ソードアートオンライン〜災厄の剣
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最悪の始まり
「おーい、和人〜、そろそろソードアートオンラインの正式サービス開始だろ〜」
と言いながら、入ってきた。女にしてはガサツだし男にしては、顔が女よりだ。そして、和人と呼ばれた少年は、
「なんだよ、雷、入るときはノックぐらいしろよ」
「こっちは、さっきSOOをクリアしてきたんだ。ノックなんて面倒だろ?」
「いや・・・」
「まあいいや、いつも通りプレイヤーネームはレイだ」
「こっちもキリトだ」
とログインしてからのことを少々話し雷は自室に戻った
「SOOを始めてから2年か〜結構経ってんな、まあ次はSAOだ」
今の時刻は11時56分
「後、4分か、いつも通りのアバターでいいかな?」
11時59分
雷はベッドに寝転がりナーブギアを頭につけた。
「行ってきまーす」
との和人の妹の直葉が部活に行く声を聞きながら、こう言った。
「リンクスタート」
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「ここがソードアートオンラインの世界」
とワクワク状態のレイ。
「っと、和、いやキリトを探さなちゃ」
噴水前に和人と同じ気配のアバターがいた。
「キリトであってるよな?」
「ああ、てことはレイか」
「ご名答、髪の色と身長は変えてないからな」
「俺は色々変えたよ」
side レイ
やっぱりVRMMOは凄いよな。
SOOはこのSAOの試作的な感じで作られたらしいし、まあ楽しかったから。
SOOはSAOの試作品だからな。まあβテストとも少し違うけど。
「レイ?」
「ん、あ、ごめんごめん、考え事」
「モンスター狩るんだろ?」
「ああ!」
茅場晶彦にはこんな世界を作ってくれて嬉しい
「おーい、そこのあんたら〜」
俺とキリトは走るのをやめて呼ばれた方を見た
「あんたら、βテスターだよな?その迷いのなく動いていたから」
ん?俺はキリトに着いて行ったから俺は関係ない・・・けどな!
「俺はそうだけど、この白髪のは違うかな」
「俺にレクチャーしてくれよ〜」
「なあ、キリト、俺は別に構わねぇよある程度教えて貰ったら一人で行動するし」
「じゃあ、いいよ」
「俺の名前は、クラインだ」
「俺はキリトだ」
「レイだ」
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「どわぁ」
クラインはフレイジーボアに吹っ飛ばされていた
で、俺はやってみたいことがあったので実践してみることにした。
「スキル スラスト」
別に声に出さなくてもいいんだけどでもスラストだけは、SOOでは剣が光ったがSAOでは光らなかった。
「...でも、動きは真似出来るな、よし、ソードスキルの練習っと」
「こうやればいいんだよ」
キリトは投擲スキルの『シングルショット』をした。
「こうって言ったってなー」
「見ろよ、クライン。レイなんて初心者なのに出来てんぞ」
まあ、俺が出来るのはSOOのおかげだけど・・・
「じゃあ、キリト。俺ちょっと色々回ってみるから、じゃあなー」
背中の鞘に片手剣を納刀して走った。
「ユウナも買ったって言ってたしログインしてっかな?」
俺の目の前にフレイジーボアがポップした。
「スキル ヴァンスラスト」
8連撃の動きをしてフレイジーボアを倒した。
「スライム程度かよ、迷宮区の場所は教えてもらったからそこに行けばかなりレベリング出来るな」
またフレイジーボアがポップしたので俺はソードスキルのスラントを使ってみた
「はあっ!!!!」
ユウナらしき人物とその隣にもう一人がいた。
「ユウナか?雰囲気的にそうだけど・・・」
モンスターに囲まれてた。
「あれは、危ないな。よし、助けるか」
ソードスキルのスラントを放ちフレイジーボアを倒した
「大丈夫か?えっと、ユウナで合ってるか?」
「うん、合ってるよ。あ、隣にいるのはアスナっていう初心者」
「初心者?まあそれを言うなら俺らもだけどな」
「初心者?さっきソードスキル?使ってたけど」
「まあ俺とユウナはSOOからやってるからな、まあ慣れだな」
「SOOって?」
「えっと、このソードアートオンラインの試作品として出されたゲームなの」
「ああ、500人にしか当たらない凄くレアなゲーム」
「その500人に2人は当たったのね」
「そうそう、まあクリアまで2年経ったけど」
「クリアしたの!?」
「ああ、まあ一応な」
そんな感じでレベリングをして今の俺のレベルは5になった。
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「本当に貴方の剣筋綺麗ね」
「ん?ああ、昔剣道を少し齧ってたからな」
「剣道?」
「ああ、うちのじいさんが剣道場を営んでいてな、小さい頃行ってたからな・・・」
「そこに一応私も行ってたんだけどレイがすぐやめちゃってね」
「まあ、な」
「でも、剣道はもうやってないの?」
「ああ、やめた」
「そうなんだ、そう言えば二人はいつぐらいまでやれるの?」
「ん?まあ、そろそろ飯を食わないといけないからな、今日はこれぐらいにして明日またログインすればいいか。じゃあログアウトするわ」
と俺はメニューを開きログアウトがあるであろうところを見た。
「えっ?ログアウトボタンがない。」
「そんなことあるわけないでしょ」
「いや、今日が正式サービス開始だからな。バグとしては不自然だ。それに開始から4時間も立ってるし普通でも直せる」
「つまり?」
とユウナが言った。
つまり、ログアウトが出来ないゲームになってるという事だ。
「ログアウトボタンでログアウトが出来ないって事は、この世界に隔離させたって事だな」
とアスナとユウナに説明した時に鐘の音がなった。
「アスナ!ユウナ!俺から離れるなよ!」
と言った時にはもうログインした時に来る始まりの街に戻されていた。
「始まりの街?なんで、GMからの謝罪か?」
《SYSTEM ANNOUCE》《WORKING》?
つまり、GMからの報告か?ログアウトが出来ない事にか?
「ようこそ、私の世界へ」
私の世界?つまり、SAOを作ったのは茅場晶彦なのか?
「ログアウトが出来なく驚いているだろうが、これはソードアートオンラインの本来の使用だ」
「むちゃくちゃだろ、なんなんだよ」
と誰かが言った。
確かに無茶苦茶だ。
ゲームとしてはふざけてる使用だ。
それに俺たちの現実の身体はベッドの上にある。食べ物を食べなければ死ぬ。
「それに、もう仮想世界と現実世界から213人も人間がリタイヤしている。それはマスコミから放送させている。ナーヴギアを取れば高出力のマイクロ波が流れ脳が焼かれて死ぬ」
「ねぇ、そんなことが出来るの?」
「ああ、ナーヴギアには電子レンジと同じ仕組みがあったと思う。それに、停電とかになってもバッテリーがあったから大丈夫だった筈」
「諸君らが解放されるのはこのアインクラッドの100層にいるボスを倒せばクリアされる。最後に諸君らにアイテムをあげよう、アイテムストレージを見てくれ」
SOOを作ったのも茅場だ。
それに俺はソードスキルよりスキルの方が使い慣れてるここは茅場なら調べて俺にスキルを与えることができると思うがここは駆け引きだ!
「おい!茅場!俺と取引しろ!!取引内容は俺のソードスキルをSOOの時にスキルに交換だ!」
「ソードスキルとSOOのスキルの交換か・・・まあ、いいだろう。君のIDは確かにSOOにログとしてある。君が使っていたスキルだけでいいのかい?」
「ああ、十分だ」
「レイ!どういうこと?」
「俺らはSOOの方が長くやってるソードスキルの動作までが長いから違和感があったんだ。だからSOOのスキルにした」
と俺は茅場が言ってたアイテムをアイテムストレージから出した。
「なんで、俺のリアルの顔になってんだ!?」
少し焦っていた。
「では、諸君らの健闘を祈ろう」
と茅場は言って消えた。
あちらこちらからは『嫌だ』だの『帰せ!』とか声が聞こえる。ここで、俺も焦ったらユウナ達も焦る。最適な答えを出せ。
「アスナ!ユウナ!俺について来てくれ!βテスターのとこに行って次の街に行くんだ」
キリトに会えば次の街までアスナ達を守れる。それにクラインもいるから5人でいけば・・・!
「「うん、わかった」」
2人の声が聞こえた。
キリトとはフレンドになっているため場所がわかった。
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「キリト!ちょっと待った!」
「レイ!?どうしたんだよ」
「よし、クラインもいるな、いいか?今から言うことをよく聞けよ」
「それよりも後ろの女の子2人は誰だよ」
「それに、おめぇ誰だぁ?」
「レイだよ、キリトと一緒にレクチャーしてやったろ」
「レイ!?おめぇ、女だったのか!?」
「ちげぇよ!男だ!悪かったな!女っぽくてっ!で、後ろにいるのはユウナとアスナだ。アスナはVRMMOが初めてでユウナは俺とSOOでコンビを組んでた。それで充分か?」
「ああ」
「で、次の街に急いで行くぞ、理由はここにいても1万人がエリアに出て狩りをするんだ、一気にモンスターがいなくなる。だから、次の街でレベリングするんだ」
「ちっと待ってくれ!オレェには他のゲームから一緒にやってた仲間がいるんだぁ。そいつらを置いていけねぇよ」
「じゃあ、さっさと連れて来い!俺らが守りながら連れて行く」
「わ、わかった!」
よし、これで大丈夫な筈だ。
レベルがあまり上がってないキリトとユウナを前にしてクライン達を真ん中にレベルが高い俺とアスナを後ろにすれば大丈夫な筈。
「そう言えば、レイはレベルどのくらいだ?」
「俺か?レベルは6だな」
「早!どうやったらそんなに上がるんだよ」
「ユウナ達と会う前にもモンスターを狩ってアスナに教えてる時も実演しながら戦ってたからな。で、キリトは?」
「俺は2だ」
やっぱりな、クラインに教えてた時もキリトは狩ってなかった。
「おーい、連れてきたぞっ!」
「よし、なら、いいか。陣形を言うからな。まずルートを知ってるキリトと片手槍のユウナが前衛でクライン達は中衛で俺とアスナは後衛で来た敵を教える。いいな。よし、じゃあキリト、案内頼む」
「あ、ああ」
side out
キリトは思った。
なんでこんなにレイは冷静なのかと。自分でも焦っているのにこんなに冷静で居られる理由は何かと。
side Rei
「よし、行くぞ」
ホルンカまでキリトとユウナに任せよう。
「ねぇ」
「ん?なんだよ」
「どうしてそんなに冷静なの?」
「冷静じゃねぇよ、心底焦ってる。でも焦ってもいいことはないし焦ってたら死ぬだけだ」
「・・・そうだね」
「あ、それにアスナ」
「なに?」
「今、みんなリアルの顔だろ?それに、ソードアートオンラインは女性率が低いらしいし顔があまりバレたくないならフード被った方がいいぞ」
「あ、ありがとう」
「どういたしまして。キリト!後どれぐらいになる?」
「もう少しだ!」
「了解」
もう少しでホルンカに着くのか。1日過ごして装備を整えて・・・
「着いたぞ!」
「本当か!」
「ありがとな、レイ、キリト」
「ん?ああ、別に気にすんな」
「レイの言う通り」
「じゃあ、クライン達はキリトにでも戦い方を教わればいい」
「レイはどうすんだ?」
「俺は、なんかメールが届いたからちょっと確認するだけだ」
「メール?」
「ああ、じゃあ、また後でな!」
俺はキリト達と別れてホルンカに入った。メニューを開いてメールを確認した結果茅場からのメールだった。
『レイ君、君のSOOの装備を拝見した結果これを使っていたからこれを送ろう』
何を送ってくんだよ、茅場は
『装備名 災厄の剣』
っ!?なんで災厄の剣があんだよ!?
「なんで!この剣があるんだよ!」
災厄の剣とはほとんどゲームバランスを崩すぐらいのぶっ壊れ武器だ。茅場の奴これでクリアしろってか?それに筋力要求値が高いからまだ装備できないし・・・
「ちょっとっ!」
「アスナ!?」
「どうしたの?いきなり」
「いや・・・ちょっと・・・な?」
「疑問系で言われても、メールがなんとかって言ってたよね?なんのメールだったの?」
「いや、うん、なんだろ、武器だった」
「武器?」
「ああ、茅場から武器が届いた。最強の武器」
「え?」
「だから、SOOで使ってた武器だよ、名前は災厄の剣」
「なんでその武器が最強なの?」
「えっと、筋力要求値が異常に高いしこれを装備すると不運と幸運が上がってSTRとAGIが1,5倍。俺にとってこれは愛剣だった」
「へぇ〜あ、キリトくんから伝言」
「キリトから?」
「うん、『俺もそろそろ向かうから宿で会って明日に予定を話そう』だって」
「了解、ありがとな。じゃあ、宿でも取るか」
「うん、でもなんで君はここまで私達を強くするの?」
「・・・1日で213人死んだ。その中にβテスターもいた筈だ。βテスターは1000人。その中の何人かが死んだら攻略が出来ないと思うだろう?」
「うん」
「そしたら、このゲームはクリア出来ないしリアルでの俺たちの身体がどうなってるのかもわからない。それに長期間、リアルではご飯を食べてないからいつまで生きてられるからわからない。つまり、ビギナーを強くするしかないんだ」
「そう・・・だね」
「だから、アスナ」
「なに?」
「俺とコンビ組まないか?俺ならアスナを守ってレベリング出来るしアスナもレベリング出来る」
「ユウナはどうするの?」
「ユウナは、今頃キリトにコンビを組む話でもしてると思うぜ」
「よくわかるね」
「だって、SOOでは2年コンビ組んでたんだぜ。それぐらいわかるさ。それに、ここも他のプレイヤーがいずれかは来る。だから、迷宮区に近いトールバーナに行って迷宮区を攻略しながらレベリングするのが一番いい」
「そうした方がいいかもね、でも死んだらどうするの?」
「死ぬ?何言ってんだ。俺が死なせない。絶対に」
そんなクサイセリフを言ってたらキリトからメールが来た。
『明日、片手剣が取れるクエストに行かないか?』
「・・・あの剣が使えるようになるまではその剣で行くか。それに、鍛冶スキルもあげておかないと」
「どうしたの?」
「明日、俺とキリトが使ってるスモールソードじゃなくて違う片手剣が貰えるクエストがあるらしいからそれに行ってくる」
「そっか、じゃあ私はユウナ達と一緒にレベル上げするね」
「ああ、それにキリト達が来たし宿に着くまでに決めておいてくれよ?」
「何を?」
「コンビ組まないか組まないかを」
「...うん」
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「じゃあ、明日の予定を決めよう」
「俺達は、ユウナさんとアスナさんと一緒にレベル上げしますよ」
「わかった。じゃあ、俺とキリトは新しい片手剣を貰えるクエストに行ってくるよ」
「ねぇ、キリトくん、私の片手槍ってどうすればいい?」
「片手槍か・・・情報屋の《鼠》に聞けばいいんじゃないか?」
「情報屋ね、わかった。聞いてくるよ」
「それに、ユウナ」
「ん?何?レイ」
「死ぬなよ」
「大丈夫だって!いざという時はキリトくんが守ってくれるから」
「そっか、なら安心だな」
ここにいるメンバーなら俺も安心だけど元βテスターのキリトならもっと安心する。
明日、どこまでレベルが上がるか。早い段階で災厄の剣を装備しないと。
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「キリト〜行こうぜ」
「ああ、じゃあユウナ、これが一番レベリングにいい場所だから」
「うん、ありがと」
「レイ君も気をつけてね」
「心配すんなって大丈夫さ」
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「なあ、レイ」
「ん?」
「俺、ユウナとコンビ組むことになった」
「知ってる」
「なんで知ってんだよ!?ユウナから聞いたのかよ」
「いや、なんて言えばいいかわかんねぇんだけど、2年間コンビ組んでたんだぜ、アイコンタクトだけでもわかるぐらいまでいってるさ。で?その片手剣のクエストを受ける場所はここでいいんだよな?」
「ああ、アニールブレードはここで貰えるあるクエストをクリアしたら」
「了解、ささっと受けようぜ」
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「ここにいるのか?リトルペネントだっけ?」
「ああ、あ、言っとくことがあったんだ」
「なんだよ?」
「実付きと花付きがいって花付きじゃないとリトルペネントの胚珠は落ちないんだ。それに、実付きの実を攻撃するなよ?」
「なんでだよ?」
「実を壊した瞬間、大量のリトルペネントが来るからな」
「あ!」
「どうしたんだよ?」
「これで簡単にレベリング出来るじゃん」
「レイって時々馬鹿だよな」
「おい」
レベリングが簡単に出来るということは、災厄の剣を装備出来るまでの時間が短くなるということだ。つまり、第1層での俺の目標レベルは、20を目指して2層目で50を目指せば
「・・・1層で20を目指せば」
「レイ?1層で20って安全マージン取りすぎだろ」
「まあいいだろ、じゃあキリト!どっちが多く殺るか勝負な!」
と俺は言って、リトルペネントを探しに行ったが元βテスターのキリトがいない。つまり、リトルペネントがどんなのかわからないので詰んだ可能性がある。
「って言っても、リトルペネントがどんなのか知らなかった。聞けばよかった」
と項垂れていたら後ろで物音が聞こえた。
「誰だ!」
「・・・ごめん、道に迷った」
「はあ?道に迷ったってそんなに奥にいないぞ?」
「・・・え?」
「それに、お前」
「・・・?」
「・・・妹に似てるな。いや、でもそんな筈はないか」
「・・・君の妹・・・?」
「まあいいや、俺はレイ。お前は?」
「・・・ミズガルズ」
「男っぽい名前だな、まあいいや、危ないから下がってろよ!」
と言った瞬間、リトルペネントっぽいのが出てきた。
「・・・こいつ、リトルペネント、実を壊さないようにね」
「何言ってんだ。実を壊すに決まってだろ?」
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「・・・凄い!」
とレイとさっき知り合ったばかりのミズガルズは口に零していた。
何故なら、リトルペネントの実を壊してレベリングなんて出来ないと思っていたが、目の前にゲームの世界なのに妙に殺気が流しながらリトルペネントを倒していくレイを見て感情をあまり動かさないミズガルズでも興奮していた。
「・・・はあ・・はあ・・・はあ」
と当の本人はざっと300体を倒して寝転がっていた
「・・・まだいたのか、お前もリトルペネントの胚珠目当てか?」
「・・・うん」
「じゃあ、これを送ろ。300体近く倒してこっちは精神的に疲れた。それに、10個手に入ったからな」
「・・・ありがとう」
「ふぅ、終わったから口調をそろそろ直すか」
「・・・口調?」
「ああ、今まで話してる口調違くなかったか?」
「・・・うん、固かった」
「・・・やっぱりな、無意識域で変わってんのか?いや、違うな。意識的に変わってんだ」
「・・・じゃあ、私もそろそろ帰るね・・・?本当にありがと・・・ね?」
「どういたしまして。さてさてさーて、レベルも上がったしどんなスキルをつけようかね」
とレイは、言いながらスキルを付けた。
付けたスキルは、戦闘時回復、索敵、限界重量拡張を付けた。三つ付けれたというのは、レベルが20になったからである。茅場も驚きのイレギュラーが混じった。
「目標達成だけどまだだな。まあ1層はこれぐらいにして、2層もあげればいいや」
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「あれ、キリト早くね?」
「お前が遅いんだよ!」
「いやいや、レベリングするって言っただろ?何怒ってんだ」
「死んだと思っただろ!」
「はいはい、心配かけて悪かった」
「・・・後で、話あるから部屋に行くね」
「了解」
とアスナとレイは約束するのであった。
「で、レベルは?」
「20まで行ったな。まあ1層はこれぐらいにしてボス戦をしようかなって思ってる」
「「「「「「「20!?」」」」」」
「ん?そうだけど?」
「どうやって?」
「リトルペネントの実をわざと壊して集めて最後の一体の実を壊すっていう単純作業」
「バカなの?」
「ユウナ、言葉がキツイぞ?」
「いや、本当のことでしょう?あの時も同じことをして」
「・・・あの時のは関係ねぇだろ」
とこの時のレイは無意識で口調を変えていた。
レイの心の中にある本質。
雁字搦めにして封印している本質。
自分でも最悪だと思える態度。
本質があってこその今のレイの性格だった。"強く在る"という意思。
「・・・あの世界での話はしないでくれ」
「ごめん」
としんみりとした空気になっていた。
「俺は部屋に戻るから」
とレイはみんなに伝えて戻った
「なあ、レイの過去って知ってるのか?」
「リアルで一緒に住んでる俺でも知らないな」
「私は知ってる。SOOの世界とレイの小さい頃の話。小さい頃の話はちょっとだけね」
「SOO?」
「クライン、それも知らないのか?」
「ああ、だってよぉこれが初めてだぜ?」
「SAOの試作品だよ。500本しか手に入んなかった激レア物」
「まあそのSOOの話しかしないけどいい?」
「ああ」
「おうよ!」
「うん」
とキリト、クライン、アスナの順で頷いた
「レイはSOOの時にギルドマスターをしてたの」
「・・・ギルドマスター」
「あるギルドマスターから『お前はもういらない』って言われてレイはギルドを解散させた。まあ解散させたのは、SOOをクリアしてからだったけど」
「んな!」
「それはひでぇな」
「まあ、簡略したけどそれ+小さい頃の過去が重なってあういう口調になるの」
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「・・・まだ、あの時のことを俺は怯えてるのか?」
『お前はもういらない』
どれほど自分の心に傷が入っただろうか?
でも、小さい頃の過去もあって強く在っていたがそれでも自分の存在意義を否定された言葉だった。
「・・・コンビを組んだらアスナにもああ言われるのかな?」
「・・^ ^そんなこと言うはずないわ」
「アスナ・・・?ああ、そういえばコンビについて考えたのか?」
さっきのこともあって無意識に固くなっている口調。
「うん、コンビを組ませてください」
「いやだよな・・・えっ?」
「え?」
「ユウナから聞いたんじゃないのか?俺の過去」
「聞いたけど、そこまで怯えなくてもいいんじゃない?」
そう、レイはアスナに会ってデスゲーム宣言された時よりも焦っていた。
自分の過去を聞いて"アイツ"と同じことを言われるんじゃないかと勘違いしていた。
「・・・そっか、なら大丈夫か」
とレイはここに来るまでの口調に戻っていた。
「じゃあ、アスナ。明日、キリトから聞いた迷宮区に一番近いトールバーナに行くぞ。そして、アスナのレベル上げだ。いいな?」
「うん」
--------------------------------------------
「よし、じゃあ行くか!」
「うん」
レイとアスナは走ってトールバーナまで行った。
「君は、いつも楽しそうだよね」
「なんでも、楽しくなちゃな。それに、早く1層クリアしねぇと」
アスナは思った。
冷静を装っても焦ってるっと。
「ん?どうした?」
「なんでもない。どれぐらいまでレベルあげればいいの?」
「10後半ぐらいかな。安全マージンを取ってれば安心して攻略ができる」
「つまり、私は今のレベルからどのぐらいまで?」
「今のレベルは?」
「5」
「じゃあ、11あげれば安心していい。実際は階層+5〜10のレベルをあげれば安全マージンと言えるだろうな」
現時点での最高レベルがレイでその次がアスナと言えるだろう。
そして、この二人がSAOで最も早く二つ名が付くのは後の話。
「わかった」
「後、スイッチってわかるか?」
「スイッチ?」
「あ、ユウナから聞いてないのね」
「うん」
「まあスイッチっていうのは相手の攻撃をソードスキルで弾くしてその時にディレイするからパーティーメンバーの一人がすかさず交代してソードスキルを放つこと。わかったか?」
「パリィって?」
「弾くっていう意味。まあ俺の場合スキルのディレイ時間は短いけどディレイは一応あるから俺がスイッチって言ったらソードスキルで相手を攻撃」
「わかった」
--------------------------------------------
「よし、着いたな。アスナ、レベルは?」
「6かな、多分だけどもう少しで7かも」
「わかった。一回トールバーナで回復ポーションを買ってから迷宮区に行こうか」
「わかった」
とレイは、アスナに言った。
多分、最速で迷宮区まで行こうとしているのはレイとアスナだけかもしれない。
いくらスタートダッシュが早くても2日で20まで上げたイレギュラーなレイ。
元βテスターのキリトよりもレベルが高かったアスナ。SAOでも最強はレイだろう。
「なんでそんなに焦ってるの」
「・・・早く"あの剣"を付けて100層まで辿り着く。絶対にだ」
あの剣とは、レイが昨日貰った災厄の剣。
茅場が災厄の剣を渡してくるってことはなんらかの意図があるとレイは踏んでいる。
「あの剣って一昨日教えてくれた剣だよね?」
「ああ、ぶっ壊れ武器」
「話を聞いた時は本当におかしな剣よね」
「まあ、SOOでも手に入れられるのは一人だけだったからな」
「伝説の魔剣・・・?」
「伝説の魔剣か。いいな」
と当の本人は笑っていた
「その魔剣の筋力要求値だっけ?それはいくつなの?」
「150」
「高いの?」
「高いな。SAOの一番高い筋力要求値がどれだかわからないけど、SOOの中では一番高いな」
「そうなんだ、ここが迷宮区?」
「そうみたいだな。キリトに聞いたからここであってると思う。それにモンスターの動きを見てそれを情報屋に売る」
「情報屋に?」
「ああ、情報屋に売って全プレイヤーに見てもらってβテストとの違いを知ってもらう。まあ俺らはβテスターじゃないけどな」
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