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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦艦ナデシコ
  1287話

 年が明けてから数日。ようやくナデシコの改修やら補給物資の積み込み等が終わり、サツキミドリ2号を出発する日となった。
 ちなみに現在のナデシコは、格納庫付近にコンテナが1つ備え付けられている状態だ。
 そしてミロンガも現在はそこに入っている。
 コンテナの中には格納庫から移動が出来るようになってはいるのだが、当然半月程度の短時間で整備用の機械といった物までコンテナに移動出来るような通路をナデシコ側に作る事も出来ず、結果として人間が何とか移動出来る程度の通路が用意されている。
 ミロンガ改の整備用の機械を入れるには、コンテナを開けて外部から入れるという面倒臭い手順なのだが……この辺は急ごしらえだし仕方のない一面もあるのだろう。
 コンテナの方も、特にこれといって色が塗られたりしている訳ではない、本当に素のままの状態だ。
 まぁ、色を塗るような時間があったら、もっと別の事に労力を回したいといったところだろう。
 魔法球がある訳でもないこの世界で、半月程度で完成させたにしてはこの改修は確かに凄い。
 正直、プロスペクターが性格はともかく、腕は一流の人材を集めたと言っているだけの事はある。
 ……その分、色々と問題も起きていたりするのだが。
 ともあれ、ナデシコの出発まであと1時間を切った今、俺は自分の部屋のベッドで寝転んでいた。
 TVをBGM代わりにしながら雑誌を読み、近くには食堂で買ってきた一口サイズのサンドイッチが多数。
 ホウメイが作ったのか、それともテンカワが作ったのかは分からないが、それでもサンドイッチは美味い。
 元々余程の事でもなければサンドイッチを不味く作るなんて真似は出来ないんだから、当然だろうけど。
 ナデシコに乗った事により、ネルガルから貰っている給料は俺の場合とんでもない額になっている。
 勿論俺がシャドウミラーとして稼いでいる額には到底及ばないのだが。
 幾ら稀少な存在ではあっても、たった1人のパイロットに過ぎない俺と、シャドウミラーの代表として幾つもの世界と異世界間貿易を行う事により得ている利益。
 それがどのくらいの差になるのかというのは、考えるまでもない。
 ……まぁ、それはともかくとして。とにもかくにも、俺がネルガルから貰っている給料は独身の男が1人で暮らすのには何の不自由もない。
 エンゲル係数がかなり高くなってはいるが。
 そんな事で、金があり、それでいて火星に到着するまで暇な俺としては、約2週間の暇潰し用にサツキミドリ2号で暇潰しの本やゲームといった物を購入するのは当然であり、少し前までは殺風景に近かった俺の部屋は現在かなり狭くなっている。
 それでも散らかっているように見えないのは、この前遊びに来たハルカが見るに見かねて整理していったからだろう。……その後、ちゃっかりと自分が面白そうだと思った小説を借りていったのはハルカらしいが。
 ともあれ、俺の部屋はある意味で趣味の部屋とでも呼ぶべき場所になっているのは事実だ。
 そんな中で趣味を楽しんでいると、やがてTVの映像がブリッジのものへと強制的に変わる。
 そこに映し出されているのは、当然のように艦長。

『皆さん、それではこれから私達ナデシコはサツキミドリ2号を出発し、火星へと向かいます! 道中、木星蜥蜴による攻撃はあるでしょうが、連合軍からの攻撃はない筈です。これに関しては、ネルガルの方で話を付けてくれたので、お墨付きとなります!』

 自信満々に告げる艦長。
 そう言えば、サセボシティでナデシコを占拠しようとして捕まったキノコ……もとい、ムネタケを始めとする連合軍の軍人達は、当初の予定通りにサツキミドリ2号でナデシコから下ろされたらしい。……いや、連合軍に売りつけた的な意味だと、卸されたというのが正しいのか?
 ともあれ、まだ俺とエリナの仲が今のように複雑になっていなかった時の出来事だったので、それなりに話を聞く事が出来たのだが……思い切り高値で売りつけるとか言ってたから、恐らく連合軍は色々と大きな代償を支払う羽目になったのだろう。
 連合軍に戻ったムネタケ達は相当に肩身の狭い思いをしていそうだ。
 これからの昇進についても、何を言わんやってところか。
 そもそも、ナデシコを占拠しようとして失敗しただけならまだいい。……いや、良くないが、それでもまだ情状酌量の余地はあっただろう。
 だが、捕らえられた状況で脱走し、ナデシコのシャトルを奪って逃げようとし、更には現在ナデシコの実質的な最高権力者であるエリナを射殺しようとして、その上で俺に鎮圧された。
 ……ここまで大きな恥を晒しておいて、連合軍で出世出来るとは到底思えない。
 ともあれ、そのネルガルと連合軍の取引により俺達が火星に向かうまで攻撃される事はなくなった訳だ。……まぁ、ビックバリアを抜いて脱出したナデシコに攻撃をする余力がないというのもあるらしいが。
 ビックバリアの時の件で地球にいる木星蜥蜴を刺激してかなり大規模な戦闘になったらしいし。

『よって、私達が警戒するのは木星蜥蜴のみ! ですが、ナデシコにはディストーションフィールドがありますし、グラビティブラストだってあります! それにエステバリスやミロンガ改といった戦力もある以上、心配はいりません!』

 本当は、これに対空砲火を付けてはどうかってウリバタケやプロスペクター、エリナに相談してみたんだが、結果的には却下された。
 いや、実際いい意見だというのは皆が認めていたのだが、ミロンガ改のコンテナの件で一杯一杯だったらしい。

『そういう訳で、安心してユリカに任せて下さい! 皆で火星に到着して、まだ残っている人達を助けましょう! では、皆さん出発、進……』

 そこまで告げた、その時。唐突に周囲にヴィー、ヴィーという音が響き渡った。
 これが何の音なのかというのは、これまでの経験から既に理解していた。
 即ち、警戒警報。

『え? ちょっと、ルリちゃん!?』
『サツキミドリ2号、木星蜥蜴に襲われています』
『えーっ、何で!? これからナデシコが出発するって時なのにぃー! エステバリス隊、ミロンガ改、至急出撃準備をお願いします!』

 その言葉を聞いた時には、既に俺は部屋を飛び出していた。
 こういう時、影のゲートを使えれば手っ取り早いんだが。
 いや、今はそんな事を考えていられるような余裕はないか。
 ただでさえ、このサツキミドリ2号は戦力的に決して充実しているとは言えない。
 このままだと下手をすればナデシコを腹に抱えたままサツキミドリ2号が全滅する、なんて事も普通に有り得る。
 で、そんな事になれば当然ナデシコが受ける被害も多い訳で……そんな風に巻き込まれるのは勘弁して欲しい。
 そうされない為には、やはり木星蜥蜴をどうにかする戦力のある俺達が動くのが一番手っ取り早い訳だ。

「アクセル!」

 本来はいらないパイロットスーツに着替え、格納庫の中に入ると、そう声が掛けられる。
 声の主はウリバタケ。
 本来であればエステバリスの……宇宙戦闘用の0G戦フレームの準備をしていなければならない筈なのだが、それでも俺に向かって声を掛けてきたのには理由があるんだろう。
 そう、例えば実戦で初めてナデシコに外付けされているコンテナへの移動をするとか。

「こっちだ! 改修してから初めての戦闘だけど、不幸中の幸いなのは戦いの中で試さなくてもいいって事だな」
「ま、そうだろうな。……じゃあ、行ってくる」
「おう、行ってこい。ただ、何度もコンテナと行き来するテストはしてるが、何か不具合が起きないとも限らねえ。その辺を注意しといてくれ」

 短く言葉を交わし、格納庫に急ごしらえで作られた扉を潜ってコンテナへと向かう。
 その際、リョーコ達がエステバリスに乗り込もうとしているのが見えた。
 結構素早い行動で何より。
 そんな風に考え、急ごしらえの通路を走っていく。
 するとそれ程時間が掛からず、やがて再び扉が見えてきた。
 そしてコンテナ側の扉を潜ると、そこにはミロンガ改が存在していた。
 乗降ワイヤーを使ってミロンガへと乗り込み、機体を起動していくと、不意に映像モニタに艦長が映し出される。

『アクセルさん、ナデシコはサツキミドリ2号の護衛に回ります。そうなると、当然ナデシコから離れられないエステバリスもサツキミドリ2号から離れられません。そこで、ミロンガ改にはサツキミドリ2号から離れて遊撃をお願いしたいのですが』
「ああ、構わない。こちらとしてもエステバリスとは機体性能が違い過ぎて行動を共にするのは難しいからな。こっちで自由に動いて敵を撃破してもいいってのなら、願ったり叶ったりだ」

 その言葉にユリカは安堵の表情を浮かべる。
 だろうな。幾らナデシコが連合軍の戦艦に比べて高い性能を持っていても、結局1隻なのは変わらない。だとすれば、サツキミドリ2号を守るので精一杯になってもおかしくない。
 つまり、サツキミドリ2号を守る事は出来ても一方的に攻撃され続けてしまう訳だ。
 それを防ぐ為には、やはり大本を絶つ必要がある。
 サツキミドリ2号をナデシコとエステバリスが守り、ミロンガ改で敵の大本……チューリップとカトンボを叩く。
 普通に考えればベストの選択肢だろう。
 また、俺にとってもそう悪い話じゃない……といいなぁ、というのが正直なところだ。
 いや、普通に考えれば全く問題ないのは事実だ。チューリップにしろ、カトンボにしろ、撃破しなくても空間倉庫の中に入れてしまえばそれで済む。
 まんま無人戦艦といった様相のカトンボとは違い、チューリップの触手を考えるともしかしたら生き物なのかもしれないという思いもあるが、その時は収納出来ないだけだし。
 ……これがなければ、な。
 視線をコミュニケに向け、小さく溜息を吐いてから映像モニタに映し出されている艦長に向かって口を開く。

「さて、じゃあそろそろ出撃するから、ナデシコの方はよろしく頼む」
『ええ、こっちの心配はしなくてもいいですから、どーんと任せちゃって下さい! 何せ、こっちにはアキトがいるんですから! 文字通りの意味で大船に乗ったつもりでいて下さって結構です!』

 艦長に艦を指揮するだけの能力があるというのは、十分に分かっている。
 だがそれでも……こうして天然気味に明るいところだけを見せられると、ちょっと不安になるのも事実だ。

「そ、そうか。じゃあ頼む。……ミロンガ改、アクセル・アルマー、出るぞ!」

 それでも俺が今出来るのは、その艦長を信じてナデシコにサツキミドリ2号の護衛を任せる事だけ。
 それと、可能であればチューリップを確保したいところだが……このコミュニケがなぁ。
 どんな隠し機能が付いているのか、その辺は正直微妙だ。
 あ、でも盗み聞きとか録音機能とかだったら、実はクリスマスパーティの夜の件もプロスペクターには筒抜けなのか?
 まぁ、この艦で実質的最高責任者であるエリナの情事の声だ。
 それを録音なんかしようものなら、速攻でネルガルを首になってしまう可能性が高いが。
 そこまで行かなくても、閑職に回されたりとか。
 ともあれ、その辺は一度エリナにしっかりと聞いておいた方がいいのかもしれない。
 それに正直に答えるかどうかは別として、こっちが知っているというのを臭わせるだけでも牽制になるだろうし。
 そんな事を考えながら、ミロンガ改はコンテナから出撃する。
 ……コンテナからの出撃なので、エステバリスみたいにナデシコの重力カタパルトとかを使って距離を稼ぐとかは出来ないんだよな。
 まぁ、ミロンガ改の場合はそんなの必要ないが。
 宇宙空間に緑のエナジーウィングの光を残しながら前へと進む。
 既にサツキミドリ2号の周辺では防衛戦が行われているのだろう。いたる場所で戦闘光が見える。
 ナデシコから出撃したエステバリス以外に、サツキミドリ2号に所属している機体も多い。
 デルフィニウムや宇宙戦闘機、更には戦艦の類も存在している。
 それでも木星蜥蜴の数で押してくる戦闘方法に抗うのは難しいらしく、撃破されているのは味方の方が多い。
 ……せめて脱出して生き残ってくれていればいいんだが。
 味方の奮戦を祈りつつ、エナジーウィングを使用して機体を斜めにする。
 すると、一瞬前までミロンガ改のいた場所をバッタが猛スピードで通り過ぎていった。
 おいおい、あのままミロンガ改が回避していなければ、間違いなく正面衝突していたぞ? Eフィールドで防げただろうが。
 特攻でもするつもりだったのか?
 けど、俺はそんな下らない攻撃に付き合っている暇はない。
 今はとにかく、敵の母艦……カトンボとチューリップのいる場所を目指さないといけないのだから。

「そういう訳で、お前はちょっと邪魔だよ!」

 ミロンガ改の持っているビームマシンガンを使い、通り過ぎていったバッタを撃破。
 そのまま俺はこっちにミサイルを撃ってくる敵に構わず、敵の本陣があると思われる方へと向かうのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188 
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