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Blue Rose

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第六話 声も身体もその九

「それでもね」
「基本はね」
「生えないわね」
「寒いと結構生えるらしいけれど」 
 それでもというのだ。
「生えないわね」
「女の子は」
「じゃあ蓮見君はね」
「そのことでも女の子っぽい?」
「そうなる?」
「あまりね」
 どうにもと返した優花だった。
「僕としては嫌なことだけれどね」
「男の子の象徴だから」
「生やさないにしてもなのね」
「剃ってはおきたい」
「そういうことね」
「お髭を剃るのは面倒だと思うけれど」
 毎日剃る、そのことを頭に入れての言葉だ。
「けれどね」
「それでも剃りたい」
「男の子としてなのね」
「そう考えてるのね」
「そうなんだよ、それが生えないと」
 残念だと言う優花だった、そうしたことをクラスの女の子達と話してだった。
 龍馬にその字のことと髭のことを話すとだ、彼は笑って言った。
「あまり大したことじゃないな」
「どっちもだね」
「ああ、髭はな」 
 まずはこのことから言った彼だった。
「そのうち生えるし薄い方がな」
「剃らなくて済むってことだね」
「ああ、関羽みたいな髭はな」
 言わずと知れた三国時代の英雄である、かなりの大柄であり見事な髭を持っていて美髯公とさえ呼ばれていた。
「実際生やすと面倒らしいしな」
「手入れとかが」
「食事の時に料理に髭が入ったりするだろ」
「あっ、そうだね」
「長くてな」
 その髭がだ。
「その時は袋に入れてたらしいんだよ」
「そのお髭を」
「ああ、そうしていたんだよ」
「成程ね」
「そうでなくても髭って生やすと手入れが大変らしいんだよ」
「実は」
「それにやっぱり生やさないにしてもな」
 その場合でもというのだ。
「いつも剃らないといけないだろ」
「毎日ね」
「だから薄いとな」
「生えないにしても」
「それに越したことないだろ」
「龍馬はそう思うんだ」
「俺は生やすつもりはないからな」 
 だからだというのだ。
「そう思ってるんだよ」
「成程ね」
「それとな」
 さらに話す龍馬だった。
「字もな」
「そっちもだね」
「人それぞれだからな」
「女の子みたいな字もだね」
「別にいいだろ、相当下手な字でもない限りな」
 誰も読めない位のだ。
「いいだろ」
「そういうものだね」
「別に御前書道家とかにならないよな」
「うん、別にね」
 そうしたことにはとだ、優花も答えた。二人は今は学園の食堂で共に食事を摂っている。どちらもきつねうどんと親子丼を食べている。 
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