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夢値とあれと遊戯王 太陽は絶交日和

作者:臣杖特
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レベル3 次世代の力を操る者は

 
前書き
前回のあらすじ
急襲を仕掛けてきた忍者と普通に決闘(デュエル)! 

 
「ぼくのターン、ドローします」

老伍路(オイゴロ) 夢値(ムチ) LP8000
手札     5枚
モンスター  X-セイバー パシウル(守備表示)
魔法、罠   無し
ペンデュラム 無し

灯木(トモシキ) 稲紅(イナク) LP8000
手札     4枚
モンスター  ライトロード・セイント ミネルバ(攻撃表示)、ライトロード・ビースト ウォルフ(攻撃表示)
魔法、罠   伏せカード、伏せカード
ペンデュラム 無し

「……ぼくは、《ジェムナイト・ラピス》を召喚します。そして、レベル3の《ラピス》に、レベル2の《パシウル》をチューニング。《ナチュル・ビースト》をシンクロ召喚します。攻撃表示」

ナチュル・ビースト シンクロ/効果モンスター
星5/地属性/獣族/攻2200/守1700
地属性チューナー+チューナー以外の地属性モンスター1体以上
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、デッキの上からカードを2枚墓地へ送る事で、魔法カードの発動を無効にし破壊する。

「それも、甘いでござる」
 稲紅は余裕の表情を崩さない。
「普通の『ジェムナイト』ならば、《ジャムナイト・フュージョン》を何度も無効にするそのカードは致命傷となるでござる。しかし、拙者のデッキはモンスターがメインの『ライトロード』が、そして何より《零式魔導粉砕機》があるでござる!いくら《ナチュビ》と言えども《ジェムナイト・フュージョン》の墓地から回収する効果までは防げまい。結局、拙者の戦術は止められずじまいでござる!」
「よ、よく分かんないけど、大丈夫なの……?」
 稲紅の余裕の表情が、樢の焦りになっていた。
「拙者が勝った暁には、サンサーヴはいただくでござる。だが、安心するでござる。拙者は何も、サンサーヴを使って世界征服だのなんだのをしようなどとは思っていないでござる」
「せ、せかいせいふく!?」
 樢は思わず自分の腹を見た。自分が保管しているらしいものが、一体何なのだろうと寒気がした。
「サンサーヴは拙者が、いいや、灯木一族が、責任をもって誰にも手を出させないようにするでござる。絶対に、誰かに悪用なんかさせないでござる」
「……灯木さん」
 夢値は小さく名を呼んだ。
「なんでござるか?」
「どんなに頭を使っても、どんなに体を動かしても、自分が知らない触れたことの無いものは必ず存在します……。だから、」
 夢値は、スッと稲紅を見据えた。
「絶対なんて絶対にありえません」
「む……」
 稲紅は不機嫌そうに眉を曲げた。
「絶対が絶対ありえないというなら、その絶対にありえないの絶対も絶対にありえないのでござるか?」
「いいえ、絶対は絶対ありえませんが、絶対が絶対にありえないことの絶対は絶対は絶対でも絶対と違う絶対的な絶対なのです」
「ならば、絶対が絶対にありえないの絶対だけ絶対の中の絶対だというのは絶対なのでござるか?いや絶対である筈が無いでござるよな?絶対は絶対ありえないのだから」
「絶対が絶対にありえないことの絶対が絶対は絶対でも絶対とは違う絶対である以上、絶対が絶対にありえないことも絶対的な絶対ですし、なんなら絶対絶対が絶対ありえないことも絶対とは違う絶対的な絶対です」
「それは無茶苦茶でござる!」
「どちらか道理か、それは天の神が知っています。ぼくは、永続魔法、《ブリリアント・フュージョン》を発動します。発動時にデッキの、《ジェムナイト・ガネット》と《ジェムナイト・ラズリー》2体を素材に、《ジェムナイトレディ・ブリリアント・ダイヤ》を融合召喚します。守備表示。そして、墓地の《ラピス》と《ガネット》を対象に、融合素材となった2体の《ラズリー》の効果を発動。《ラピス》と《ガネット》を手札に加えます」

ブリリアント・フュージョン 永続魔法
「ブリリアント・フュージョン」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):このカードの発動時に自分のデッキから「ジェムナイト」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体を、攻撃力・守備力を0にしてエクストラデッキから融合召喚する。
このカードがフィールドから離れた場合にそのモンスターを破壊する。
(2):1ターンに1度、手札の魔法カード1枚を捨てて発動できる。このカードの効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力・守備力は相手ターン終了時まで元々の数値分アップする。

ジェムナイト・ラズリー 効果モンスター
星1/地属性/岩石族/攻600/守100
(1):このカードが効果で墓地へ送られた場合、自分の墓地の通常モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを手札に加える。

「そして、《ブリリアント・ダイヤ》の効果を発動。自身を墓地に送って、《ジェムナイトレディ・ラピスラズリ》を特殊召喚します。攻撃表示。そして《ラピスラズリ》の効果を発動。エクストラデッキの《ジェムナイト・ジルコニア》を墓地に送って、フィールドに特殊召喚されたモンスターの数、4体×500、2000ポイントのダメージを与えます」

ジェムナイトレディ・ブリリアント・ダイヤ 融合/効果モンスター
星10/地属性/岩石族/3400/2000
「ジェムナイト」モンスター×3
このカードは上記カードを融合素材にした融合召喚でのみエクストラデッキから特殊召喚できる。
自分は「ジェムナイトレディ・ブリリアント・ダイヤ」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。
(1):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。自分フィールドの表側表示の「ジェムナイト」モンスター1体を選んで墓地へ送り、エクストラデッキから「ジェムナイト」融合モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する。

ジェムナイトレディ・ラピスラズリ 融合/効果モンスター
5/地属性/岩石族/攻2400/守1000
「ジェムナイト・ラピス」+「ジェムナイト」モンスター
このカードは上記のカードを融合素材にした融合召喚でのみエクストラデッキから特殊召喚できる。
自分は「ジェムナイトレディ・ラピスラズリ」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。
(1):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。デッキ・エクストラデッキから「ジェムナイト」モンスター1体を墓地へ送り、フィールドの特殊召喚されたモンスターの数×500ダメージを相手に与える。

「うっ、地味に効くでござるな」
稲紅 LP8000→6000
「次に、通常魔法、《ジェムナイト・フュージョン》を発動します」
「む……一体何を出すでござるか。だが、何を出されようとも、拙者は絶対に対処して……」
「いいえ、それは絶対に出来ません」
「ござる?」
「ぼくはデッキの上から2枚を墓地に送って、《ナチュル・ビースト》の効果を発動」
「ぬ!?」
 稲紅は素っ頓狂な声をあげた。
「《ジェムナイト・フュージョン》の発動を無効にして破壊します」
 夢値の手によって、《ジェムナイト・フュージョン》は、何も成さずそのまま墓地に送られた。
「な、何がしたいのでござるか?自分のカードを無効にするなど……!?」
「それは直にきっと分かりますよ。ぼくは墓地の《ラズリー》をゲームから除外して、墓地の《ジェムナイト・フュージョン》の効果を発動。自身を手札に加えます」
「え、じゃあなんで」
 樢の目にも夢値が異様な行動をしているのは明らかだった。自分のカードを自分の効果で無効にした後にそれを手札に戻したのだ。
「な、何が狙いだ……」
 稲紅は訝しむような目線を向けた。
「確かに《ジェムナイト・フュージョン》は使い回しが簡単でござる。だが、だからといって無効にする意味が無い。それに、《ジェムナイト・フュージョン》を回収するには墓地に『ジェムナイト』モンスターが必要でござる。無限に出来るわけでもないのになぜこのようなことを……」
「無限じゃなくても、十分です。ぼくは再び《ジェムナイト・フュージョン》を発動し、デッキの上から2枚を墓地に送ることでそれを《ナチュル・ビースト》の効果で無効にします。そして、《ジェムナイト・フュージョン》の効果で墓地の《ラズリー》を除外して回収します」
「ま、またおんなじこと?」
 樢は呆れるわけではなかったが困惑した。
「おんなじ……、《ジェムナイト・フュージョン》を使って、デッキを2枚墓地に送って無効にして、墓地の『ジェムナイト』を除外してまた《ジェムナイト・フュージョン》を回収して?……あ」
 稲紅は目をぽぅっと丸くした。
「おんなじじゃないでござる。単純に、デッキが減って、墓地と除外が増えてるでござる」
「その通りです」
 夢値は目を細めた。
「《ナチュル・ビースト》の効果でデッキのカードを墓地に送り、墓地に送られた『ジェムナイト』モンスターを除外して、《ジェムナイト・フュージョン》を回収する。これを繰り返すことによって、デッキのカードを大量に墓地に送ることが出来ます。」
「確かに、《ナチュル・ビースト》でデッキから墓地に送られるカードは2枚。《ジェムナイト・フュージョン》で墓地から除外する『ジェムナイト』モンスターは1枚。差し引き1枚分、カードを墓地に仕込めるわけでござる。……だが、」
「はい?」
「それは《ナチュル・ビースト》で墓地に送られる2枚のカードの内の片方が『ジェムナイト』モンスターである前提でござる。デッキは乱雑なもの。乱雑だからこそ、嫌な固まりかたをすることもあるでござる。もしこれから連続で『ジェムナイト』モンスター以外が落ち続ければ、コンボは止まるでござる」
「あぁー……、そのことですか」
 夢値は整理するように少し上を向くと、まるで子供のようににっこり笑った。
「そこら辺は特に考えていません」
「は?」
 稲紅は目を丸くした。
「いえ、一応小手先の戦術としては、《ラピスラズリ》でエクストラデッキから墓地を肥やすというのはありますけども、基本的には運です。神や邪神に祈りながら使っています」
「え、それって、大丈夫なの?」
 散々脅威を煽られた樢は強張った顔で夢値を見た。
「何がですか?」
 夢値は樢の方に体を向けて小首を傾げた。
「いや、なんか知らないけど、あんたが負けたら色々とまずいんでしょ?」
「まずいですね」
 夢値はコクコクと頷いた。
「じゃあもっと、安全に勝つ方法とか無いの?」
「あると思いますよ」
 夢値はコクコクと頷いた。
「じゃあなんで……」
「だって……」
 夢値はアンダースローのように言葉を放った。
「さっき思いつきましたから、このコンボ」
「へっ?」
 樢は一瞬思考が止まりそうになった。
「樢さんと分かれてからぼんやりと考え事をしていたらふと思いついて、急いで形にして、試運転しながらこのデッキに大きな怪我や病気が無いようにとお願いしていました」
 夢値は空を見て、まるで歌でも歌っているようだ。
「えっ、あの、どういうこと?」
 樢は勢いのつかない頭をなんとか回して、対話を試みようとした。
「そろそろこの子達に、外の景色を見せてあげたくて」
「んんー?……ーんと、つまり、そのデッキを使いたかっただけ?」
「そうですね」
「それだけ?」
「それだけで、十分です」
 夢値は満足気に頷いた。
「え、えぇ……?」
 そう断言されてしまっては、樢は喉から出かかった二の句を飲み込むしか無かった。
「というわけで、」
 夢値は、全身を稲紅の方へ、戦いの場の方へ向け直した。
「やれるだけやりますよ」
 それから、夢値は自分のデッキと墓地を回転させだした。1枚のカードを手札に墓地にと循環していく度に、カードが少しずつ移動していく。樢は、夢値の一喜一憂をただ眺めることしか出来なかった。
「こ、ここまで来たら、中途半端なのも寝覚めが悪いでござるよ……?」
 稲紅は期待と不安の伺える面持ちで夢値のフィールドを見つめている。
「あ、墓地が足りないので《ジェムナイト・ジルコニア》を攻撃表示で融合召喚しますね。あー、これなら《ラピスラズリ》の効果は後にした方がダメージ増えましたね」

ジェムナイト・ジルコニア 融合モンスター
星8/地属性/岩石族/攻2900/守2500
「ジェムナイト」モンスター+岩石族モンスター

 もののついでに攻撃力2900を出しながら、デッキはなんとか回っているようだ。
 そして……
「デッキからカードを2枚墓地に送って《ナチュル・ビースト》の効果……。あ、墓地が揃いました。ともかく《ジェムナイト・フュージョン》は無効です」
 墓地に落ちたのは、《ジェムナイト・アレキサンド》と《プリーステス・オーム》の2枚。
「もっとデッキを回したい気もしますが、失敗したらまずいのでもういきましょう。……ぼくは、墓地の《D.D.クロウ》《ブリリアント・フュージョン》《プリーステス・オーム》《吸光融合》《ワン・フォー・ワン》《BF-弔風のデス》《アタック・ゲイナー》を除外して、墓地の《妖精伝姫-シラユキ》の効果を発動して、自身を特殊召喚します。守備表示」

妖精伝姫(フェアリーテイル)-シラユキ 効果モンスター
星4/光属性/魔法使い族/攻1850/守1000
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを裏側守備表示にする。
(2):このカードが墓地に存在する場合、自分の手札・フィールド・墓地からこのカード以外のカード7枚を除外して発動できる。このカードを墓地から特殊召喚する。
この効果は相手ターンでも発動できる。

「そして《セイント・ミネルバ》を対象に《シラユキ》の効果を発動。裏側守備表示にします」
「それは……まぁいいでござるか」
「では裏側守備表示にします。そして、《ラピスラズリ》をエクストラデッキに戻して、《次元誘爆》を発動します。お互いにゲームから除外されたモンスターを2体まで特殊召喚します。ぼくは《デス》と《プリーステス・オーム》です。それぞれ守備表示」
「拙者は《ジェムナイト・フュージョン》で除外した《オブシディア》だけでござるな」

次元誘爆(じげんゆうばく) 速攻魔法
自分フィールド上に表側表示で存在する融合モンスター1体を融合デッキに戻す事で発動する事ができる。
お互いにゲームから除外されているモンスターを2体まで選択し、それぞれのフィールド上に特殊召喚する

「そして、《デス》の効果を自身を対象に発動します。レベルを1下げて3にします」

BF(ブラックフェザー)弔風(とむらいかぜ)のデス チューナー/効果モンスター
星4/闇属性/鳥獣族/攻1000/守1000
「BF-弔風のデス」の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、自分フィールドの「BF」モンスター1体を対象とし、以下の効果から1つを選択して発動できる。
●対象のモンスターのレベルを1つ上げる。
●対象のモンスターのレベルを1つ下げる。
(2):このカードが墓地へ送られたターンのエンドフェイズに発動する。自分は1000ダメージを受ける。

「フィールドにはレベル8の《ジルコニア》、レベル5の《ナチュビ》、レベル4の《シラユキ》と《プリーステス・オーム》に、チューナーでレベル3の《デス》でござるか。どんなシンクロモンスターが出てくるか分からんでござるな。そもそもシンクロするでござるか?」
「シンクロはしますよ。ぼくは、レベル4の《シラユキ》とレベル5の《ナチュル・ビースト》に、レベル3になった《デス》をチューニング。《A BF-神立のオニマル》をシンクロ召喚します。更に、《オニマル》を対象に墓地の《レベル・スティーラー》の効果を発動します。《オニマル》のレベルを1下げて特殊召喚。守備表示」

(アサルト) BF(ブラックフェザー)神立(がんだち)のオニマル シンクロ/効果モンスター
星12/闇属性/鳥獣族/攻3000/守2000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
「A BF-神立のオニマル」の(3)の効果はデュエル中に1度しか使用できない。
(1):「BF」モンスターを素材としてS召喚したこのカードはチューナーとして扱う。
(2):このカードは効果では破壊されない。
(3):自分の墓地の「BF」モンスター1体を対象として発動できる。このカードのレベルはそのモンスターと同じになる。
(4):Sモンスターのみを素材としてS召喚したこのカードが攻撃する場合、
ダメージステップの間このカードの攻撃力は3000アップする。

レベル・スティーラー 効果モンスター
星1/闇属性/昆虫族/攻 600/守 0
(1):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、アドバンス召喚以外のためにはリリースできない。
(2):このカードが墓地に存在する場合、自分フィールドのレベル5以上のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターのレベルを1つ下げ、このカードを墓地から特殊召喚する。

「これは…………、2体目の《オニマル》はいりませんね。墓地の2体目の《スティーラー》も出しちゃいます。《オニマル》対象で、守備表示」
「んーむ、大丈夫でござるか?」
 稲紅は心配そうに眉をひそめた。
「はい?」
「レベルの高いモンスターを並べて、《スティーラー》を《プリーステス・オーム》を連続射出しようというのは無理でござるよ?」

プリーステス・オーム 効果モンスター
星4/闇属性/魔法使い族/攻1700/守1600
自分フィールド上に表側表示で存在する
闇属性モンスター1体を生け贄に捧げる事で、
相手ライフに800ポイントダメージを与える。

「大丈夫です。《スティーラー》はアドバンス召喚以外ではリリースできません。頭に入っています」
 夢値はゆっくり頷いた。
「その為に、《スティーラー》を2体入れましたから。……ぼくは、レベル1の《スティーラー》2体で、オーバーレイ。《ゴーストリック・デュラハン》をエクシーズ召喚します」
「闇属性のエクシーズ!確かにそれなら射出出来るでござる。だが、エクストラの数は有限でござる」
「エクストラデッキは有限でも、カードの可能性は無限です。ぼくは《デュラハン》をリリースして《プリーステス・オーム》の効果を発動します。相手に800ダメージ」
稲紅 LP6000→5200
「墓地の《スティーラー》2体を、《オニマル》のレベルを餌に再び特殊召喚します。そして、レベル1の《スティーラー》2体オ-バーレイ。2体目の《デュラハン》をエクシーズ召喚します。そして、《デュラハン》を《プリーステス・オーム》のコストでリリースして、800ダメージ」
稲紅 LP5200→4400
「ここで、墓地の1体目の《デュラハン》を対象に、2体目の《デュラハン》の効果を発動します」
「その手があったか!」
 稲紅は手を叩いた。
「1体目の《デュラハン》をエクストラデッキに戻します」

ゴーストリック・デュラハン エクシーズ/効果モンスター
ランク1/闇属性/悪魔族/攻1000/守 0
レベル1モンスター×2
このカードの攻撃力は、自分フィールド上の「ゴーストリック」と名のついたカードの数×200ポイントアップする。
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。選択したモンスターの攻撃力をターン終了時まで半分にする。
この効果は相手ターンでも発動できる。
また、このカードが墓地へ送られた場合、自分の墓地からこのカード以外の「ゴーストリック」と名のついたカード1枚を選択して手札に加える事ができる。

「《デュラハン》がエクストラデッキからフィールドに、そして墓地に送られれば、墓地のもう1体の《デュラハン》がエクストラデッキに戻ります。これを繰り返せるので、リリースするモンスターには困りません」
「ということは、《デュラハン》1体、つまり《スティーラー》2体、いやレベル2つにつき、800ダメージを与えられるということでござるな」
「そうです。《レベル・スティーラー》の対象に出来るのはレベル5以上のモンスターのみ。だからぼくは、《ジルコニア》と《オニマル》のレベルが4になるまでこれを繰り返すことが出来ます、……今の《オニマル》と《ジルコニア》のレベルは共に8。《スティーラー》が8体出せるので、《プリーステス・オーム》の効果を4回発動出来ます」
稲紅 LP4400→1200
「って足りないじゃない」
 樢は夢値のフィールドを見回すが、レベル5以上のモンスターはもういない。
「足りますよ。あと2回ですから。1回目、《オニマル》をリリースして《プリーステス・オーム》の効果を発動します。800ダメージ」
稲紅 LP1200→400
「そして2回目、《プリーステス・オーム》自身をリリースして《プリーステス・オーム》の効果を発動します」
「……ふむ」
 稲紅はゆっくりと目を閉じて小さく微笑んだ。
「対戦、感謝でござる」
「有り難う御座いました」
稲紅 LP400→-400 
 

 
後書き
約1ヶ月ぶりですね。遅筆。
男子三日会わざれば刮目して見よとは言いますが同じ作者が書いているのに設定がブレにブレるのはどうにかしたいところです。
取り敢えず一段落済んだので、次回は決闘はかなり軽くして、説明に文を割きたいと思います。
感想やミス、要件の無いほんの少しのコメントだけでも僕は喜びますので、何か感じる所があったら一言頂けるとありがたいです。
ではまた次回、いつになるか分かりませんが、お会いしましょう。 
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