転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1311話
ゲート周辺での騒ぎが一段落し、それぞれが自分のいるべき場所へと戻っていく。
避難民の面々は取りあえずネルガルにある研究所の掃除を始めていた。
寝起きとかはシェルターでするらしいが、どのくらいの期間この研究所で過ごす事になるか分からない以上、研究所の他の部屋もきちんと掃除して使えるようにしておきたいらしい。
プロスペクターやエリナがあっさりとそれを許可したのは、俺にとって驚きだった。
ただ、自由に研究所を使ってもいい代わりに、何らかの研究資料とかが出て来たら自分達に提出するようにと言っているのを見れば、なる程と納得してしまう。
プロスペクターやエリナにとってこの研究所はもう使い物にならないというのは確実で、荒れ果てている中から何らかの重要な研究データや書類といったものが回収出来れば御の字……といったところか。
そしてナデシコのクルーはそれぞれ自分の部署に戻ったり、研究所の掃除の手伝いをしたり、中には危険を承知でゲートを見ている者もいる。
もっとも、近づけば捕らえられる……場合によっては銃撃を受けるというのはきちんと言ってあるので、あくまでも遠くから見ているだけだが。
ウリバタケも出来ればゲートの方に向かいたかったようだが、整備班の代表という立場である以上はそんな真似も出来ずに他の面子に引っ張られてブリッジへと連れていかれた。
主要メンバーは現在ブリッジに集まっており、恐らく俺達シャドウミラーとどういう風に接するかを相談している筈だ。
シャドウミラーの事を詳しく知り得た訳ではないにしろ、ゲートという存在をその目で見て、量産型Wをその目にし、何よりメギロートを見る事が出来たのだから。
木星蜥蜴のバッタに比べれば遙かに巨大だが、それを以て俺達の技術の方が劣っているという風には決めつけられない。
そもそも、バッタとメギロートでは性能に差が有りすぎる。
バッタが十数機掛かりでも、恐らくメギロートには敵わないだろう。
もっとも数十機単位になってくれば、ミサイルを処理仕切れずにメギロートも被害を受けてしまうだろうが。
ともあれ、今頃はナデシコの設計をして、木星蜥蜴についても高い知識を持つイネス辺りが主になってシャドウミラーの技術についての話し合いがされているものだと思われる。
そんな中で、俺、エザリア、イザークといったシャドウミラーの面子はと言えば……
「なるほど、木星蜥蜴ね。無人機を延々と送り込んできているようだけど、何が目的なのかしら?」
一通り部屋のコンピュータで木星蜥蜴を含めてこの世界についてのデータを見終わったエザリアが呟く。
「さてな。その辺はこの世界の地球連合軍も分かっていないらしい」
「……地球連合軍か。あまり良い印象のない名前だな」
俺の言葉にイザークが苦々しげに吐き捨てる。
まぁ、SEED世界でもザフトが敵対していたのは地球連合軍だったからな。
同じ名前だけに、嫌な印象を持っても仕方がない。
「そう言うなって。同じなのは名前だけだし。いや、多くの国が参加している以上、形式的にも似ているのかもしれないけど、SEED世界の地球連合と違って『青き正常なる世界の為に』とかは言わないしな」
「ふんっ、当然だ!」
基本的に大人な対応が出来るようになってきたイザークだったが、それでもやはりSEED世界の連合軍に対しては思うところがあるんだろう。
そういう意味だと、俺も元連合軍という意味では同じなんだよな。
傭兵という扱いではあったけど、アークエンジェルに乗ってイザークと戦ってきたんだし。
今更ながら色々と奇妙な事になったものだ。
まさかイザークがシャドウミラーに入り、しかもそこでオウカと付き合う事になるとは。
SEED世界で活動している時には全く想像も出来なかった。
……考えてみれば、イザークとオウカって別作品の登場人物同士がくっついた、初めての例になるのか?
色々な世界の人間が集まっているホワイトスターだけに、俺が知らない場所で既に別世界同士のカップルが出来ていてもおかしくはない。
門世界の方でもう少し時間があれば、ムラタとロゥリィ辺りがくっついていた可能性はあるけど……それは今更だろう。
「俺としては、この100年前に月で独立運動をしたって奴が気になるな。支配している相手からの脱却という意味では、プラントも似たようなものだったし」
「どのみち、それは内部崩壊して終わったんだろ。それよりこれからの事だ。今のデータを見て、大体この世界の事は理解したと思うけど……どうだ?」
データを眺めていたエザリアは、その言葉に笑みを浮かべて頷きを返す。
「そうね、多少交渉で問題が起きそうな部分もあるけど、何とかなりそうよ。けどやっぱり一番の問題は地球連合でしょうね。シャドウミラーが火星を実効支配するというのを認めるかどうか……」
「だろうな。やっぱりそこが問題になってくると思う」
ムネタケの件やミロンガ改を奪取しようとした件を思えば、どうしても警戒せざるを得ない。
連合軍にしてみれば、シャドウミラーの技術や戦力は是非とも欲しいだろうし。
「木星蜥蜴との間に火星が存在するというのを、向こうがどれくらい重視するかが問題でしょうね」
エザリアが口にしたのも、やはり俺の考えと同じものだった。
地球連合が火星を木星蜥蜴に対する防壁と見なすのであれば、暫くは……木星蜥蜴との現状が一段落するまでは安心だろう。
それだけの時間があれば、その間に火星を要塞化するのは難しい話じゃない。
いや、そもそも連合軍の戦力は、メギロートを出せばそれだけで一網打尽に出来るだろう。
ディストーションフィールドの類も存在してないんだし。
これが木星蜥蜴になると厄介ではあるが、ディストーションフィールドも無敵じゃない。
戦ってみた感じやナデシコに装備しているのを見たところだと、防げるのはビームや重力波砲だけ。
ぶっちゃけフレイヤや、そこまでいかなくてもS-11ミサイルといった物理攻撃や、ビームや重力波砲以外の攻撃を使えば対処は可能だ。
つまり……
「基本的に地球連合が敵対しても、どうにでもなるって訳だ」
「そうね。ただ、言うまでもないけどこちらから意図的に敵対するような真似は困るわよ? 戦力的には全く困ってないけど、無用な恨みを買う必要はないでしょう」
エザリアの言う事も分かる。
現状、俺の知ってる限りだとどこの世界でも大きな戦いが起きたという話は聞いていない。
このナデシコ世界を除くと、最も戦闘が多いのはマブラヴ世界になる。
そしてマブラヴ世界の方も、戦力が充実した結果シャドウミラーが協力しなくてもハイヴを攻略出来るようになっている。
……まぁ、精霊の卵が頻繁に傭兵として雇われているようだが、それはマブラヴ世界云々って理由じゃなくて、精霊の卵に所属しているエルフ達の技量を上げるという目的もあるからだ。
そういう意味では、木星蜥蜴は精霊の卵の戦闘相手としては決して悪くない存在なんだよな。
何より、BETAと違って死体から悪臭がしないのがいい。
木星蜥蜴を倒しても、結局その部品はコンテナに入れてキブツへと持っていくことになるんだろうが、臭いに関して心配する必要がないっては嬉しい。
「まぁ、精々向こうには低姿勢にならない程度に丁寧に接してくれ。下手に下手に出れば、妙な勘違いをさせる可能性もあるからな」
「そうね、その辺は気をつけるわ。取りあえず地球連合政府と交渉のテーブルに着く為にも、ネルガルの方から話を通して貰う必要があるでしょうね」
「だろうな。まさか、俺達がいきなり出て行って『異世界の人間です』なんて言っても、まず信じはしないだろうし」
寧ろ、それで俺達の言葉を信じたりするような相手だと、色々な意味で信用出来ない。
一応最終手段としては、目の前で俺やイザーク、量産型W辺りが魔法を使ってみるとか、俺のスライムを出してみるとか、それこそ俺の混沌精霊としての姿を見せるとかあるだろうが、それは本当に最後の手段だ。
「で、シャドウミラーの政治班担当としては、具体的にどのくらいの割合で連合軍と戦闘になると思う?」
「そうね。ここにあるデータを見る限りでは、5……いえ、6割かしら」
「……随分と高いな。俺はてっきり戦闘になる確率は4割を切ると思ってたけど」
そう告げる俺に対し、エザリアではなくイザークが呆れたような溜息を吐く。
「アクセル、お前は人の欲を甘く見ていないか? そもそも、この世界の連合軍は木星蜥蜴とやらに一方的にやられているのだろう? それこそ、このナデシコという木星蜥蜴と同じ系列の技術を使ってようやく一矢報いる……いや、この場合はまだ一矢にも至っていないようだが。そんな奴等が、俺達シャドウミラーの戦力を見たらどうなると思う?」
「強引に奪いに来るってのか? それこそ、ミロンガ改の戦闘を見ていれば無駄に自分達の戦力を消耗するだけだと考えるんじゃないか? 寧ろ、何らかの条件を持ってきて、俺達を傭兵のような扱いで利用すると考える方が自然だろう。少なくてもここと同じような状況になっていたマブラヴ世界ではそうなったし」
そんな俺の言葉に、イザークに変わってエザリアが口を開く。
何か示し合わせている訳でもないのに、このコンビネーションは……さすがに親子といったところか。
「それはマブラヴ世界が限界に近かったからこそ、よ。そして、そこまで追い詰められたマブラヴ世界でも、私達に色々とちょっかいを掛けてきたのは間違いない事実でしょ」
「だから、この世界でもそうなると?」
エザリアは俺の言葉に躊躇なく頷く。
「ええ。データでだけど、この世界の歴史を見てきた限りでは、恐らく……いえ、間違いなくそうなる可能性が高いわ」
俺の目から見ればそこまで酷いようには見えないんだが、これまでシャドウミラーの政治を担当してきたエザリアの目から見れば、俺と違うものが見えるのだろう。
「……木星蜥蜴に勝てない地球連合軍が、シャドウミラーに勝てると本気で思うか?」
「最初は懐柔策、それが上手くいかなければ絡め手、そして最終手段として先制攻撃といったところだろうな」
イザークの言葉に、エザリアが首を横に振る。
「普段であればそうでしょうね。けど、今この世界では木星蜥蜴に攻撃されて押されてるんでしょう? なら一発逆転を狙ってきてもおかしくないとは思わない?」
「……なるほど」
エザリアの口から出た言葉には強い説得力があった。
実際、今の地球連合の状況はジリ貧と言ってもいい。
それを何とかする為、成功率度外視でシャドウミラーを倒してその力を奪う。
ムネタケや艦長の父親のミスマル提督の行動を考えれば、エザリアがそう判断してもおかしくはない、か。
まぁ、ミスマル提督の方はかなり穏便な手段を使っていたが。
「分かった、ならやっぱり戦闘になるのを前提として行動した方が良さそうだな」
結局戦闘になる、か。
俺の最初の予想だと地球は木星蜥蜴がどうにかなるまでこっちの動きを黙認してくるものだとばかり思ってたんだけど。
まだまだ読みが甘いって事か。
「ええ。まぁ、地球から火星までは2週間。私達のように転移装置がある訳でもないのだから、いざ戦闘になってしまったら向こうの本拠地を制圧してしまえば手っ取り早く戦闘を終わらせる事は出来るでしょうね」
「向こうも妙な事を考えないといいんだけどな。こっちに構っている暇があるのなら、ナデシコ級の量産でも始めればいいものを」
「出来るの? そもそも、ナデシコというのは火星古代文明とでも言うべき存在の遺産があって始めて設計出来たんでしょ?」
「一度作ったんだし、出来るんじゃないか? ナデシコを作った以上、開発に必要な技術はある程度得ていると思った方がいい。まぁ、設計をしたのがイネスだって話だから、そのイネスを自分達の方へと引き込めるかどうかがネルガルの鍵になるだろうけど」
「……そうかしら。本当に今ある技術だけでこの艦と同じ性能を持つ艦を作れるのなら、別にこのナデシコ1隻だけじゃなくて、他に何隻も同時に作ってもおかしくないんじゃない?」
不思議そうに呟くエザリアだったが、言われてみれば確かにそうかもしれないな。
実際、連合軍もこの艦を欲しがってああいう強攻策に出た訳だし。
けど……
「この艦がテスト艦だったからじゃないか? 一度作ってみて、どこかおかしい場所がないかをきちんと確認して、それから量産体制を整えるとか」
「だと、いいんだけどね。どうにも私の政治家としての勘では、ネルガルが何かを隠しているように感じられるのよ。……気のせいだといいけど、もしそれが本当だった場合、下手をしたら色々な前提条件が崩れる可能性もあるわよ」
そんなエザリアの言葉は、プロスペクターがそろそろ交渉を始めたいと通信を送ってくるまで俺の心の中に残っているのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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