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永遠のヒーロー

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第二章

「スペシャルヒーローのことだが」
「はい、終わりました」
「先月の掲載で」
「残念ですが」
 社員達も無念の顔で言う。
「そうなりました」
「読者からの声がですが」
「残念だという声ばかりです」
「死んで欲しくなかった」
「終わって欲しくなかったと」
「そうだな、しかし
 社長は難しい顔で話した。
「原作者の人が亡くなってはな」
「描く人いないと」
「流石にどうしようもありません」
「原作あってですから」
「そこはどうしようもありません」
「アニメや映画もです」
 そのメディアのことも話される。
「このままではです」
「終了です」
「そうなってしまいます」
「むしろそうせざるを得ません」
「その通りだ」
 苦い顔での言葉だった、社長にしても。
「私もあの作品のファンでだ」
「終了がですね」
「どうしてもですね」
「残念ですね」
「そうだ、そしてだ」
 今度はだ、彼は経営者として話した。
「あの作品は我が社のな」
「最大のドル箱です」
「その収益は途方もないものです」
「あの作品の収益だけで、です」
「我が社は黒字にさえなっています」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「連載終了はだ」
「絶対にですね」
「この終了はですね」
「どうすべきか」
「その対策が、ですね」
「問題ですね」
「終わって欲しくなかった」
 ファンとしても経営者としてもというのだ。
「絶対にな」
「ではどうされますか」
「終わってしまったのです」
「もう終わりましたから」
「どうしようもないのでは」
「もう一度はじめる訳にもいきませんが」
 重役の一人がこう言った。
「これは」
「いや」
 その重役の言葉にだ、社長は。
 その目を輝かせてだ、こう言った。
「それはいいかもな」
「いいですか?」
「そうだ、連載再開だ」
「あの、しかし」
「原作者がだな」
「亡くなっていますが」
「そして著作権も原作者にあるな」
 社長は自ら言った。
「こちらも」
「そうです」
「原作者、ひいては原作者のプロダクションにな」
「プロダクションとです」
 その著作権を持っているだ、原作者が生前率いていた彼等というのだ。重役の一人が社長に対して提案した。
「話をしますか」
「そしてだな」
「プロダクションは原作者のアシスタントが集まっていたので」
「作画も構成もな」
「原作者の資質を受け継いでいます」
 まさにそれをというのだ。 
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