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ドリトル先生北海道に行く

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第三幕その十

「歴史を学べて食べものが美味しくて昼の街並みも奇麗で」
「夜景も素晴らしい」
「だからなんだ」
「凄くいい」
「そうなんだね」
「本当にそうだよ、また来たいね」
 こうも言ったのでした、皆に。
「明日発つけれどね」
「明日は小樽に向かうのよね」
「そしてその次の日は札幌ね」
「小樽に札幌」
「そこにも行くのよね」
「そうだよ、そしてね」
 先生は皆にさらにお話します。
「美味しいものも食べようね」
「いや、しかしね」
「何か北海道っていいよね」
「こんなにいいなんてね」
「想像もしていなかったわ」
「本当に」
「そうだね、ただ小樽に行くまでだけれど」
 ここでこう言った先生でした。
「八条運送に手伝ってもらってね」
「僕達とだよね」
「トラックか何かで行くのよね」
「まずは小樽まで」
「そうよね」
「明日の朝早くに八条運送の函館支店まで行ってね」
 そしてというのです。
「お願いすることになるよ」
「じゃあその分のお金もね」
「支払ってね」
「そのうえで」
「小樽まで」
「行こうね」
 こうお話するのでした、ですが。
 ここで、です。ふとでした。
 先生に声をかけてくる人がいました、その声はといいますと。
「あれっ、先生じゃない」
「?その声は」
 皆その声に反応しました、そしてです。 
 その声がした方を見るとです、そこには王子がいました。
「王子じゃない」
「そういえば今は旅行中?」
「あれっ、里帰りしていたんじゃ」
「どうしてここに」
「里帰りはしたよ」
 王子は動物の皆に答えます。
「けれどね」
「それでもなんだ」
「旅行に行っていて」
「それでなのね」
「今函館にいるの」
「里帰りの後神戸に戻らなかったんだ」
 王子は微笑んで皆にお話します。
「飛行機をここに向けたんだ」
「それで函館観光」
「それを楽しんでるの」
「北海道を回っていくよ」
 函館だけでなく、というのです。
「小樽や札幌もね」
「あれっ、ひょっとして」
 トミーは王子の旅の行く先を聞いて言いました。
「王子の旅行のルートって僕達と同じかな」
「あれっ、そうなんだ」
「僕達のルートはね」
 トミーは王子にこのことをお話しました、すると。
 王子は聞いてからです、こう言いました。
「それじゃあ同じだね」
「王子もなんだね」
「うん、そのルートだよ」
 先生達とです。
「完全にね」
「そうなんだね」
「電車も全て予約しているよ」
「そっちも?」
「車両一つ借り切ってね」
「それは凄いね」
「王室でそうしてくれたんだ」
 王子のお家がというのです。
「王家に相応しい格式ってことで」
「車両を一つなんだ」
「旅行の時はね、よかったら」
 ここで王子は先生達に言いました。 
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