クリスマスに鮫
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2部分:第二章
第二章
それでこの話を出すがだ。健太郎と花枝の返答は厳しかった。
「そんなの滅茶苦茶変わったケースだよ」
「普通はしないから」
「何だい、面白くないな」
「全くよね」
オスカーとマリーは日本人二人の言葉にまずは面白くない顔をした。
「そういうのも面白いのに」
「それがあくまで特別って」
「和食はクリスマスに合わないから」
「かなりね」
「けれどオーストラリアじゃこれが普通だから」
「食べてね」
ここではいささか強引に日本人二人に食べさせるのだった。その味は健太郎と花枝を認めさせるのに充分だった。そのオードブルとサラダを食べてだ。
バーベキューを食べる。赤ワインもだ。そのうえで四人で言い合うのだった。
「メリークリスマス」
「楽しいわね」
「バーベキューにワインも」
「中々いいわね」
オーストラリア人二人は屈託無く喜び日本人は珍しい顔をしてその組み合わせを味わっていた。ここでも対象的な状況だった。
だがそれでも四人共そのパーティーを楽しんでいたのだった。
そのクリスマスプティングもだった。
「美味しいね」
「そうね」
「そうだろ?美味しいだろ」
「とてもね」
「うん、それはね」
「いいわ」
美味しいものは素直に認める日本人二人だった。
「物凄く甘いけれど」
「それがかえってワインにも合って」
「いいね、これって」
「美味しいわ」
「よし、気に入ってもらったら何よりだよ」
「こちらも作ったかいがあるわ」
オスカーとマリーは二人のその言葉には満足した笑顔になる。
「それじゃあどんどんね」
「食べてね」
「うん、それじゃあ明日は」
「泳ぐのね」
「そうだよ。オーストラリアのクリスマスはお昼は泳ぐんだよ」
「その次の日はね」
そうするというのだった。まさに夏ならではであった。
それを話してからだ。二人は笑顔で健太郎と花枝に話した。
「明日は。ビーチでね」
「気持ちよく泳ぎましょう」
「クリスマスはダンスじゃなくてスイミング」
「何かそれもいいかしら」
二人も何となく納得してきたのだった。楽しめているのでそれでいいかと思いはじめたのである。何だかんだで楽しんでいる日本人二人だった。
その翌日だった。四人はそれぞれ水着姿でビーチに出る。まずはオスカーが健太郎を見て言う。二人はトランクスタイプの水着だ。オスカーは赤、健太郎は黒である。
「君って結構筋肉質なんだね」
「着やせする体質なんだよ」
「それでなんだ」
「そうだよ。陸上やってたし」
「そうなんだ。まあ僕はラグビーだけれど」
見ればオスカーの身体は大柄でそのうえ筋肉が目立つ。如何にもラグビーをしていたという身体つきだった。
「お互いかな」
「そうだね」
男二人はそんな話をする。そして女二人もだった。
「花枝のスタイルってね」
「ええと、胸がないから」
花枝は恥ずかしそうに言う。彼女は白いビキニでマリーはオーストラリアの国旗をモチーフにした派手な柄のビキニである。露出はマリーの方が多い。
その白いビキニから見える胸は確かに小さい。しかしマリーはその他の部分も見て話すのだった。
「だから。胸だけじゃないわよ」
「そうなの」
「ウエストだってお尻だって」
「そういうのも?」
「花枝ウエストもくびれてるしお尻の形もいいじゃない」
「けれど。マリーも」
とにかくマリーの巨大な胸が最初に目に入る。そしてそこから見るウエストもそのお尻もだ。花枝には見事なものにしか写らない。
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