転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1289話
前書き
午後8時に番外編を投稿予定です。
チューリップとカトンボの動きを止めてサツキミドリ2号へと戻ってきた俺が見たのは、サツキミドリ2号が崩壊している光景……などという悲劇的な代物ではなく、普通に宇宙空間に浮かんでいるサツキミドリ2号の姿だった。
勿論完全に無傷という訳ではない。
バッタの攻撃により被害を受けたと思われる場所は何ヶ所もあり、サツキミドリ2号の多くの場所からは煙が上がっているのが見える。
それでも全体的に見れば損傷軽微と言ってもいいような状況であるのは間違いない。
『アクセルさん、こっちに戻ってきたという事はチューリップとカトンボの方は……』
通信可能範囲に入った為だろう。通信オペレーターのメグミから通信が入る。
「ああ、無力化してきた。チューリップの巨大さにミロンガ改だけで撃破という風には出来なかったが、それでもチューリップはもう動けない状態になっている。カトンボの方は中破って感じだな。回収して研究するのなら今だぞ」
『分かりました、その辺はサツキミドリ2号の方に連絡しておきます。アクセルさん、ご苦労様でした』
メグミに変わって通信に映し出された艦長が、笑みを浮かべてそう告げてくる。
何だか妙にご機嫌だな?
まぁ、サツキミドリ2号が崩壊したりしなかったのは艦長にとっても良かったって事なんだろう。
それとも、テンカワが活躍したのか?
……寧ろそっちの方が可能性が高いな。
「サツキミドリ2号の方はもういいんだな?」
『はい、襲撃して来た木星蜥蜴は全て撃破しました。……戦闘の途中で多少の混乱はありましたが、それでも今は特に問題ありません』
多少の混乱?
何か特別な出来事でもあったのか?
疑問に思ったが、その辺は格納庫に戻ってから聞けばいいか。艦長を含めてブリッジメンバーは色々と忙しいんだろうし。
「分かった、なら俺は格納庫に戻る。……これからどうするのかを聞いてもいいか?」
『このまま出発……という訳にはいかないですね。さっきの戦闘でミサイルとかも使ってしまいましたし、エステバリスの方の消耗品を補給したりする必要もありますから』
だろうな。折角サツキミドリ2号があるんだから、この戦闘で消耗した各種部品を補充するのは必須だろう。
「分かった。ミロンガ改のミサイルも消耗してるから、そっちも頼む」
それだけを告げ、俺はナデシコに外付けされているコンテナへと向かう。
そのままコンテナの中にミロンガ改を着地させ、コンテナの扉を閉じる。
……こうして見ると、今回のサツキミドリ2号攻防戦でのナデシコの被害は特になかったように見える。
ディストーションフィールドのおかげだろうな。
もし何かあったとすれば、コンテナが真っ先に破壊されてもおかしくないだろうし。
何しろ、ミロンガ改用のコンテナは後付けだ。どうしてもナデシコが作られた時の他のパーツと比べると脆いのは避けられない。
そのコンテナが無事なんだから、ナデシコの被害を心配する必要はないだろう。
無重力の中だけに、乗降ワイヤーを使わずコックピットを飛び出る。
そのままナデシコへと繋がる通路へと向かい、機密確保の為に二重になっている扉からナデシコの格納庫へと向かう。
そうして到着した俺が見たのは、軽い損傷はあれど中破以上の損傷はないエステバリスが5機。
つまり……
「全員無事だった訳か」
ウリバタケと何かを話しているリョーコへと声を掛ける。
「ま、何とかな。ヤマダの野郎がこっちの指示を聞くようになったってのが大きかったな」
俺の存在に気が付いていたのか、特に驚いた様子もなくそう言葉を返してくる様子は、酷く満足そうだ。
……いや、当然か。サツキミドリ2号にいる間、最初にやった模擬戦では俺に惨敗。その後で生身での手合わせをしたものの、こちらも惨敗。
色々な意味で自信をなくしそうになっていたところで、今回のサツキミドリ2号への襲撃だ。
今回の戦いは、エステバリス隊の自信を取り戻すという意味では最善の結果だったのだろう。
「ヤマダが大人しく指示を聞く、か。やっぱりそれは……」
「ああ。あのメグミとかって女のおかげだろうな。正直、今回は敵の数が多かった割りに、こっちの戦力が少なかったからな。ヤマダの野郎が自分勝手な動きで突撃してれば、多分生きて帰ってはこれなかったぞ」
「そうか。ま、それでも全員無事帰還ってのはいい事だ。お前達の腕が決して見せ掛けだけじゃないってのには十分な証明になっただろ?」
「……ふんっ!」
俺の言葉が照れくさかったのか、リョーコは頬を薄らと赤くして視線を逸らす。
「おいおい、お前はもう2人も手を出してるんだろ? それなのに、まだ足りないのか?」
不意に聞こえてきたウリバタケの声。
その声にあるのは、紛れもない嫉妬。
いや、お前だってヒカルと仲良くやってるんだろうに。それが例え、向こうが男として見ていなくても。
「なぁっ! ななななななな! 何を言ってやがんだいきなり!」
先程まで赤かった頬が、更に真っ赤に染まったリョーコが、ウリバタケに胸ぐらを掴んで叫ぶ。
「あ、ギブギブ」
「……ったく、いい加減にしろよな。あたしが、その……アクセルに口説かれてるとか何とか……」
何だかんだで、リョーコもエリナに負けないくらい男女関係には疎い。
この2人、似ていないようで似ていて、似ているようで似ていないという微妙な関係だ。
エリナとハルカ、エリナとリョーコ。……さて、エリナと似ているハルカとリョーコは似ているとは思えないが。
「じゃれるのはそのくらいにしておいてくれ。とにかく、補給とかの用意を頼む。ミサイルも結構使ったからな」
その言葉に、リョーコもウリバタケの胸ぐらから手を離す。
ウリバタケは、少し咳き込みながらも俺の方に軽く手を挙げて了解の返事をする。
「じゃ、ミサイルの準備が整ったら呼んでくれ」
ミロンガ改の整備と補給作業は俺の監視の下で行うというのは、ネルガルとの契約の際にきちんと盛り込まれている。それ故にウリバタケも文句を言う様子はない。
去って行くウリバタケを見送り、次にまだ若干頬が赤いリョーコへと視線を向ける。
瞬間、俺の方を見ていた為に視線が合ったリョーコが、慌てたように口を開く。
「で、その、どうだったんだ?」
「どうだったってのは?」
「だから、木星蜥蜴だよ! 倒してきたんだろ?」
「ああ、チューリップとカトンボか。そっちは何とかな。……少し時間が掛かったけど」
「あー……ま、そりゃしょうがねーだろ。ってか、ミロンガ改の武器ってそんなに強力なのはなかったよな? ナデシコ辺りならグラビティブラストで破壊出来るだろうが……どうやって倒したんだ?」
自分で言っていて疑問に思ったのだろう。不思議そうな表情で俺の方へと視線を向けて尋ねてくる。
俺はその問い掛けにどう答えるか一瞬迷ったものの、この先火星へと向かう途中で木星蜥蜴と戦う事になれば嫌でも判明するのだからと、特に隠さずに口を開く。
「ミロンガ改の背中に翼みたいなのがあるだろ?」
「うん? ああ、あの光ってる奴な。どういう原理で、どういう効果を持つのか全く分かんねえが」
だろうな。そもそも、エナジーウィングはギアス世界で開発された技術だ。
それをこのナデシコ世界に持ってきているのだから、当然理解は出来ないだろう。
科学者だったりすれば、ある程度予想出来たりするかもしれないが……リョーコは生粋のパイロットだしな。
「あのエナジーウィングを使って一点に集中攻撃して装甲を抜いたな。そこにビームマシンガンとかも使って。ただ、ナデシコのグラビティブラストに比べれば強力じゃないから、随分と時間が掛かったけど」
「それって……確か模擬戦でも使ってた、あの広範囲に攻撃をする奴か?」
「そう、それだ」
「……チューリップとかカトンボの装甲も貫通出来るのかよ。そりゃあ連合軍やネルガルが放っておけねえ筈だよな」
「いや、その件はまだ知らない筈だ。隠すつもりはなかったが、知ってるのは多分俺とリョーコだけだな」
今回の戦闘のデータで、当然ネルガルも知るだろうけど。
連合軍が知るのは……少し遅くなるか?
「は? あ、あたしだけ?」
「そうだな。少し気取って言えば、俺とリョーコの2人だけの秘密って奴だ」
「ばっ、ばばばばばばば、馬鹿ぁっ!」
顔を真っ赤にして、そのまま走り去っていくリョーコ。……少しやり過ぎたか?
いや、まさかここまでウブだとは思いもよらなかった。
これがヒカルだったら話を合わせてくるだろうし、イズミだったら俺には理解出来ない高度なボケを披露してくれる筈だ。
……ま、いいか。そのうち頭が冷えて元に戻るだろう。
そう判断し、少し何かを食べたくなったのでパイロットスーツから着替えてナデシコ食堂へと向かう。
「カツカレー特盛り、福神漬は多目に、ゆで卵をトッピングで。それと、ポテトサラダ大盛り」
「うわぁ……本当に戦闘後なのにこんなに食べるんですか?」
食券を渡し、そこにトッピングを追加注文すると、それを受け取ったホウメイガールズの1人が驚きの表情を浮かべて告げる。
まぁ、小腹が空いて食べるおやつ的なものだと考えれば、確かにちょっと多いかもしれない。けど……
「これだけ食えるのは、サツキミドリ2号にいる間だけだろ? 今回の件でまた補給がされる筈だから、その間に食っておこうと思ったんだよ」
その言葉に、羨ましい……といった視線を向けられたが、戦闘が終わって食堂も忙しくなってくる為か、ホウメイが何かを言う前にさっさと仕事へと戻っていく。
そう言えば、テンカワがいないな。今回の防衛戦はかなり厳しかったって話だし、疲れがあってもしょうがないか。
こうして見ると、食堂に来ているクルーの人数はそう多くない。
当然か。今はまだ戦闘が終わった直後でどこの部署も忙しいんだろうし。
「アクセル、大丈夫だった? 怪我はしてない?」
……なのに、何でハルカはここにいるんだろうな?
食堂に入って来ると、真っ直ぐに俺の方へとやって来たハルカが、心配そうに尋ねてくる。
「ああ、問題ない。チューリップとカトンボを仕留めただけだしな」
「あのね、それで問題ないって言うのが少し信じられないんだけど。……でも、怪我がないようで何よりだわ」
俺の様子に、若干呆れたように溜息を吐くハルカだったが、すぐに口元に笑みを浮かべて安堵の表情を浮かべる。
「心配させたか?」
「そりゃそうよ。アクセルだけでチューリップとカトンボを何とかしろって、艦長も無茶言うわよね。正直、あの時艦長に文句を言いそうだったのよ」
ああ、そうか。艦長が俺に今回の件を指示した時、当然そこはブリッジだったんだからハルカも聞いてたんだよな。
それでも艦長に抗議の声を上げなかったのは、操舵士と艦長の領分をきちんと理解していた為か。
「艦長はああ見ても士官学校主席卒業らしいから、無茶な事は言わないだろ」
士官学校首席卒業か。……そういう意味では俺と艦長って同じなんだよな。
卒業式が随分と昔のようにも感じられるが。
「首席卒業ねぇ。……正直、普段の艦長を見ていると、とてもそういう風には見えないけど」
「ま、あの性格だしな。それより、ハルカは今こうしていてもいいのか? 戦闘終了後で忙しいんじゃないのか?」
「ああ、大丈夫よ。戦闘が終わったし、今は操舵をエリナに任せているわ。ここ最近は随分と操舵に関しても上手くなってきてるから、ある程度は安心して任せる事が出来るようになったし」
エリナも負けず嫌いだしな。
いや、もしかして俺と顔を合わせるのが気まずかったからとかか?
それを否定出来ないのは、正直残念な思いが強い。
殆ど成り行きで肉体関係を持ったんだから、そういう風な態度を取られても仕方ないんだが。
けど、ハルカと顔を合わせるのがいいってのはどうなんだろうな?
あの状況をみれば、3人で夜を過ごしたのは明らかだ。
つまり、エリナはハルカともそういう関係になってしまったという事になる。
……普通、男と肉体関係を持つよりも同性の女とそういう関係になる方が心理的な抵抗は強いような気がするが……
ともあれ、俺自身エリナは男女関係を抜きにしても――勿論魅力的なのは承知しているが――付き合いやすいという思いがあったんだけどな。
「はい、お待ちどうさま」
エリナの事を考えていると、カツカレー特盛りゆで卵トッピングと大盛りのポテトサラダがホウメイガールズによって持ってこられる。
「うわぁ……こんなに食べるの? 相変わらず燃費が悪いわね」
普通のカレーライスが入っている皿よりも2回り程も大きいその皿を見て、ハルカが呆れたように呟く。
「ま、こんなに食べられるのは今のうちだけだしな。火星に向かって出発すれば、食べる量はセーブせざるを得ないし」
「……アクセルだから、で納得してしまう自分が怖いわ」
溜息を吐いたハルカだったが、やがて少し拗ねたように口を開く。
「エリナの事は心配しなくてもいいわよ。彼女、ああ見えて結構な乙女だからね。まだアクセルと顔を合わせると恥ずかしいんでしょ。時間が経てばそのうちいつも通りになると思うわ」
「……よく俺がエリナの事を考えていると分かったな」
「分かるわよ、アクセルの事だもの。……もっとも、私と一緒にいるのに他の女の事を考えているのは、ちょっと面白くないけど」
ハルカは少し唇を尖らせ、拗ねたようにそう呟くのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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