『最低な女』

作者：零那

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『弱さ』

未桜は逃げるのが嫌いなくせに逃げてばかりだった。
もう蒼と向き合うのが怖かった。
孝史を信じ抜く勇気も無かった。
陸に逃げたのだった。
流されるまま陸に身を委ねた。

陸と改めて2人で逢った時､未桜はﾃﾞﾘの事も孝史の事も話した。
蒼との関係に不満を抱いてる事も。
未桜達家族より自分の親と弟の方が大事だと見える事。
親になるよりﾏﾀﾞ子供で居たい気持ちしかないようにしか思えない事。

陸は､女ﾀﾗｼで有名で､何故ﾓﾃるのか解らなかった。
でも､何となく解る気がした。
決して顔や格好､車などがｶｯｺｲｲわけでは無い。
雰囲気が柔らかいし､あーだこーだと文句つけてくることが無い。
基本的に穏やかで優しい。

最初はそれだけで良いように思ってしまう。
後々､いい加減な性格だと解ってくる。
考えてくれてるようで実は何も考えてくれてない事も。

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