するんだね」
「私達も」
動物の皆もお話してでした、そのうえで。
皆はお姉さんに案内されて資料館の中を回りました。中は結構広くてアイヌの人達の歴史や風俗習慣についての資料が一杯ありました。
服を着たアイヌの人達のマネキンもあります、そして弓矢等もあって。
動物の皆はそれぞれ顔を合わせてこんなことを言い合いました。
「何かね」
「農業がないね」
「そうだよね」
「アイヌの人達の文化ってね」
「狩猟だよね」
「それと漁業だね」
「そう、アイヌ民族は狩猟民族なんだ」
先生が皆にこうお話しました。
「昔はそうして生活していたんだよ」
「そうなんだね」
「アイヌの人達は農業じゃないんだ」
「狩猟とか漁業でなんだ」
「昔はそうして暮らしていたんだね」
「日本人なら農業だってイメージ強いけれどね」
「日本は確かに農業の国だよ」
先生もこのことは否定しません。
「けれどね」
「それでもなんだね」
「こうした生活を送っている人達もいたんだ」
「猟師や漁師の人達もいて」
「アイヌの人達もそうなんだね」
「本州や四国、九州には山窩という人達がいたよ」
先生はこの人達の名前もです、皆にお話しました。
「まだいるらしいけれどね」
「山だね」
「じゃあ山で暮らしている人達だね」
「アイヌの人達とは別に」
「日本にはそうした人達もいるんだ」
「日本には色々な人達がいるからね」
それでというのです。
「そうした人達もいるんだ」
「成程ね」
「山に昔から住んでいる人達」
「そんな人達もいるんだね」
「そう、そしてアイヌ民族は昔はこの資料館にある通り」
まさにというのです。
「狩猟や漁業で暮らしていたんだ」
「自然と一緒に暮らしていました」
お姉さんもまた説明してきます。
「私達は」
「そうだったね」
「本土の人達、新しく入って来た人達とはまた違います」
「お家も住んでいる場所もそうで」
「そして文化もです」
「自然と一緒なんだね」
「本土の人達もそうですが」
農業をして暮らしていた大和民族の人達もそのことは変わらないです、ですがアイヌの人達もまた然りというのです。
「私達も同じです」
「農業と狩猟の違いだね」
「簡単に言うとそうです」
「農業は土と水で」
「狩猟は木と風でしょうか」
「そうなるね」
「多く影響を受けるものは」
生きるにあたってです。
「とはいっても私はもう都会暮らしですけれど」
ここでは少し苦笑いになって言うお姉さんでした。
「生まれた時から」
「そうなんだね」
「はい、両親と一緒に」
「アイヌの人達も今では」
「そうです、普通に街で暮らしている人が多いです」
王子にもこう言うのでした。
「私の家族みたいに」
「成程ね」
「それと食べるものも」
そちらもというのです。
「今じゃ普通に和食や洋食も食べます」
「アイヌの人達の料理は」
「資料として残ってますしここでも食べられますけれど」
それでもというのです。
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