サトシ「25歳」〜理想と現実の先にあるもの〜
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タマムシ食堂にて
昼前という事もあり、
客はサトシとヒロシしか居なかった。
サトシ:「おばちゃーん、タマムシカレー2つ」
おばちゃん:「あーい」
ヒロシ(俺まだメニュー見てないのに)
サトシ:「、、で、
ヒロシはあの事件の後どうしてたんだ?」
ヒロシ:「、、ん?あ、あぁっ。実は俺、
事件についてずっと調査してたんだっ。」
サトシ:「えっ、そうなのか!?」
ヒロシ:「あぁ。ショックから
立ち直って、一応通信教育で
勉強はしたけど、やっぱり事件の
事が気になってね。、、
通信教育が終わってから、仕事をしつつ、
事件の真相を突き止めるべく
日々調査の毎日さっ」
サトシと同じく、ヒロシも又、
あの事件について気になっていた。
サトシ:「仕事って、
お前いま何の仕事してるんだ?」
ヒロシ:「俺は一応、私立探偵やってるよ」
サトシ:「えっ!お前探偵なのか!?」
ヒロシ:「まぁなっ。ポケモンが
居なくなった今、俺の才能はそれしか
無かったからさっ」
元々推理力があったヒロシは、
自分の得意分野を活かし、探偵になっていた。
サトシ「すごいじゃないか!」
ヒロシ:「そうでもないさっ。
毎日来る依頼だって、ほとんど
浮気調査とか、人探しばっかだし。
、、あ、ついでにあの資料をサトシの
会社の書庫に置いたのも、俺だよっ」
サトシ:「そうだったのか、、、
でも、良く俺の働いてる場所がわかったなっ」
ヒロシ:「前に依頼人の関係で
ニビ駅で人を尾行してた事があってね、、、
その時偶然、駅の反対側のホームで電車を
待っているスーツ姿のサトシを見かけたんだっ」
サトシ:「え、そうなのか?」
ヒロシ:「あぁ、俺のターゲットが
到着する時刻まで時間もあったし、
俺は反対側のホームにいたから、サトシが
ベンチに座って新聞を見てる姿を
小型の双眼鏡でついつい観察したって訳だ」
サトシ:「ほうっ」
ヒロシ:「サトシが見ていた新聞は
表裏一枚だけのカントー日報。
俺側から見てスポーツ記事って事は
その反対は社会経済。
この歳であの新聞を見る人は少ないし、
ましてやサトシが社会経済を見るなんて
とても趣味とも思えない」
サトシ:「ふーん」
サトシ(今ちょっと馬鹿にしたな)
ヒロシ:「社会経済をチェックするのは
営業マンの基本中の基本。
そして、あの電車の行き先で
営業を主にしてる会社はヤマブキシティの
シルフカンパニーか、タマムシシティにある
同系列のラポールタマムシ。
シルフはエリートしか入れないから
サトシはおそらくラポールタマムシだろうって
思ったんだ。」
サトシ:「なるほどー」
サトシ(また馬鹿にしたなっ)
ヒロシ:「それで、ラポールタマムシを
調べたところサトシの名簿があったから
確信したんだっ。」
サトシ:「そうだったのか、、って事は、
あの資料を俺に渡す為に、会社に
浸入したって事か?」
ヒロシ:「そうそう。普通に会って
渡そうと思ったけど、久しぶりの
再会だから少し驚かそうと思って。
だから数日間作業員に潜入して
サトシのスケジュールを把握した後
色々小細工してみたんだっ。」
サトシ:「なるほどなーっ」
ヒロシ:「ちなみに、あの時
書庫に入ってきた社員Aも俺だよっ」
サトシ:「え!そうだったのか!?」
ヒロシの隠された才能に
驚くサトシだが、ヒカリの時と同様、
話は本題に入った。
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