永遠のヒーロー
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第四章
颯爽とだ、彼等の前にだ。
親友である天才医師の力により蘇生したスペシャルヒーローが現れた。そしてだった。
人々から驚異を払った、そして。
人々は彼を喝采で迎えた、それは漫画の中だけでなく。
読者達もだ、彼を歓喜の声で迎えて言った。
「復活だ!」
「ヒーローが生きていたんだ!」
「そして俺達の前に戻って来た!」
「完全復活だ!」
「そうか、描いているのはか」
彼等は作画と構成を見た、そこには。
原作者のプロダクションの名前があった、まさにその彼等がなのだ。
「そうか、原作者の後にか」
「アシスタント人達が描いてるんだな」
「原作者が死んでもな」
「この人達がいるんだな」
こう言うのだった。
「いや、よかった」
「この人達がいたんだ」
「原作者の志を受け継いでいる人達がな」
「ちゃんといてくれたんだ」
このことに喜ぶのだった。
そしてだ、彼等はプロダクションにも喝采を捧げた。
「作画いいよな」
「あの作画のままだな」
「構成もな」
「原作者の持ち味を忠実に生かしてるな」
「いや、面白い」
「あの質は健在だよ」
こう言うのだった、だが。
これは読者達だけでなくだ、出版社の社長もだった。
会議の場でだ、満足している声で重役達に言った。
「よかったな」
「はい、連載再開してですね」
「雑誌の売上は戻りましたし」
「それに作品自体の質もいいです」
「原作者の持ち味をそのまま生かしています」
「何もかもがいい」
満足している声だった。
「連載再開は本当によかったな」
「社長としてもですね」
「そのことは」
「ファンとしても経営者としてもだ」
その両方の立場でというのだ。
「満足している」
「業績にそのまま影響しますからね」
「株価にもです」
「株価も戻っています」
「むしろ上がってさえいます」
「スペシャルヒーローはだ」
こうも言った社長だった。
「いなくなってはいけないのだ」
「我々にとってもですね」
「何よりもファンにとっても」
「そして我が国にとっても」
「彼は我が国の象徴だからな」
そこまで言っていい存在になったからというのだ。
「連載終了なぞはだ」
「とてもですね」
「あってはならないですね」
「そうだ、だからこれからはだ」
絶対にというのだ。
「連載終了とはしないぞ」
「はい、絶対にですね」
「そのことは」
「何があっても」
「このことがよくわかった、もう二度と終わらせない」
社長はこう言い切った、そしてだった。
スペシャルヒーローは以後も連載が続いてだった、アニメも映画も好評のまま続いた。会社の収益に貢献しプロダクションに仕事を与えてだった。ファン達も喜ばせ国家の象徴的存在であり続けた。まさに永遠のヒーローとして。
永遠のヒーロー 完
2016・1・20
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