ドリトル先生北海道に行く
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第三幕その四
「冷凍技術は確かに素晴らしい技術だから」
「皆に沢山の美味しいものを食べさせてくれる」
「そうした技術だから」
「科学自体をですね」
「否定出来ないよ」
「先生は科学を否定されていませんよね」
「否定しても何もならないよ」
こうも言った先生でした。
「文明は否定をしても」
「何の進歩もありませんね」
「そうだよ、文明は悪じゃないんだよ」
「善悪の問題じゃなくて」
「光と陰がある」
その両方がというのです。
「あるからね」
「だからですね」
「そう、陰のことを理解して」
「光の部分を活かすべきですね」
「そうするべきなんだよ」
「そういえばこの北海道では牛乳も有名で」
ここでトミーはこのことについても言いました。
「メロンもありますね」
「ハウス栽培とかでね」
「何かさっきお話に出た料理漫画ですけれど」
トミーは烏賊の姿焼きを食べつつお酒を飲みました、それは白ワインですが烏賊ととても合うものでした。
「牛乳の消毒は熱消毒ですね」
「うん、高温で二秒か三秒だよ」
「そうするよりそのままとか低温でじっくりの方がいいんですよね」
「その方が味がいいんだ」
先生もこのことは否定しません。
「けれど手間を考えたらね」
「高温でさっとする方がですね」
「いいんだ、それに栄養は確かにあるし」
「問題ないですね」
「そう、それにね」
それに加えてというのです。
「ハウス栽培のメロンだね」
「他のお野菜や果物もですけれど」
トミーは食べながら先生にお話していきます。
「ハウス栽培や農薬のせいで栄養が減ってるとかありますよね」
「それは間違いだよ」
「そうですか」
「そう、栄養が極端に減っているとだね」
「今の野菜や果物はそうだと言っていますよね」
「それも違うんだ」
先生はこう言うのでした。
「僕は農学も学んでいるけれど」
「ハウス栽培とかは関係ないですか」
「農薬もね。農薬や除草剤は使い過ぎは確かによくないけれど」
これが陰です。
「ある程度は使わないとね」
「害虫に作物がやられたりして」
「除草剤もそうだね」
「はい、雑草に作物がやられますね」
「必要なんだ」
「使い過ぎがよくないんですね」
トミーの先生のお話を聞いて頷きます。
「つまりは」
「そうなんだ」
「それでハウス栽培も」
「そうだよ、どんな季節でも色々なものが食べられるものだよ」
だからいいというのです。
「ビタミン等の栄養が減っているっていうね」
「昔の野菜や果物と今のでは」
「それは違うんだ」
「減っていないんですか」
「野菜や果物の栄養はそうしたことだけじゃわからないんだ」
先生は海鮮丼、鮭やイクラや雲丹がたっぷりと乗ったそれを食べながらです、そのうえでトミーにも皆にもお話します。
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