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DQ3 そして現実へ…~もう一人の転生者(別視点)

作者:あちゃ
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ツッコミとボケでは、ボケの方が強い…様な気がする。

「折角譲って頂いた船ですが我々には不要となり、仲間の水夫等に託しエコナバーグを中心に使用させる事になりました。陛下のお心遣いを蔑ろにしてしまい、申し訳ございません」
アホの子の嫌がらせスピードに耐え、やって参りましたポルトガ。

パパ・アホの子・魔物の3名以外は恭しく頭を垂れ、貰った船を手放すことに詫びを入れる。
私…パパが恭しくしている場面って見たこと無いなぁ…
あるの、そんなシーン?

「よいよい…船はお前達に譲ったのだから、その後どの様に利用するかは、お前達の自由だ」
そりゃそうよ。
黒胡椒と物々交換なんだから…

「とは言え…何故に手放す事になったのか…それは聞きたいのぉ…」
王様はニヤつきながらワケを聞いてくる。
この顔…本当は知ってるわね!

「はい、陛下!それは…「それはこの子だ!」
でも根が真面目なアルルさんは、律儀に本当の理由を告げようとする…しかし根が不真面目なお父さんに阻まれ、戸惑っちゃってますよ。

「オッス!ラーミアだよ」
幼女を目の前に見せつけ、教え込んだ挨拶をさせる。
「…オッス、ポルトガ王だよ!………で、この少女が何だと?」
ポルトガ王もノリがいい…

「うん。実はね…驚いちゃう事に、この子ね………船酔いが激しいんだ!だから『船、もいらなーい!』という事になった」
「何と、それは驚きだな!」
何だこの意味の分からんやり取りは!?

「何だその理由は!!そんな訳無いじゃないですか!真面目にやって下さいよ父さん!」
皆が思い、でもめんどくさくて言わない事なのだが、真面目なお兄ちゃんは鋭いツッコミとして繰り出す。

「ほぉ~…流石はリュカの息子だ。見事なツッコミ!相変わらずお前の周囲には、良い突っ込み役が居るのぉ…羨ましい」
「当然です!僕の息子ですよ!この子はプロのツッコミニストですからね!」
お、新しい肩書き追加!
パパの子 兼 天空の勇者 兼 王子様 兼 真面目っ子 兼 アルルさんの彼氏 兼 プロのツッコミニスト…
忘れた肩書きは無いわよね?

「何と、プロだったのか!?道理で………」
道理で何だよ!
育ってきた環境の所為だよ!『セロリ』だよ!

「何で納得してるんですか!?つかツッコミニストって何だよ!」
ここにもツッコミニスト発見!
ん~…ウルフはセミプロってとこかしら?

「うむうむ…リュカの息子程では無いが、これまた良いツッコミだ!」
「良いだろう!コイツも僕の義息子(むすこ)になるんだぜ!僕の娘を喰べちゃったからね(笑)」
間違っちゃないが、言い方を変えろ!

「何と…お前の娘と…う~む…リュカの娘とは、そちらのお嬢さんの事だろ?」
「は、はい。娘のマリーです!」
きゅ、急に話を振るなよ…

「そうか…ウルフと言ったな…お前は幼女趣向者だったのだな!?変態君め!」
言い返せないからカチンとくる!
「な…ち、違「違うよ。ウルフは変態じゃないよ!」
でもお父さんが否定してくれた。
流石はマイパパ!

「コイツはねエロガキだから、バインバインの美女が大好きなんだよ!」
うむ…事実だろう。
お母さんに視線が向いてる時があり、甚だ不愉快な時がある。

「ほう…その割には、手を出したのが年端もいかぬ幼女というのは、些か説明が必要なのでは?」
先行投資だと思えよ。
「うん。それはね僕の娘…マリーは着痩せをするんだよ!今は服を着ているので、小さく見えるけど、脱いだら絶品だぜ!…見る?」

“見る?”と来やがった!
「見せねーよ、バ~カ!!」
脱いだってツルペタだよ!
ちょっぴりポッチが出てきただけで、まだまだツルペタだよ!!

「わっはっはっはっはっ!面白いのぉ…お前等と会話していると、最高に楽しいぞ!何せ相変わらず余の部下は、ツッコミ下手だからなぁ………」
「なるほど…相変わらず使えねーんだ!ったく、何の為に今の地位にいるのやら?」
もうツッコミニスト育成学校でも造れよ!







今日はロマリアの日です。
近所のスーパーのセールの日ではありません。
ロマリアの王様に挨拶に来たって事です。

例の面子だけが頭を下げない中、誰も気にすることなく話が進んで行く。
…ちょっと違うな。
誰も気にしないのではなく、気にはしてるが誰も何も言えないのだ。

「…そうか、遂にバラモスと戦うのだな。我らは何もしてやる事が出来ぬが、皆の無事を祈らせてもらうぞ」
「そのお言葉だけで十分でございます。必ずやバラモスを倒し、世界に平和を取り戻します!」
本当にアルルさんは真面目だ。
こんな状況でも節度を守ってる…まぁ、常識人としては当然なのだろうけど。

「十分じゃねーよ…部下の1人くらい、派遣しても良いじゃん!…祈るだけかよ」
そして常識人では無い男が、またしても常識では無いことを言い出す。
「な、何言ってるんですか父さん!僕等の旅は危険極まりないんですよ!下手したら命を落としかねないんですよ!!」
もう一人の常識人が慌てて父親を叱り付ける。
大丈夫なのに…王様、笑ってるよ…怒ってないよ…

「んだよ…本当の事だろ。危険極まりないのに、まだまだ若い(アルル)達が挑んで、歴戦のロマリア兵が祈るだけなんだぜ!……それともロマリア兵ってば弱いのかな?まぁ見た目弱そうだもんな!(大笑)」
まぁ考えてみればそうね。
でも大声で言う事じゃないのでは?
ロマリア兵の皆さんが青筋立ててご立腹ですわよ…

「隊長…あんな事言われてますよ!?良いんですか?ここは歴戦のロマリア兵である近衛騎士隊長が出張ってみては?…近衛騎士隊の事なら大丈夫です!副隊長の私めが、隊長代理を全うして見せますから。何だったらそのまま隊長になっても良いですよ!」
おや…ご立腹じゃない例外がお一人。

「な…そ、それは…」
一体どんな精神なのか、この状況に乗っかり上司を小馬鹿にし始めた。
ご立腹から一転、ブルってる上司を見て大笑いする副隊長さん。
どこにでも居るのね…こんなヤツ。

「おいおい…近衛がそんなんで大丈夫なのか?ロマリアって結構大国だと思ってたんだけどなぁ…」
「いくらリュカ殿でも、今の言葉は許せませんね!今、此処に居る近衛兵達は、我が国でも有数な貴族様達ですぞ!だからこうして陛下のお側で、権力だけを振り回しているんです!貴族の家柄に生まれなければ、兵士にすらなれないヘタレ共です!…ね、隊長!そう言えば隊長は侯爵様でしたね(笑)」
どっちもすげ~…
ロマリア人じゃないからこそ馬鹿に出来るお父さんと、ロマリア人だからこそ馬鹿に出来る副隊長さん。
兵士の皆さん、小刻みに震えてます(笑)

「つまり…アホたれ貴族が実力のある平民達を危険な前戦に追いやり、自分たちは後方で安全に我が儘に威張り散らしているって事?」
「その通りですリュカ殿!…しかし悪い事ばかりではありませんよ…前線に出るという事は、私の様に平民出身でも、功績を立てて出世する事が出来るのですから!」
物は言いようね…

「その割には、お前は副隊長なんだ…ロマリア王は人を見る目があると思っていたが、存外大したことは無いの?」
「私が隊長になれないのは、平民の下には就きたくないと言う、素晴らしい意見をお持ちの貴族様方がいらっしゃるからですよ。陛下は素晴らしいお方です!勘違いなさらずに…」
ここまでの会話で、笑っているのは3人。
パパと副隊長さんはOKとしても、何故に王様も?

「ふ~ん…貴族が随分と力を持ってるんだねぇ…そう遠くない未来に、この国は潰れるね!」
止まらない侮辱…
我慢出来ない兵士達…

遂に1名を除く兵士達が襲いかかってきた!
顔を真っ赤に染め上げ、勢い良く剣を抜き放ち、凄い勢いで迫り来る!
「バギマ」



彼等の名誉の為に私は何も語らないでおく…
ただ一つ言えるのは、唯一襲いかかって来なかった副隊長さんが、お父さんに特別料理を振る舞って、頭をひっぱだかれました。

アイツ面白い!







さて、日付も変わり本日は新しい家族に対面する日です。
多くは説明しませんが、新しく家族が増えました。
イシスって国に、新しい家族が増えました。
異世界なんだけどね………


「お父さん、赤ちゃんに会うの楽しみだね!私の妹、可愛いといいなぁ」
お母さんの機嫌がちょっと悪いけど、こんな美味しいイベントをスルー出来ない私は、煽る様に話しかける。
でも主役のパパは無表情…

お城に入って暫く進むと、通せんぼする様に3人の男が立っている。
一体誰でしょうか?
「あっ!あの3人組は確か…アン・ポン・タンだ!」

どうやらお父さんの知り合い(馬鹿にして良い相手)の様で、凄い名前で呼んでいる。
「ち、違う!我らは…「トン・チン・カンよ、お父さん!」
これまた面白イベントだ…私も一口乗らせていただきます。

「それは『サリーちゃん』に出てくる三つ子だろ!?」
「似た様なもんでしょ」
流石マイパパ…良いツッコミです。

「違うと言ってるだろ!」
静かな城内に響く3人の声。
ジョークも分からんとは…

「だって名前なんて知らないもん!」
「じゃぁ何で『アン・ポン・タン』とか言うんだよ…」
流石はプロ。
冴え渡るツッコミ…私など足下にも及びません。

「わ、私はエドガー!」「我はアラン!」「俺は…「もういいよ!退いて!」
凄い!
あのタイミングで話を遮断するとは!?
気にはなるけど、逆につまらなかったらムカつくので、これはこれで良い。




「お父さん…最後の1人の名前って何だろうね?やっぱりあの流れからだと『ポー』かな?」
エドガー・アラン・ポー…まさかねぇ?

「知らね!あそこで『三波春○でございます!』なんて言われたら腹立つから、聞きたくなかった!」
「ぷふ~っ!ちょ~うける~!!それサイコー、あははははは!」
まさか“レッ○ゴー三匹”でくるとは思ってなかったわ!
やっぱスゲー…お父さんはスゲー!



さてさて、程良いお笑いムードに浸ったとこで、女王の執務室へ到着。
女王様は机で書類を決裁中です。
「レイチェル…お邪魔するよ~」

「あ、リュカ!!」
だけどお父さんの姿を見た途端、書類を投げ捨てて抱き付く女王…
いいのそれで?

「リュカ、見て見て!私頑張ってアナタの子を産んだのよ!」
女王様はお父さんをベビーベッドの側まで連れて行くと、自慢気に赤ん坊を紹介する。
「うわぁ~!可愛い女の子だ!名前はもう決まってるの?」

「本当はね、リュカの名前に因むつもりだったんだけど…大臣達が全員反対しちゃって…だから私の名前に近くしたの。その子の名前は『レティシア』よ…私とリュカの子レティシア」
そりゃそうだ…子育てどころか、籍も入れない男の名前など、周囲の者が認めないだろう。

「レティシアか…僕とレイチェルの子だし、将来はきっと美人になるね!」
「母親みたいに、変な男に引っかからなければ良いね…」
ちょうど良いタイミングだと思い、お母さんの不機嫌さを増す様なことを言う私。
う~ん…修羅場でゴー!

「あらマリーちゃん!私は変な男になんか引っかかって無いわよ!むしろ最高の男性に出会えたと思ってるわよ!」
しかしお脳の配線が何処かおかしい女王様は、私の言葉を全否定する。

「そうよね女王様!私もリュカに出会えて最高ですもん!」
しかも目的のお母さんまでもが同意し、修羅場が遠ざかって行く!?
「そうですよねビアンカさん!やっぱりリュカは最高の男性ですよね!…良いなぁビアンカさんは結婚出来て…羨ましい!」
どうなってるんだこの女共は!?

私が少数派なのか?
まぁいいさ…
マイノリティー…上等よ!



私はその日の晩にベッドで彼氏に断言する。
「私は浮気を許すつもりはないわよ…」



 
 

 
後書き
『魔女っ子美少女 マイノリティー・マリー』
「多数を憎んで、少数愛す!愛と美貌と偏見の魔道士、マイノリティー・マリー参上!」
登場の科白はこれでよし!

「生まれ変わって反省してね♥」
例の決め科白…こんな感じでどう?

ストーリーは、
悪の大集団“マジョリティ・ヒーローズ”は、多数決で世界を征服する為、民主制国家の選挙に立候補する。
しかし“少数こそ我が使命”と思い込んでいる、愛と美貌と偏見の魔道士マイノリティー・マリーが、武断的方法でマジョリティ・ヒーローズを駆逐するお話。

私は書かないけど、皆さんの心の中で仕上げてください。 
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