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レインボークラウン

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第三百十三話

              第三百十三話  先生の言葉
 亜美は塾に行く途中にだ、使い魔達に尋ねた。
「どやろか」
「塩ですね」
「そのことで、ですね」
「そや、先生達に見せるけどな」
 その造ったそれをというのだ。
「どない言われるやろな」
「そうですね、本来中学生で造るものを造られましたし」
「しかも完全なお塩です」
 二匹は亜美に応えて言う。
「出来も万全で」
「しかも努力の結果です」
「先生方にとってもです」
「怒られるものではないと思いますが」
「ほな見せて大丈夫やな」
 亜美は二匹の言葉を受けて言った。
「うちも造って怒られるのはな」
「はい、苦労されましたし」
「それで怒られるとなりますと」
「やはり誰でもです」
「いい気持ちはしません」
「褒められたいとは思わんけど」
 それでもというのだ。
「やっぱり怒られるのは嫌や」
「特に悪いことをしていないなら」
「尚更ですね」
「そういうこっちゃ、そやったらな」
 また言った亜美だった。
「見てもらおか」
「これから塾に行き」
「そのうえで」
「見てもらうわ」 
 塾に行く途中にこうした話をしてだった、そのうえで。
 亜美は実際に塾の授業がはじまる前に今田先生と今日子先生にその塩を見せた、そしてこう言ったのだった。
「錬金術で作ってみたんですけれど」
「あら、そうなの」
「それはまた凄いわね」
 先生達は亜美の言葉を聞いて笑顔で応えた。
「凄いわ、本当に」
「本来は中学生で造るものなのに」
「それを出来たなんてね」
「努力したのね」
「ええ、うちやりました」
 笑顔で応えた亜美だった。
「何とか」
「その意気でこれからも頑張ってね」
「よくやったわ」
 これが先生達の感想だった、その感想を受けてだった。
 亜美は授業を受けてだ、その後で。
 意気揚々として家に帰った、家に帰るまで終始笑顔でそれが変わることはなかった。最高の気持ちで家に帰ることが出来たのだった。


第三百十三話   完


                          2016・2・5 
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