歌集「春雪花」
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春になれど
われ立ち枯れて
心侘し
君隠しける
濃いし夜の霧
やっと春になり少しずつ暖かくなってはきたが、私は歳をとり…まるで草木が立ち枯れたように心まで虚しくなっている…。
夜になれば未だ春を追い返さんとするかの様に寒くなり、まるで私から彼を隠すように濃い夜霧が辺りを覆う…。
この歳になり思う…私に恋など分不相応なのだと…。
痛みしも
捨て切れぬ恋と
思へども
消せぬは何に
寄り掛かるべき
どれだけ辛くとも…手放すことの出来ない想い…。いかに許されぬと解っていても…捨てられぬ恋心…。
そうとは知りつつ彼への恋慕を消せぬ私は…一体何に寄り掛かれば楽になれるものだろうか…。
日々は溜め息に流れ…私の躰は時に埋没するのみ…。
助くるものは…ありや…?
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