銀河鉄道物語 リリカルな異世界[地球]
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
一年後の出来事
人は皆、心の奥にただならぬ感情を抱いている。
それがどんなものなのかは人によって違うが、責任の取れないことを思っている人も中にはいる。
それが人なのである。
宇宙暦4910年 生物学者ミラー・オリエス
人とは、どの生物にはない特別な物を持っている。
それは人と人を繋ぐためのコミュニケーション能力である。
この能力がなければ自分の気持ちを相手に正確に伝えることは出来ないであろう。
その事は他の動物からみることが出来るであろう。
その事をしっかりと頭に入れてほしい。
人間として誇りを持つために。
宇宙暦4921年 生物学者ミラー・オリエス
人の感情とは変わりやすいものである。
その証拠に未来はなのは達との約束をすっかりと忘れていた。
それはたったの一週間前の出来事だった。
その日、なのはが未来の前にやって来た。
「未来君、お願いがあるの。もう魔法が関係していることは私に任せてほしいの。」
「それはどうして。僕たちの仕事に大きな影響があるのだが。」
「最近、ちょっと厄介な組織がいるんの。その組織は人をたくさん殺していてね。未来君に関わって死んでほしくないの。」
それはなのはの正直な気持ちだったのであろう。
そしてその事を悟った未来は、
「わかった。努力しよう。」
とだけ答えた。
安心したなのはは、
「仕事があるから帰るね。」
「うん。気を付けてね。最近物騒なんでしょ。」
「気をつけて帰るね。」
なのはが帰っていくと未来は、
「なのはが言うような組織があるんだ。ちょっと調べてみようかな。」
未来がパソコンを出すと、すぐに検索を始めた。
出てきたのはなんと、未来が手を結んでいる、フッケンバイン一家だった。
すぐに未来はカレンに電話をしようと思っていた。
しかし天井から物音が聞こえてきたので、カレンの携帯電話に空メールを送った。
すると未来の予想通りに天井から着信音が聞こえてきた。
「カレンさん、そんなところで何をしているんですか?」
「時空管理局員と坊やの会話の盗み聞き。」
「そうですか。わかりましたから、降りてきてください。」
「わかったよ。天井の一部が開いて、降りてくるカレン。
「今回は何のようですか?」
「いい情報があったのよ。」
「その情報とは一体何ですか?」
「管理局に戦闘機人の一部が入ることになったらしいわよ。」
それを聞いた未来は、
「どうでもいい情報だった。」
この様に、なのはと約束したその日に約束を破っていた。
「今度の事件は、またフッケンバイン一家かよ。もう少し自重してくれないかな。」
すると放送でシュテルとディアを呼び出した。
「フッケンバイン一家のところにいって来て、そこでこの書類をカレンに渡してきて欲しいんだ。もちろん危険だから気を付けてね。」
「分かりました。」
「我を誰だと思っている。心配などいらん。」
「では早速行ってきてくれ。座標は此処だから。」
シュテルとディアはゆっくりと本部長室を出ていった。
「何だか嫌な予感がするのだが気のせいだろうな。」
「ええ。私もそう思います。」
「スミマセン、未来エリアA本部長の使いでやって来ました。夏村シュテル大佐です。」
「同じく、夏村ディア大佐です。」
そこにはまだ若い男性がいた。
「僕はフォルティスと言います。カレンから話は聞いているのでどうぞ此方に。」
二人は案内されるままに着いていった。
「二人は人間ですか?」
フォルティスが二人に聞いてきた。
「今はそうですが、昔は魔導書のマテリアルでした。」
「マテリアルですか。私たちのことは聞いていますか?」
「いいえ何も聞いてはいません。ただ協力関係があるとだけ聞かされています。」
それを聞いたフォルティスは、
「なるほど、未来さんは約束を守っているのですか。正直言いますと驚きです。」
「そうですか。でも未来は絶対に約束は守る人だと思っています。」
「そうですか。そちらの方も同じ意見ですか?」
ディアにも聞くフォルティス。
でも返ってきた言葉はおなじだった。
「当たり前だ。我らの兄貴は損しっかりしておる。」
「そうですか。わかりました。」
そうするとフォルティスが立ち止まり。
「この中にカレンがいます。」
「案内ありがとうございました。」
「世話のなった。」
二人はカレンの部屋に入っていった。
「未来エリアA管理本部長から手紙を預かってきました。」
そう言いカレンに渡すと、
「わかったわ。ちょっと待っててね。」
カレンが何かを書き始めた。
数分して書き終えると、
「これ坊やに渡して頂戴。」
「わかりました。失礼します。」
「失礼した。」
二人は出ていくと、またフォルティスがいて、出口まで案内された。
そして急いで帰って未来にカレンの手紙を見せると、
「よくやってくれた。これで当分平和になれる。」
と言い嬉しがっていた。
ページ上へ戻る