SAO〜赤色の誓い〜
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1部 SAO世界
一章 降り立った少年
1.始まりの街
前書き
では、本編のスタートです。
フワッという独特の感覚が消え、俺は顔を上げ、目を開く。
俺が降り立った場所は、巨大な広場の様な場所だった。
……周りを見渡すが、視界には未だ現状を受け入れれず、騒ぎを起こしている大多数の人達しかいない。
「さて、今のうちに探さないと」
俺は右手の指を揃えて下に降った。
すると、ポーンという音と共に、紫色の画面が俺の胸辺りの高さに現れる。
これは、RPGゲーム……というか、大多数のゲームには必須とも言えるメニュー画面だ。
上から、ステータスメニュー、装備メニュー、マップ、フレンドリスト、オプションの5つになっている。
何やらオプションを弄ると、メニュー画面をある程度ならカスタマイズ出来るらしいが……まぁそんな事をするくらいならレベル上げをした方が遥かに良い。
いや、そもそも俺はこの世界に遊びにも、攻略にも、絶望しに来た訳ではない。
俺の目的はただ1つ。
この世界での名前はまだ知らないが……現実での俺の相方である『光』と再開し、この世界を彼女と一緒に生き残る。
ただ、それだけだ。
だから、このゲームにも数は少ないなろうが必ず存在するであろう、この世界を脱出してみせるという希望に満ち溢れた人達には申し訳ないが、俺は攻略などという物に加わる気は全く無い。
そうそう、SAO世界のルールを説明し忘れていた。
この世界では、自身のHPが0になる……一言で言うと、ゲームオーバーになると、ナーブギアによって脳を破壊され、死ぬ。
そして、このゲームから解放されるには、SAOの舞台である浮遊城アインクラッドの100層のボスを倒せば良い。
それだけだ。
それだけで、生き残った人達はこの世界から脱出出来る。
「……とりあえず、早く見つけないと」
もうそろそろ我慢の限界だ。
やっとの思いで、光との交際を認められたばっかりなのだ。
こんな、クソッタレた場所で死ぬ訳にはいかないし、死ぬ危険を犯す理由も見つからない。
早く、早くと、心の奥底から光を求める気持ちが溢れてくる。
俺は、何かに惹きつけられる様な感覚に従い、アインクラッド第1層の、[始まりの街]とか言う名前の街を走り抜ける。
「早く!もっと、もっと早く!」
そう急かしてくる声に従い、俺は出せる限界のスピードを出し、街を走る。
それでもまだ足りないのか、心の声はもっと早くと急かしてくる。
俺は走った。
ただ走った。
そこら辺のプレイヤーや、NPCなんてどうだって良い。
心が求めているんだ。
彼女を。
だから俺は走った。
走り続けた。
そして……走り続けているうちに、見覚えのある後ろ姿が見えてきた。
「はっ、はっ、はぁ……光!!」
俺の声を聞き、見覚えのある後ろ姿が此方を振り向いた。
メラニン色素が他の人より少ないせいか、黒の髪の所々に白が混じる髪。
普段なら優しい笑みを浮かべているのだが、今は少し……と言うかかなり寂しそうな、それでいて、俺を見たことによって発生した、驚きの混じった顔。
すらっとした体つき。
俺は、最後の10mを一気に詰めると、腕を大きく広げ、彼女を……光を抱きしめた。
「……あ、秋彦……君?」
「ああ、そうだ。そうだよ……光」
俺は、光を抱きしめる力を更に強めた。
一方光は、ようやく驚きが収まったのか、今度は嗚咽を混じらせながら、光の方からも、強く、しっかりと抱きしめてくる。
俺たちは、2時間ぶりに再開した。
たった2時間と、思う人だっているだろう。
だが、俺には……俺たちには、2時間は長すぎた。
しっかりと、強く、強く抱きしめ合い、俺たちは……
クソッタレたゲームで、再開した。
後書き
言い忘れましたが、この作品はSAOの二次創作ですので、私のオリジナルで行かせていただきます。
その為、戦闘描写、及び、ゲーム内での出来事などがメインでは無く、SAOから脱出した直後からの現実世界でのお話が、この小説のメインとなっております。
なので、この作品の主人公……まだ名前は完全に出ていませんが、秋彦君と光には、SAO攻略には全く関係しない予定です。
つまりこの小説は、攻略組でも中層プレイヤーでもなく、一層などの低層で暮らし、フィールドには殆ど出ることは無い人達が、主な登場人物となっております。
その為、原作組の皆さんや、ALO、GGO等のストーリーは、この小説にはあまり出てきません。
(あくまで予定ですが……)
そんな、他の作者さんとは全く違うお話ですが、暇つぶしぐらいの感覚で良いので、読んで頂けると幸いです。
では、この辺で。
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