転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1284話
「メリークリスマス!」
『メリークリスマス!』
艦長のそんな声が食堂の中に響き、同時に持っているグラスやコップを掲げて乾杯の合図となる。
ちなみに、何だかんだと言いながら食堂には多くの人が集まってはいるが、ナデシコのクルー全員という訳ではない。
パーティのような人の集まる場所は苦手だって奴は出てないし、幸運な事に恋人がいたり、出来たりした相手はその恋人とクリスマスを過ごしている。
当然そんな奴は後日他の独身男や独身女達にたっぷりと事情聴取をされたりするんだろうが。
ナデシコがサツキミドリ2号に停泊してから10日程度経っているので、その間にサツキミドリ2号に上陸して恋人を作った……という奴もいるらしい。
ちなみに情報源はウリバタケ。
血の涙を流せれば流していたんじゃないかってくらい、見事に悔しがっていた。
ま、そのウリバタケも今はこのパーティに参加してお相手探しをしているらしいけど。
視線の先でヒカルと笑いながら話しているウリバタケを見て、意外といい雰囲気か? とも思う。
何だかんだと、ヒカルも人気があるんだよな。
いや、人気があるというか、パイロット3人組の中では断トツの1番人気なんだが。
……分からないではない。リョーコは凜々しい系の美人だが、その性格はボーイッシュとは呼べない程に男っぽく、悪く言えば粗野。
それもまたリョーコの魅力だとは思うけど、実際にはそれを許容出来ない奴も多いんだろう。
それでもこうして見ると、何人かがリョーコと笑って話している様子が見えるが。
イズミは……うん、こっちはこっちで色物好きとでも呼ぶべき面々が集まっている。
まぁ、性格を知らなければイズミは美形と表現してもいいし、蓼食う虫も好き好きって諺もあるように、イズミの性格を好むような奴がいてもおかしくない。
「アクセル、アクセル。ほらこのお料理美味しいわよ。食べてみたら?」
クリスマスパーティだという事で、随分と張り切ったのだろう。胸元や背中が大きく露出しているパーティドレスを身に纏ったハルカが、俺の方へとテリーヌの乗った皿を差し出してくる。
ただ、普段の制服も大きく改造されて胸元が露わになっているので、露出度という意味では大して変わらないのか?
でも背中が剥き出しになっているのは制服よりもかなり凄いな。
パーティに参加している男の多くがハルカの方へと何度も視線を向けているし。
それにしても、ナデシコだけあって箸もきちんと用意されていたのは嬉しいな。
箸を使ってテリーヌを食べると、確かに美味い。
ホウメイやテンカワが頑張って作っただけの事はある。
聞いた話だと前日から料理の仕込みで色々と忙しかったらしいから、その甲斐があったという感じか?
「何だかんだで結構な人数が集まったよな」
「そうねぇ。恋人がいる人達はそっちに行ったみたいだけど。……あら、そう言えばアクセルもこっちなのね。本当に今更だけど」
目を笑みの形にしながら告げてくるハルカへと、俺もまた同様の視線を送る。
「そういうお前だって結局このパーティに参加してるだろ? 人の事は言えないと思うんだけどな」
「私はこれでも色々とお誘いがあったのよ? でも、それを断ってこっちに参加しているだけで」
「だろうな」
このパーティに参加している多くの男が、ハルカとお近づきになりたいといった視線を向けているのが分かる。
ただ、それでも近づいてこないのは、近くに俺がいるというのもあるし……
「これがパーティですか。……少女っぽいでしょうか?」
ハルカに選んで貰ったと思わしきドレスを着た、ルリの姿があるからだろう。
外見だけで見れば、ハルカは遊んでいる女のように見える。
だが外見と中身が大きく違うというのは、ハルカの事を少しでも知っていれば誰でも大体理解出来るだろう。
そしてルリの世話を焼くという行為を楽しんでいるというのも。
そんな風に楽しんでいるハルカの邪魔をして口説こうとしようものなら、好感度が下がるのは間違いない。
そうならない為には、ハルカの方から話し掛けて貰うのを待つしかない訳だ。……そう、俺のように。
俺の場合は、何だかんだとハルカと接する事が多かった為か、ハルカも気楽に接してくるしな。
そこまで考え、ふと気になる事があった。
リョーコ達はパイロット3人娘と呼ばれる事もある。
それに対して、ハルカとルリ、そしてメグミはブリッジ3人娘と呼ばれる事もあるのだが……そのブリッジ3人娘のもう1人はどこにいった?
そう考え、周囲を見回し……その光景を目にする。
「おい、あれって何がどうなってああなったんだ?」
「うん? 何が?」
ルリと話していたハルカが、俺の視線の先を追って納得したような表情を浮かべた。
「あの2人? 本当に不思議よね。ただ、恋愛ってのはちょっとした事で発展するから」
しみじみと呟くハルカ。
そんなハルカと俺の視線の先にいるのは、ブリッジ3人娘の1人、メグミと……そしてヤマダ。
ただ話しているだけであれば、そこまで驚くことはなかっただろう。
だがこうして見ていると、明らかにメグミの頬はアルコール以外の理由で赤く染まっており、ヤマダの方も女慣れしていないのを示すかのようにあたふたとしている。
そんな2人の様子を見て、友人同士であると思う者は多くないだろう。
少なくても俺の目から見て、恋人同士……そこまでは行かなくても、友人以上の恋人未満といった関係に見えた。
しかもグイグイと攻めているのは、ヤマダではなくメグミの方。
「あの2人がそんな関係になるのは完全に予想外だったな。本当にどんな成り行きでああなったんだ?」
「ああ、それですか。原因はアクセルさんですよ」
俺とハルカの言葉に、ルリが口を挟む。
「俺? 俺があの2人に何かをした覚えはないぞ?」
「そうですね。アクセルさんが特に何かをした訳ではありません。ただ、この前の模擬戦があったじゃないですか。ヤマダさんがボロボロにされた」
「……人聞きが悪いな。いや、間違ってはいないんだが」
この前行われた模擬戦は、ヤマダにとっては大きな衝撃だっただろう。
1対1では俺に勝てず、仲間と協力して俺に挑もうにも上手く連携が出来ない。
その結果が、模擬戦の全敗だ。
「あの模擬戦の後でヤマダさんが凄くショックを受けていたんです。そこにメグミさんが通りかかって話を聞いているうちに意気投合した……といったところですね」
ルリの説明に、思わずなるほど、と頷いてしまう。
確かにそんな風に話が進んだのなら、俺のせいと言ってもいいかもしれない。
いや、せいだと何か悪い事をしたみたいだから、ここは寧ろ俺のおかげじゃないのか?
「はー……かなりドラマチックな展開ね。昼メロとかだと、ここで第2、第3の女が出てくるんだけど。誰か出てくるかしら?」
「いや、これは昼メロとかじゃないから」
面白そうな笑みを浮かべているハルカに、思わず突っ込みを入れる。
……出てこないよな? 本当に第2、第3の女とか出てこないよな?
フラグとかじゃないよな?
もし出て来たら、ヤマダへと敵意の視線を向けている面子が更に暴走するのは間違いない。
元々メグミは声優としてそこそこ名前が売れていた人物らしい。
当然その人気も高く、ナデシコ内部でも狙っていた人物は多い。
それをヤマダに掻っ攫われたりすれば……そして、更に他にもヤマダを好きだって女が出てくれば、下手をしたらナデシコ艦内で暴動が起きる可能性すらあるんじゃないか?
「アクセル、楽しんでるようね」
ヤマダとメグミの様子を眺めていると、不意に聞こえてきた声。
そちらへと視線を向けると、そこにはチャイナドレスに身を包んだエリナの姿があった。
純粋な露出度ではハルカに敵わないが、スリットから覗く白くて肉感的な太股は、男なら誰でも目を奪われるだろう。
実際、食堂の中にいた男達の多くがエリナに視線を向けているのだから。
……こうして考えてみると、俺もヤマダの事は言えないんだよな。
ヤマダは声優として人気の高かったメグミと仲が良くて嫉妬されているが、俺の場合はハルカとエリナという、このナデシコの中でもトップクラスの美女と仲良くしている。
それと、ルリ。
まぁ、余程特殊な趣味がなければルリに言い寄るような奴はいないと思うが、ナデシコの場合、その特殊な趣味を持ってる奴がいたりしそうなんだよな。
ともあれ、そんな美人2人を――俺の主観じゃなく、嫉妬に狂った男の目から見て――侍らせている俺は、寧ろヤマダどころではない嫉妬を向けられている。
正直だからどうしたって話だが。
そもそも、俺はホワイトスターに9人、まだ合流していない凛と綾子を入れればとびっきりに魅力的な女を11人も恋人にしている。
そんな俺は、当然強烈な嫉妬の視線で見られることも多かった。
それに比べれば、この程度の視線は全く問題にならない。
「まあな。そっちも今日は随分と派手な格好をしてるな」
「あら、そう? 似合わなかったかしら?」
「いや、十分に似合ってるよ。その辺にいる男達の視線で十分理解してるんだろ?」
「そう? ……まぁ、そうかもしれないわね」
ああ、これはあれだ。日頃から男の視線を集めているから、それが日常的なものになってるんだろう。
……いや、それだけじゃないな。普段は真面目な表情をしているところのあるエリナだが、今は楽しそうな笑みを浮かべている。
勿論パーティなんだから楽しむのは当然なんだろうが、それでもいつものエリナに比べると、やけに上機嫌なような気がする。
「どうしたんだ? 妙に機嫌がいいけど」
「え? そう? まぁ、ナデシコの改修が上手く進んでいるからでしょうね。恐らく今年中に改修は完了して、そのテストやら何やらで……そうね、恐らく年を越してすぐに火星に向けて出発する事になると思うわ」
「へぇ、随分と順調に進んでるのね。さすがネルガルの技術力ってところ?」
いつもはハルカとエリナが会えば微妙に険悪になったりするんだが、クリスマスパーティだからそんな真似はしたくないのか、ハルカの言葉に棘はない。
そんなハルカに言葉を返すエリナの方も、棘はないままに口を開く。
「そうね。物資の積み込みも殆ど完了しているし。……まぁ、最も多いのは食べ物とかなんだけど。ああ、それとミロンガ改のミサイルもきちんと数は確保しておいたから、安心して頂戴。ただ、ウリバタケの考えた弾頭の方は……どうでしょうね。使えそうなのを何種類か選んでって感じでやると思うわ」
「そうか。なら、あのネットを広げる奴は入れてくれ。小型ミサイルを撒き散らすのは……今回は必要ない」
「おいおいおいおい、あれは俺の考えた中でも自信作なんだぜ? 何だってそれが不採用なんだよ!」
突然会話に割り込んできたのは、話題の人物もであるウリバタケだった。
恐らく会話に入り込む隙を狙ってたんだろう。
……さっきまでヒカルと話してたのに、随分とフットワークが軽い事で。
「ネットの方は捕獲とか敵機の動きを止めるとか色々と使い勝手がいいけど、ミサイルの方はな」
「何だよ、使えるだろ? 広範囲に攻撃出来るんだぜ?」
「そうだな、それは事実だ。……けど、正直広範囲を攻撃するって意味だと、ミロンガ改にはエナジーウィングがあるんだよ。そっちの方が使いやすいし、何よりエネルギー切れもないからな」
「エナジーウィング? それってミロンガ改の背中の奴だろ? 広範囲攻撃? どうやって……ああ! チューリップの時に使ってた奴か!」
喋っている間に思い出したのか、興奮したように告げる。
「確かにあの攻撃は凄かったな。……ま、しゃーねえか。あーいう攻撃方法があるってんなら、小型ミサイル内蔵のミサイルはあんまり使えねえか」
そんな風に言い、すぐに興味を失ったのかハルカとエリナ、それとルリのドレス姿を褒めて去って行く。
その後も、色々なナデシコのメンバーと話したりして、それなりに充実したパーティを過ごす。
ナデシコのメンバーで仲のいい相手はそんなに多くなかったのだが、このパーティで友人になった……とまではいかなくても、知人にはなっただろう。
ともあれ、色々と充実したパーティはこうして無事に終了するのだった。
……なのに……
「何だって、俺の部屋に来るんだよ」
溜息を吐き、ワインを飲みながらパーティで余った料理を摘まんでいる2人の女へと視線を向ける。
ハルカとエリナ。今日のパーティの中でもかなり目立っていた2人だったが、酔いで顔を赤くしている今のこの2人の様子は、ちょっと独身男達には見せられないな。
目に毒過ぎる。
せめてもの救いは、ここにルリがいない事か。
既に時間は0時を回っており、ルリは今頃部屋で夢の中にいる筈だ。
「何よ、たまには一緒に飲むくらいいいでしょ」
「そうよ、そうよ。大体アクセルはね。ハルカにばっかり贔屓し過ぎなのよ! もうちょっと私にも贔屓しなさいよね! それにナデシコの件での話とかもあるんだから!」
「あー、分かった。分かったからそろそろお開きにしないか? 明日も午後から仕事なんだろ?」
一応パーティの翌日という事で、明日の午前中は休みという事になっている。
それでも、パーティで飲み過ぎたメンバーは二日酔いとかになって厳しいだろう。
「明日から仕事よ? ええ、副操舵士なのに、何でかそれ以外の仕事も……まぁ、それはいいのよ。とにかく……飲め!」
そう告げ、酔っ払ったエリナは俺の口にワインの瓶を突っ込もうとしてくるが……それを飲めばどういう風になるのかを知っている俺としては、みすみす受け入れる訳にはいかない。
ワインの瓶を、顔を逸らす事で回避し……
「はーい、ようこそ。何、私のお酒が飲みたいの?」
そこに満面の笑みを浮かべたハルカが、別のワインの瓶を俺の口に突っ込み……その瞬間、俺の意識は闇へと沈む。
ああ……この2人……後悔しないといいけどな……
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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