炎天下
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第五章
「ここからでも海が見えるわね」
「どうだ、いい海だろ」
「白いお店からね」
安奈は令に応えてさらに言った。
「緑の草原があってお花咲いていてその先にね」
「海が見えるな」
「水平線になってるわね」
そのコバルトブルーの海がだ。
「これはいいわね」
「ああ、いい景色だろ」
「この景色は」
それこそという返事だった。
「凄いわね」
「そうだろ、じゃあな」
「これからよね」
「この景色を見ながらな」
そのうえでとだ、令は安奈に話した。
「コーヒー飲もうな」
「それじゃあね」
「席はな」
令は店の中を見回した、そして海が一番よく見えるその席が空いているのを見てだ。そのうえでだった。
「あそこがいいな」
「あの席になのね」
「二人で座ってな」
そしてというのだ。
「コーヒー注文しような」
「それじゃあね」
こうしてだった、二人は。
実際にその席に座ってだ、店員のウェイトレスのお姉さんにそれぞれアイスコーヒーを注文した。ここで。
お姉さんの方からだ、二人に尋ねて来た。
「学生割引は」
「お願いします」
二人はお姉さんに同時に言った。
「それで」
「是非共」
「はい、わかりました」
お姉さんは二人に笑顔で応えた、そしてだった。
二人のところにすぐにだった、アイスコーヒーが運ばれてきた。ガラスの大きなコップの中に氷と共に黒いコーヒーがありストローも付いている。
そのコーヒーを見てだ、安奈は言った。
「このコーヒーがなのね」
「ああ、そうだよ」
令は安奈にすぐに答えた。
「最後に美味いコーヒーだよ」
「学生割引もね」
「店員さんの方から言ってくれただろ」
「ええ、それじゃあ」
「これ飲みながな」
そしてというのだ。
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