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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦艦ナデシコ
  1290話

 サツキミドリ2号が木星蜥蜴に襲撃された翌日、俺の姿は再び宇宙空間にあった。
 勿論生身ではなく、ミロンガ改に乗ってだ。
 何故こんな真似をしているのかと言えば……

「ナデシコ、アクセルだ。破壊されたサツキミドリ2号の部品と思しき物を発見した。どうする?」
『えっと、ちょっと待って下さいね』

 映像モニタに映し出されたメグミがそう告げ、艦長へと視線を向けているのが分かる。

『サツキミドリ2号まで持ってこれるようなら持ってきて下さい』
『はい。……との事です。聞こえました?』
「ああ、分かった。どこに持っていけばいいのかデータを送ってくれ」
『えっと……ここにお願いします』

 メグミから送られてきたデータに頷き、俺はミロンガ改でサツキミドリ2号の破片を持って移動を開始する。
 昨日の襲撃で、サツキミドリ2号の崩壊は免れた。
 だが、決してコロニーそのものが無傷だったという訳ではないし、死者が皆無という訳でもない。
 いや、寧ろ損傷したという意味ではコロニーにかなりのダメージがあったのも事実だ。
 そして、バッタの攻撃によりサツキミドリ2号の部品がこうして宇宙空間に流れてしまっていた。
 これが、もうどうしようもない部品であるならともかく、まだ使える部品であったり、あるいは中に何らかの補充物資が入っているようなコンテナだったりもする。
 それを集めるというのが、今回ナデシコが……より正確にはプロスペクターが請け負った仕事だった。
 勿論プロスペクターが請け負った仕事である以上、無料でこんな真似をしている訳ではない。恩を売る的な意味で、かなり譲歩してはいるって話だが。
 今回のサツキミドリ2号防衛戦で消耗した各種補給物資、更にはそれ以上の補給物資を格安でサツキミドリ2号から買い付ける事に成功したんだとか何とか。
 まぁ、本人に聞いた訳じゃなくてハルカから聞いた噂話だけどな。
 実際にどうなのか、真相は闇の中と言ってもいい。
 ただ、プロスペクターの性格を考えれば普通にありそうではある。

「っと、あそこだな」

 メグミから送られてきたデータに従い、ミロンガ改の持っているパーツを目的地へと運び込む。

「こちらナデシコ所属のアクセル・アルマーだ。話は聞いているか?」

 運び込んだ先にいた人員に声を掛けると、すぐに通信が返ってきた。

『ああ、話は聞いてる。こっちに持ってきてくれ』

 そう告げ、無重力空間を移動していく男の後を追う。
 指示された場所へとミロンガ改の持っているパーツを置くと、すぐにまた宇宙空間へと向かう。
 昨日の襲撃で、サツキミドリ2号にも何人もの死者は出た。
 だが、それでも戦闘の規模を考えると、死者の数は大分少なく済んでいる。
 勿論自分の身内や友人、知り合いが死んでしまった人物にとっては最悪の状況だと言ってもいいだろうが、それでもサツキミドリ2号が崩壊するよりはマシなのだろう。
 今頃サツキミドリ2号では葬式とかで色々と忙しくなっていたりするんだろうな。
 明るい表情を浮かべている者の数も多い。
 今俺と話していた男も、その辺は同様らしい。
 暗い表情を浮かべてはいなかった。……まぁ、明るい表情を浮かべていた訳でもなかったが。

「さて、じゃあ次だな。……もう少しいい物があればいいんだが」

 単純に物を運ぶという意味では、やはりエステバリスよりも3倍近い大きさのミロンガ改の方が有利だ。
 だからこそ、ナデシコの方でもこっちに期待をしているんだろうけど。
 宇宙空間で何かないのかを探していると、こっちに向かって移動してくるコンテナを発見する。
 へぇ、コンテナか。これは当たりだな。
 そう考え、再びナデシコの方へと通信を送るのだった。





「あー……労働の後の一杯は美味いな」

 そう告げ、コップに注がれた飲み物を口へと運ぶ。
 勿論これは冷たいウーロン茶であり、アルコールの類ではない。
 俺がアルコールを飲めばどうなるのかは自分自身で一番よく分かっているんだから、それを繰り返すような真似をしないのは当然だろう。
 宇宙空間に漂っていたサツキミドリ2号のパーツやらコンテナやらを運び込む仕事を終えた俺は、当然のようにナデシコ食堂へとやってきていた。

「随分と疲れてるみたいだな。ほら、これ。奢り」

 テンカワが近くへとやって来ると、フライドポテトを俺の目の前に置く。

「……何でフライドポテト? いや、ありがたいけど」

 もしかして、テンカワは俺が飲んでるのがビールに見えたのか? そう考えれば、フライドポテトを持ってきたのにも何となく理由が分かる。
 だが、テンカワは難しい表情を浮かべて言葉を続ける。

「いや、実は味見して欲しくて。何でもサツキミドリ2号には物凄くフライドポテトが美味いハンバーガー屋があるらしいんだよ。……肝心のハンバーガーはいまいちだって話だけど」

 どことなく覚えのある話に、フライドポテトへと伸ばした手を止める。

「その話、誰から聞いたんだ?」

 もしかしてハルカかルリか? そう思った俺の疑問だったが、テンカワは視線を食堂の中にある一画へ向けた。
 その視線を追うと、そこでは整備員の男達が何やら食べながら話をしているのが分かる。
 へぇ、俺達以外にもあそこに行った奴がいたんだな。
 もしかして、あのファーストフード店はそれなりに有名な店なのか?
 確かに本来ならメインである筈のハンバーガーが不味いのに、フライドメニューを始めとするサイドメニューは美味い店だ。……まぁ、サイドメニューにも不味いのは何個かあったけど。
 話の種になるには事欠かない店ではある。

「じゃあ、ちょっと食べてみるか」

 改めてフライドポテトを手に取り、口の中へと運ぶ。
 外はカリッと揚げられており、中はホクホクなジャガイモの食感。
 味付けはシンプルに塩だけだが、それは以前食べたファーストフード店でも同じだった。

「うん、美味い。美味いんだけど……あの店には及ばないな」
「そっかぁ……うん? アクセルもその店で食べた事があるのか?」
「ああ、ハルカやルリと一緒にサツキミドリ2号の観光に行った時にな」
「……ふーん。エリナさんは置いてか」

 そう呟くテンカワの視線は若干据わっているように見える。
 まぁ、エリナに好意を抱いているテンカワだ。今の俺とエリナのギクシャクした関係を見れば、何か勘ぐってもおかしくはない。
 しかもその勘ぐりが間違っていないのだから、俺の口から言い訳する事も出来なかった。

「ハルカやルリと出掛けるのは前もって約束してたからな。そっちを優先するのは当然だろ? ルリも結構楽しんでたみたいだし。……だよな?」

 テンカワと話している途中で尋ねたのは、丁度食券を手にしてこっちに近づいてきていたルリだった。
 ハルカの教育のおかげか、ファーストフードだけじゃなくてきちんと食堂で料理を食べるようになっているんだな。

「あ、ルリちゃん。今日は何を食べるの?」

 テンカワも、ルリの前でエリナに関して俺と言い争いたくはなかったらしく、話を変えるべくルリの方へと話し掛ける。

「今日は醤油ラーメンです」
「えっと、また今日もラーメンなの? ラーメンの種類は違うみたいだけど」
「いつも同じラーメンばかりでは何なので。ラーメン以外にも蕎麦、パスタ、素麺といったものもあるみたいなので、暫くはメニューに困りませんね」
「いやいや、麺類以外の物も食べようよ。……ともあれ、今日は醤油ラーメンだね」
「はい。……アクセルさん、一緒に座ってもいいですか?」
「うん? まぁ、俺は構わないが」

 初対面の時にあった、ルリの俺に対する嫌悪感は完全に払拭された……という訳ではないのだろう。
 今もこうして俺を見る目には、どことなく敵意のようなものが見え隠れしているような気がするし。
 それでいながら、完全に嫌っている訳ではないというのも事実だ。
 何と言うか、嫌いながら好意を抱いている?
 もっとも、それでもやっぱり好意の方が少ないのは事実だが。

「ああ、そうだ。ルリもこのフライドポテトを食ってみてくれ。以前にハルカと一緒に行った店のフライドポテトを超えるという目的で作られたらしいぞ」
「……ああ、あの時の。では、少しだけいただきます」

 そう告げ、ルリはフライドポテトへと手を伸ばす。
 1本のフライドポテトを手に取ると、そのまま口へと運ぶ。
 数口、ゆっくりと味わってから飲み込み……期待の視線を向けているテンカワに向かって口を開く。

「美味しいです。ですが、あのお店のフライドポテトにはまだ及びません」
「そっかぁ……ホウメイさんと頑張って作ったんだけどなぁ。どこが違うんだろうな。ま、取りあえず失敗作ではあっても、そんなに不味いって事はないと思うから食べてくれよ。ルリちゃんの醤油ラーメンはすぐに持ってくるから」

 そう言いながら厨房へと戻っていくテンカワを見送ると、そこに残るのは俺とルリだけとなる。

『……』

 お互いが無言で相手へと視線を向ける。
 何だか、あまり好ましくない沈黙が周囲に満ちているが……俺とルリの間で話題って言ってもな。
 そんな風に考えていると、意外な事にルリが口を開く。

「ハルカさんと最近仲がいいようですけど……」
「うん? あー……そうだな。仲がいいか悪いかって言われれば、いいって答えるしかないだろうな」

 どちらかと言えば、ハルカに攻められているってのが正しいところなんだろうが。
 俺としては戸惑っているというのが正しいところだ。
 いや、ハルカに好意を抱いているかどうかと言われれば、即座にイエスと答えるのは間違いない。
 ただ、それでも……うーん、やっぱりクリスマスの夜の件が関係してるんだろうな。
 同じように俺に抱かれたエリナとはどこかギクシャクした雰囲気のままなんだが、ハルカの方は何故かあの夜以来好意を明確に表に出すようになっていた。

「羨ましいです。ハルカさんはブリッジでも最近アクセルさんの事を多く話していますし」

 そう言ってジト目を向けてくるルリ。
 うん? これってもしかして嫉妬か?
 勿論俺がハルカに取られると思って……ではなく、ハルカが俺に取られると思っての嫉妬。
 ハルカはよくルリの面倒を見る事が多い。
 元々世話好きだってのもあるんだろうが、母性本能が強いというのもあるんだろう。
 それだけにハルカが俺の話題を出すというのは……例えが悪いが、子供が親を取られたような代物なのか? あるいは、弟か妹が出来て放っておかれるようになってしまった子供とか。

「……何ですか?」
「いや、何でもない。それより、最近のハルカはブリッジでどんな感じなんだ?」
「気になるのなら、直接来てみては? その方がハルカさんも喜ぶでしょうし」
「そうだな、それも面白そうではあるけど……」

 副操舵士でもあるエリナもいたりするから、その辺を考えるとちょっと気まずいってのがある。
 俺もそうだけど、特に向こうが。

「はい、醤油ラーメンお待ち」

 テンカワが持ってきたラーメンを、ルリの前に置く。
 途端に広がるのは魚介系醤油スープの香り。
 ラーメンって材料的にそんなに高価な食材は使わないけど、その分色んな材料を使うから、ナデシコみたいな戦艦の食堂では色々と難しいメニューな気がするんだけどな。
 あ、でもスープとかを前もって大量に作って冷凍しておくとか? ……自分の仕事にこだわりを持っているホウメイがそんな真似をするとはちょっと思えないが。
 個人的には醤油ラーメンよりも味噌ラーメンとか豚骨ラーメンの方が好きだったりする。ジャージャー麺とか汁なし担々麺のような油そば系等も好きだし、冷やし中華も捨てがたい。……冷やし中華って実は日本で生まれた料理なんだよな。
 少し変わり種として、以前円が作ってくれたスープカレーを使ったカレーラーメンも結構美味かった。

「美味しいです」

 半熟の煮卵やメンマ、チャーシュー、刻みネギ。……うん、確かにルリの言う通り美味そうだ。
 というか、こうして見ていたら俺もラーメンが食いたくなってきた。

「テンカワ、俺にもラーメン。味は味噌で。今食券買ってくるから」
「待った、アクセル」
「……うん?」

 早速食券を買いに行こうとした俺に、テンカワが待ったを掛ける。

「どうしたんだ?」
「もし良ければさ、俺が作ったラーメンを食べてくれないか? それなら試食って事だし、無料でいいから」
「テンカワの?」

 一瞬迷う。
 確かに無料でラーメンを食べる事が出来るってのは嬉しいが、テンカワの料理人としての腕がどれくらいの物なのか分からない為だ。
 ホウメイの弟子的な扱いなので、当然ホウメイよりは下だろう。
 フライドポテトを食べた限りだと、そんなに腕は悪くないように思える。
 だが、それでも……うーん……
 迷ったのは数秒。
 やがて意を決して俺はテンカワに頷く。

「分かった、頼む」
「あいよ。ちょっと待っててくれ」

 そう言いながら厨房へと戻っていくテンカワ。

「物好きですね。普通に頼めば美味しい料理を食べられるのに」

 スープを飲みながらそう告げるルリに、小さく肩を竦める。

「折角食べさせてくれるって言うんだし、いいだろ? 俺の意見で多少なりともテンカワの腕が上がれば、この先ナデシコの食堂の忙しさも少しは緩和されるだろうし」

 そう言うと、ルリはそれ以上何も言わずにラーメンへと集中する。
 そして10分もしないうちにテンカワが味噌ラーメンを持ってきて……俺の口から60点という数字が出るのは、そう遠くない未来だった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188 
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