ドラゴンクエストビルダーズ:アレフガルドを復活させられてます(新リュカ伝)
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第1章:メルキド編
17:神に祈っても奴等は役に立たない。悪魔に祈っても奴等は裏切る。つまり祈るだけじゃダメなんだよ。
(ドムドーラ地方)
リュカSIDE
新しく建てた食堂を使い、ピリンにハンバーガーを食べさせた。
近代先進国で生活してた者からすると、ファストフードなんかでは女性は喜ばないと思ってたけど、この世界では加工された肉料理自体が珍しい為、滅茶苦茶喜んでくれたよ。
ハンバーガーで喜んでくれる女の子って、なんか可愛いね。
食欲を満たしたので、別の欲求を満たそうとピリンをベッドに誘う……つもりだったんだけど、ヒゲがハゲを連れ『ピリンの用事は終わったのだから、我が輩の用事を優先させろ』と怒鳴り込んできた。
うん、殴ろうと思った。
でもね、直ぐ後からロッシも来て『これ以上武装するな、危険だろ!』と言い、凄い剣幕でヒゲと喧嘩になったから、殴れなかったよ。
奴等の言い分なんか知ったこっちゃないので、食堂から出てピリンの部屋へ向かおうとしたんだけど、何故だか一緒に付いてくるんだよね、喧嘩しながら。
広めに造ったとは言え閉鎖された空間で怒鳴られてると五月蝿いから逃げ出したのに、付いてこられたら意味がない。
取り敢えずこの場に居たピリン以外の全員の後頭部にゲンコツを落として黙らせる。
運悪く近場に居たショーターが『な、何で僕まで……』と泣き言言ってたが、連帯責任と言う事で気にしない。
だけど喧嘩は収まりそうになく、声のトーンを下げてロッシとヒゲが口論を続けるから、取り敢えず喧嘩を終わらせるべく俺は旅の扉・赤へと入った。
火を噴くかどうか判らない石像を持ち帰れば、ヒゲは納得して黙るだろうし、ロッシも諦めて静かにしてくれるはず。
静かになれば俺も落ち着いてピリンと新たな住人作成に集中出来る。
なんせビルダーの使命の一つだからね。
偉大なる精霊神ルビス様に命じられた大切な使命の一つだからね!
そ~んな訳で、再度やって参りましたドムドーラ地方の砂漠。
さっさと用事を済ませようとショーターに言われたピラミッドを探す。
だがピラミッドの前に一角ウサギと目が合い、美味しかったハンバーガーを思い出す。
また大量にウサギ狩りをしてハンバーガーとかを作れば、ピリンは喜ぶ。
それに自分の意見を無視された感のあるロッシも、美味しいものを食べれば心も落ち着くかもしれないし、新たな施設である食堂で楽しく食事会を行えるかもしれない。
ではウサギ狩りの開始だぁー!
気が付けば、また徹夜でウサギ狩りをしていた。
そしてまた出会うアイツに……
前回の時と同じ出会い……
ウサギに夢中で石壁に激突するという出会い。
本来なら、パンを咥えた遅刻しそうな女子高生との出会いがテンプレートなんだろうけど、ファンタジーな世界に生きるイケメンのテンプレートはストーンマンです。
一応作って置いた新たな武器“大金槌”でストーンマンに攻撃する。
これまた前回と同じで、小さいストーンマンは瞬殺出来るんだけど、大きい親ストーンマンには歯が立たない。
時間がなく、まだ1本しか作ってない大金槌を壊す訳には行かないので、早々に諦めて退散。
退散と言っても帰る訳ではなく、目的のピラミッド方面への転進だ。
大体の位置はショーターから聞いておいたので、迷う事なく到着。
ピラミッドを守っているのか、鎧の騎士と呼ばれてるモンスターを鉄の剣で撃退すると、中腹にポッカリ空いてる出入り口らしき場所から華麗に侵入。
外は砂漠地帯で暑かったけど、ピラミッド内はヒンヤリしてて不気味に涼しい。
美女と一緒に来れたなら、物音一つで『きゃっ、こわ~い♥』とかなんとか言っちゃって楽しいんだろうけど、生憎現在お一人様進行形なので楽しみは皆無。
内部は複雑な迷宮になってると思ったんだけど、曲がりくねってはいるが一本道に気も緩みがち。
そして階段を上ると目的物の展示コーナーへ。
そうです、火を噴くかどうか判らない石像が2体。
しかし、その火を噴くかどうか判らない石像を囲む様に、人間とは思えない気配の人間の姿をした連中が祈りを捧げてる。
一番近くに居た人間とは思えない気配のオッサンの姿をした奴に話しかける。
『さぁ貴方も祈りなさい。あの火を噴く石像様に祈りを捧げるのです。そうすれば永遠に生きられるでしょう』
うん、後悔した。
話しかけるんじゃなかったよ。
死んでたとこ無理矢理生き返らせられて、強制的に働かされてるのが俺。
永遠になんて生きたら、永遠に働かされてしまう。
冗談ではない!
だからサッサと目的物を回収して、ピリンの下に帰ります。
俺は大金槌を手に持ち火を噴くと言われてる石像に近づいて行く。
あと数歩で俺の攻撃範囲内と言う所で、突然邪悪な面構えの石像の口から火炎が吹き出してきた! あまりの出来事に、吃驚して情けなく尻餅。
本当に火を噴くんだ……あの石像!?
ブルドッグとコウモリを足して二で割った狛犬の様な石像の、激しすぎる火炎に驚いてると、周囲の人間とは思えない気配の人間の姿をしてた奴等から冷笑が聞こえてくる。
頭にきたね。
2体有るのだし、持ち帰るのは1体だけで勘弁してやろうと思ってたけど、もう2体とも持ち帰る!
『それが無くなったら我らは何に祈りを捧げれば良いんですかぁ~(涙)』と泣き付かれても、もう知らないね。
適当に小石でも置いて『これに祈れボケェ』と言って帰ってやる。
祈るだけで世の中が変わると思うなよ。
行動が伴わなきゃ何も起きないんだ。
大金槌を振り下ろし火を噴く石像1体を台座から外して腰の袋へ仕舞い込む。
そして吃驚唖然としてる連中を横目に、もう1体の火を噴く石像も回収。
全員を見渡して鼻で笑ってやると、俺は悠然と出口へと向かう。
だけど俺の優越感はそこまでだった。
突如人間とは思えない気配の人間の姿をしてた連中が、本来のモンスターな姿に変化すると、怒り狂って襲いかかってきた。
そう言えばさぁ……
昔にもピラミッド内で、これと似た様な出来事があったよね。
なんか大切な宝を奪ったら、そこら中からモンスターが湧いてきて、死にものぐるいで逃げたよね。
うん。今回も同じだー(笑)
うそうそ、笑ってられない。
何処に居たの? ってくらい凄い数のモンスターが、火を噴く石像を奪った俺に襲いかかってくる。
単体では強くないのだけど、数が多すぎて武器が保ちそうにない。
逃げるしか無いね。石像を置いてくれば済むのかもしれないけど、これはこれで必要だから手放せない。
持ち帰らなかったら、またヒゲとロッシが喧嘩するだろうし、喧嘩されるとピリンが悲しむんだよね。
ピリンを守る為に町の防御を高めるのは必要だ。
武力強化が敵を誘発すると言うロッシの考えも解るが、俺が居ないときに敵が大挙してきたらと考えると、やっぱり町の強化は必須。
前世で軍事力に対する懸念を常に持ち、軍縮を必要以上に推し進めてたけど、俺やティミー亡き後は軍事力が絶対に必要と説得され、考え方を多少は変えた。
だから俺は火を噴く石像を持ち帰る。
でもロッシの意見も必要だから、帰ったら皆で食事会をしよう。
和気藹々と食事して、皆の距離を縮めよう。
俺は俺で、ピリンとの距離を一つになるまで縮めよう(笑)
だからここでは死ねない。
石像も返せない。
根性で逃げ出すんだ!
そんな俺の気迫が勝ったのか、モンスターの大群に大きく差を広げ出口へと到着する。
モンスターが無限に湧き出てきて拠点まで押し寄せられることが怖かったので、キメラの翼を使用する前に大慌てでピラミッドの出入り口を塞ぐ。
白い岩で塞ぎきった所で、内部からはモンスターの大群が到着した音が……
白い岩壁を突破されたら嫌なので、二重三重に壁を設置。
音すら聞こえなくなったとこで、安心してキメラの翼を使用する。
あ~怖かった。
(メルキド)
拠点に到着。
ちょー怖かったので、ヒゲのアホに文句を言おうと探したら……
なんと拠点も襲撃されていた!
俺の所為かな? 火を噴く石像を持ち帰っちゃった俺が原因かな?
いや、そんなはずは無い! だとしたらヒゲの所為だろうし、既に襲撃されて時間が経過してるみたいだし、俺は悪くない。
そんな事より早く助けないと、結構ピンチに陥ってる。
ヒゲ自慢の石の守りも、襲い来る鎧の騎士や悪魔の騎士の攻撃に、既に半壊状態だ。
新たな住人のハゲが大金槌を振り回して食い止めてるけど、ケッパーが大苦戦してるので、ヒゲもショーターもボロボロになっている。
因みにロッシは、ピリンの部屋の前で銅の剣を構え、ガタガタ振るえている。
女性を守ろうとする気構えは買うが、情けなさ過ぎるなぁ……
でも一般人はあんなものか?
リュカSIDE END
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