FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~
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こんなので大丈夫なの?
前書き
今週のFAIRYTAIL読んで思いましたが、ナインハルトが魔法以外ずいぶんと弱かったように感じたのは私だけでしょうか?
当小説だと彼はカマセになる確率がもっとも高い12のキャラかもしれません。
瞬殺するのは彼しかいないと思いますが。
次の日・・・
ソーサラーの取材を受けた次の日、俺たちはギルドへと帰って来たのだが・・・
「なんだか騒がしいね?」
「うん、どうしたのかな?」
ギルドの中が妙に騒がしい。いや、いつも騒がしいことに違いないんだけど、いつもとは違った騒がしさがある。これは一体・・・
「んん?」
じっと目を凝らしてみると、そこにはここ最近ギルドに顔を出していなかったナツさんと、評議院の人、そしてマスターが何やらお話ししているように見える。
「ナツさんが抱えてるあれ、何かな?」
俺の隣にいる少女が不思議そうに首をかしげる。言われてから気付いたけど、確かにナツさんの腕の中には黒い毛で覆われた、動物のような生物がいる。
「犬・・・ではないよね?」
「うん。なんだろうあれ」
あまりにも見たことが無さすぎてかなり不信感を持っている俺とウェンディ。エクシードって訳でもないよね、何か魔物とかなのかな?
「エルザさん」
気になって仕方なかったので、丁度近くにいたエルザさんに話しかける。すると、彼女は俺たちの方を見るなり、いきなり両脇に抱え込んでくる。
「な!?え!?」
「え・・・エルザさん!?」
まるで荷物を持つかのように軽々と持たれた俺とウェンディは目を白黒させている。俺たちを抱えた緋色の女性は、ナツさんとルーシィさんの前へと歩いていく。
「私たちも行こう、もちろんグレイもだ」
「俺もかよ!?」
何の脈絡もなくそう言うエルザさん。隣にいるグレイさんが驚いた顔をしているが、果たしてどこに行こうとしてるんだ?
「エルザも?」
「楽しそうじゃないか」
笑みを浮かべながらルーシィさんに答えるエルザさん。ただ、両脇に抱えられている俺たちはそれどころではない。
「あの、ちょっと・・・」
「どこに行くんですか!?」
ギルドに帰ってきたばかりだったので何の話をしているのかさっぱりわからない。
「ちょっと待ちなさいよ」
「みんなストーップ!!」
それを見ていたシャルルとセシリーが待ったをかける。それに気づいたエルザさんたちはゆっくりとそちらに向き直る。
「留学でしょ?何日間も連れ回すのは困るわ」
俺たちが捕まっていた間に近くにいるギルドの仲間から話を聞いていたシャルルとセシリー。何でも大魔闘演武で活躍したギルド間で交換留学生として各ギルドを見て見聞を広めてほしいといった意見が評議院から来たらしい。それで、そのメンバーにここにいる俺たちが行こうとしているようだ。
「なんでだ?」
なぜシャルルがそう言うのかわからないエルザさん。それに対して俺とウェンディが答える。
「実は今度蛇姫の鱗のラウルを連れてエクシードの村に行こうと思ってまして」
「できるだけ早い時期にいっておきたいなぁ、と」
昨日の取材の時に話していたことをそのまま伝える。細かい日付は決まってないけど、留学生として出掛けていると日程を合わせにくくなる。それに、もしかしたらレオンたちがこっちに来るかもしれないし、すれ違いは避けておきたいのだ。
「そうなんだ。そういうことなら、今回はいいんじゃない?」
「そ・・・そうだな。みんなでいけば楽しいと思ったんだが・・・」
諭すようにいうルーシィさんと残念そうに俺たちを地面へと降ろすエルザさん。彼女があまりにも項垂れていて、なんだか申し訳ない気分になってくるから不思議だ。
「お前たち・・・遊びにいくんじゃないんだぞ」
「当たり前だ!!じっちゃん、大丈夫だって!!」
留学にいくメンバーであるナツさんがマスターに自信満々な表情でそう言う。その隣にいるルーシィさんは、口にこそ出してはいないが、どこか不安そうに肩をすくめている。
「じゃあ、ここに名前の記載を。詳しくは後日、連絡がありますので」
カエルのような格好をした評議院の人がペンとボードに乘せられた紙をナツさんたちに手渡す。それに今回の参加者であるナツさん、ルーシィさん、グレイさん、エルザさん、ハッピーが順々に名前を書いていく。
「そういえば、あの黒いの、結局何なのかな?」
「ん?なんか違和感があるような・・・」
ナツさんの頭に乗っている黒い生き物。彼はケモケモと名付けられたらしいのだが、今こうしている間にも少しずつ大きくなっているように見える。それが何なのか、誰もわからなかったので留学先で聞いて回ると息巻いているナツさん。なんだかいつも通り、たくさん問題を起こしてくる様が想像できた俺たちは、少しため息をもらしたのだった。
交換留学一回目・・・
あれからしばらくして、評議院から詳しい日程やらが回ってきた結果、今日から大魔闘演武本戦出場ギルドによる交換留学が開始されることになった。それに伴いうちから参加することとなったナツさんたちは早々に留学先であるギルドへと向かっている。
「今日はどこのギルドが来るんだっけ?」
ギルドのテーブルでボーッとしていると、正面に座りながら質問するウェンディ。続けて彼女の隣にシャルルがやって来て、俺の隣にはいつの間にかセシリーが座っている。
「う~んと・・・」
必死に記憶を掘り起こしてみる。今日来るギルドは確か・・・
「はい、これに載ってるわよ」
うんうんと唸っていると、テーブルにミラさんが今回の留学についてのパンフレットとコーヒーを置く。
「あれ?ウェンディコーヒーなんか飲むの?」
「え?シリルじゃないの?」
留学にやって来るギルドの話をしていたのに、最初に出てきた言葉はテーブルの上に置かれたコーヒーについてだった。俺は注文していないからてっきりウェンディが頼んだんだと思ったのに、それもあっさり否定されてしまう。
「まさかシャルルとセシリーが?」
「そんなわけないでしょ」
「うんうん」
あるわけないと思いながらも念のため二人にも聞いてみる。しかし、案の定二人でもないみたいだ。
「ミラさん、俺たちコーヒーなんか頼んでないですよ?」
きっと誰かと間違って俺たちのテーブルの上に置いたのだろう。そう思い彼女に伝えると、ミラさんはニッコリ微笑みながら口を開く。
「シリル、一時間くらいボーッとしてたから、目覚めるようにと思って」
「え!?シリルあの状態で一時間も座ってたの!?」
彼女たちが何を言っているのかわからず、ギルドの時計で現在時刻を確認する。それを見る限り、確かに俺がここに座ってから、軽く一時間はオーバーしている。
「うおっ!!いつの間に!?」
ウェンディがいつ来るかなぁ、と思い頬杖を付いて待っていたのだが、ボケッとしていたせいで時間が過ぎていることに気づかなかった。てかもうすぐ留学しに来る人たちが来る時間じゃないの!?俺どんだけボーッとしてたんだよ!!
「あんた・・・ウェンディいないと色々ダメかもね」
「シリルらしいといえばらしいけどね~」
呆れたようなシャルルと笑いを堪えているセシリー。なんかナツさんたちがいないから気が抜けてるのかな?いつもはあの人たちが大騒ぎしてるから、ボーッとしてる暇なんかないんだよね。
「ここにギルドを回る順番と、留学に来る人たちの名前が載ってるから」
「「ありがとうございます」」
そういってパンフレットのページをめくるミラさん。俺たちがお礼を言うと、彼女はカウンターへと足早に帰っていく。
「今日はどのギルドが来るの?」
「えーっと・・・」
コーヒーを一口啜りながら表になっているページを指でなぞっていく。
「う・・・苦い・・・」
ウェンディに大人なところを見せようとブラックで飲んでみたが、さすがに美味しくなくて砂糖とミルクを加えていく。最初の真っ黒からカフェオレのようになったコーヒーを一口含みながら、パンフレットへと目を落とす。
「あ!!今日は青い天馬が来るんだ!!」
ウェンディがある場所を指さしながらそう言う。交換留学生制度とあって、ローテーションで回していくのではなく、一日ごとにギルド同士で留学生を交換していく形のようだ。
ちなみに順番としてはこんな感じになっている。
一回目
妖精の尻尾⇔青い天馬
蛇姫の鱗⇔人魚の踵
四つ首の番犬⇔剣咬の虎
二回目
妖精の尻尾⇔蛇姫の鱗
青い天馬⇔四つ首の番犬
人魚の踵⇔剣咬の虎
三回目
妖精の尻尾⇔人魚の踵
蛇姫の鱗⇔四つ首の番犬
青い天馬⇔剣咬の虎
四回目
妖精の尻尾⇔四つ首の番犬
剣咬の虎⇔蛇姫の鱗
人魚の踵⇔青い天馬
五回目
妖精の尻尾⇔剣咬の虎
人魚の踵⇔四つ首の番犬
蛇姫の鱗⇔青い天馬
となっている。
「青い天馬か・・・誰が来るかな?」
「タクトさんかな?若手だし」
青い天馬は一夜さんやタクトさんがいるギルド。美男美女揃いのギルドと言われているだけあって、大魔闘演武に参加していた皆さんは異性から黄色い声援を送られていた。
でも大魔闘演武に出てた人たちは皆さん前からいるベテランの人たち。唯一タクトさんだけが初出場ということだったから、知り合いで来るとしたらあの人ぐらいじゃないかな?
「あら、留学生にタクトの名前がないわよ?」
「ほんとだ~!!」
すると、パンフレットのページをめくっていたシャルルとセシリーがそう言う。俺たちもそのページを覗き込んでみると、そこには各ギルドの交換留学生たちの名前が記入されていた。
「あれ?本当だ」
「タクトさんもイヴさんたちもいないね」
確かに参加者の名前にタクトさんたちの名前がない。でも、よく考えたらあの人たちはギルドの主軸なのだから、受けなければならない依頼もあるだろうし、仕方ないことなのかもしれないな。
そんな感じでしゃべっていると、ギルドの扉が開かれる。そちらに視線を向けると、そこにはマスターと、後ろにスーツやドレスに身を包んだ見た目麗しい少年少女たちがいる。
「ここがギルドじゃ」
「「「「オオッ!!」」」」
ギルドの中を物珍しそうに見回している四人の少年少女たち。といっても、全員俺やウェンディよりも少し年上のように見える。たぶん・・・15、16 といったところだろうか?
「あれが天馬の留学生たちってこと?」
「だと思うよ」
チラチラと説明しているマスターの方を見ている。四人ともうちのギルドでは絶対に着る人がいない服装をしている。青い天馬は皆さん普段からキリッとしたものを着ているし、彼らが今回の留学生たちで間違えないだろう。
「オッ!!あの紫のドレスの子、可愛いじゃねぇか」
「さすが天馬!!レベルが高いねぇ」
四人の方を見ながら何やら下心ありありの会話をしているのはマカオさんとワカバさん。彼らは昼間からお酒を煽っており、天馬からやって来た女の子を見て鼻の下を伸ばしている。
「父ちゃんもワカバおじさんも、今日ぐらい酒は控えときなよ」
ほろ酔い気味の二人を見て呆れているのはマカオさんの息子であるロメオ。彼は父がだらしないからなのか、しっかりもののお兄さんタイプといった感じの人物である。
「まぁギルドの説明はこんなもんかのぉ。あとは・・・」
一通りギルドの説明をし終わったマスター。彼は次に留学生たちに何か妖精の尻尾でしか経験できないことをやってもらおうと思っているらしく、何をしようか考えている。
「ねぇあんたら、誰がお酒飲める子いないの?」
マスターが目を離した隙に天馬の人たちに絡んでいる人がいる。
「うわ・・・カナさんもう出来上がってるよ」
「今日も朝からずっと飲んでたもんね」
一人の少年と少女の首に腕を回し、誰かお酒の相手を探しているカナさん。すると、一人の少年が彼女の手を取る。
「お酒でしたら、俺がお相手しますよ」
ヒビキさんやイヴさんを思わせるような手の取り方をする男の子。たぶん四人の中でリーダー格だと思われるその少年が、絡まれている仲間を助けるために名乗りを挙げたように思われる。
「お!!いいねぇ!!じゃあ向こうで飲もう飲もう!!」
「えぇ。是非お願いします」
爽やかスマイルを浮かべながらカウンターへと向かう少年と、彼に手を引かれエスコートされているカナさん。せっかくギルドに来てくれたのに、お酒の相手をしてもらうだけなんて、大丈夫なのかな?
「ねぇお嬢ちゃん、こっちで一緒に飲もうぜ」
「えぇ!?」
すると、カナさんを真似してなのか、ワカバさんが一人の少女に声をかける。
「ど・・・どうしよう・・・」
「俺も一緒に行くから、相手してあげようよ」
不安そうな顔をしている少女に対し、先程カナさんに絡まれていた男の子がそう声をかけている。
「自分もご一緒していいですか?」
「オオッ!!その子が来るなら構わねぇよ!!」
「父ちゃん・・・」
明らかに何かをする気満々のマカオさんを見てため息が止まらないロメオ。心を強く持つんだ、ロメオ。
「ほら、行こッ」
「う・・・うん」
まだ不安な気持ちを取り除けてはいないが、仲間がいてくれるならとワカバさんたちの誘いに乗る天馬の女の子。あの人たちも留学生たちに気を遣わせないであげてくださいよ、お客さんなんだから。
「ね・・・ねぇ・・・」
天馬の人たちに対していたたまれない気持ちになっていると、横から聞き覚えのない少女の声が聞こえる。そこには、天馬からの留学生の一人である女の子が立っていた。
「シリルちゃんだよね、大魔闘演武に出てた」
「はい、そうですけど・・・」
ちゃん付けには少々疑問を感じたが、間違ってはいないのでコクリッとうなずく。すると、少女はキラキラとした目で俺の手を掴む。
「すごい!!本物だ!!」
「えぇ!?」
むしろ俺の偽物なんかいるのだろうか・・・いや、それは今は重要じゃないから気にしないでおくか。
「前からずっと、ずぅっと会いたかったんです!!」
「そ・・・そうなんですか?」
すごい勢いで迫ってくる少女にタジタジである。しかも後ろからはウェンディの視線を感じるし、俺は一体どうしたらいいんだろうか・・・
「質問したいことがあるんだけど、いい?」
「ど・・・どうぞ」
詰め寄ってくるように向かってくる少女。それを見て俺は一歩引きつつ質問を待つ。
「レオンくんにボコボコにされてる時、どんな気持ちだった!?」
「「「「!?」」」」
笑顔でとんでもない質問をぶちこんでくる少女。それを聞いた俺やウェンディは思わず固まってしまった。だって・・・普通やられてる時の気持ちを聞いてくる?聞かないよね?相手のことを考えたら絶対そんな質問できないよね?
俺が言葉に詰まっているその間も、ワクワクしながら解答を待っている女の子。すごい・・・純粋って怖い・・・
「あの・・・そんな質問されたら誰でも困っちゃうんですけど」
見かねたウェンディが助け船を出してくれる。すると、今度は少女の意識がウェンディに向けられる。
「もしかしてウェンディちゃんですか?」
「え?は・・・はい」
「すごい!!こっちも本物だ!!」
握っていた俺の手を離し、ウェンディの手を握る少女。今気づいたけど、この子ミーハーなだけなんじゃないかな?
「あの・・・質問いい?」
「ど・・・どうぞ・・・」
俺の質問の答えも聞いていないのに、ウェンディへの質問へと切り替える女の子。俺としてもさっきの質問は答えにくかったから、いいといえばいいんだけどね。
「ウェンディちゃんって、レズなの!?」
「えぇ!?」
「ブホッ!!」
想定していなかった質問に驚くウェンディと吹き出す俺。一体どこをどう解釈したらそうなるんだ!?
「な・・・なんでですか?」
堪らずその質問の意味を聞くウェンディ。すると、少女は首を傾げた後にこう答えた。
「だって・・・シリルちゃんのことを好きってイヴさんから聞いたから」
「おい!!なんで俺のことを好きだとレズになるんですか!?」
てかイヴさんもどこでその情報を仕入れたんだ!?そんな素振りはあの人に見せた記憶がないのだが・・・
「シリルちゃんは女の子だから?」
「いや俺男だし!!」
「えぇぇぇぇぇぇぇ!?」
なんと俺の性別を完全に勘違いしていた女の子。俺の本当の性別を聞いた途端、彼女は目が飛び出るのではないかと言うほど驚いている。
「ウソ!!そんなに小さいのに!?」
「小さいは余計ですよ!!」
確かに俺は背が少し・・・ほんの少しだけ小さい。でも、ロメオも同じくらいだし、別段気にするほどでもないと思っていた。それなのに、まさか見ず知らずの女の子からそんなことを言われる日が来ようとは・・・
「見た目なんか完全に女の子じゃん!!」
「これから男っぽくなります!!」
「そこは否定しないんだね」
レオンだって昔は女の子っぽかったらしいけど、今では美少年系の男の子になっている。俺だっていずれああなるはずだ!!・・・たぶん。
「でもでも、マーメイドのソフィアちゃんにゴスロリにされたときなんか普通に戦ってたじゃん!!」
「あれは元の服に戻すためだからいいの!!」
心の傷を抉ろうとしているのか、嫌な記憶さえも思い出させてくる女の子。本当に何なのこの子。
「シリルのゴスロリ・・・」
それを聞いたウェンディが何やら妄想している。どうしよう・・・突っ込みが追い付かない・・・
「じゃあさ、じゃあさ・・・」
その後も次々に質問をぶつけてくる女の子。それに対し俺とウェンディは突っ込みを入れたり、忘れていた記憶を掘り起こされて心にダメージを負いながら答えていく。
そして、ついに留学の時間が終わりに告げる。
「今日は一日、ありがとうございました」
「「「ありがとうございました!!」」」
カナさんとお酒を飲んでいた男の子がフラフラしながら頭を下げると、他の子達も同じように頭を下げる。
「どうじゃ?楽しかったか?」
「えぇ・・・まぁ・・・」
マスターの問いに対して少々顔をひきつらせながら答えるリーダー格の男の子。よく見ると顔が来たときより白くなっている気がする。お酒飲ませ過ぎて気持ち悪くなってるのかも・・・
「次の留学先でも、頑張るんじゃぞ」
「ありがとうございます」
ペコリと一礼してギルドを後にする四つの影。だが、それを見送る気力が俺には残されていない。
「あんたたち・・・大丈夫?」
「はい、お水~」
机に突っ伏している俺とウェンディの前にお水の入ったコップを置くセシリー。俺たちはそれを少し口に含み、今日質問攻めをしてきた女の子のことを思い出している。
「あの子・・・次のギルドでも同じことするのかな?」
「たぶん・・・そうなんじゃないかな?」
知りたいことは何でも聞いてくるのはいいのだが、いかんせん遠慮と言うものを知らない様子の女の子。しかも、個人的な質問ばかりでギルドについての質問が一切なく、留学している意味をあまり感じ取ることができなかった。
他の子たちもカナさんやマカオさんのお酒の相手をさせられて、妖精の尻尾がどんなギルドなのか、知る余地がなかったように思う。こんなので大丈夫なのかな?今回の留学・・・
後書き
いかがだったでしょうか。
ケモケモのストーリーではウェンディが居残り組でしたので、この小説ではそちら側の視点でストーリーを進めていこうと思います。
次は蛇姫の鱗がやって来ます。もちろんあの三人も来る予定です。
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