戦国異伝
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第二百四十六話 妖術破りその十三
「よいな」
「わかりました」
「すぐに忍達を出し」
「そうした者達を探します」
「何処に逃げたのかを」
「そうせよ」
信長は弟達によしとした、そして。
馬に乗ったままでだ、今度はこう言った。
「ではな、戦の後始末は明日にしてな」
「今は、ですな」
「休むのですな」
「兵達にはご苦労だったと伝えよ」
そして、というのだ。
「飯を食わせよ、酒も好きなだけ飲ませよ」
「今日はそうして休ませ」
「そのうえで、ですな」
「また戦の用意ですな」
「そして次の戦では」
「うむ、かなりの手傷を負わせたが逃げられた」
魔界衆、彼等にというのだ。
「ならば次でじゃ」
「必ず、ですな」
「滅ぼしますな」
「そのつもりじゃ、その手筈も整えよう」
戦には勝った、だがそれでもというのだ。
織田家、幕府の軍勢は魔界衆との戦に再び勝った。夜が近付く一ノ谷に勝鬨が上がった。しかしそれで終わりではなくだ。彼等との戦はまだ続くのだった。
第二百四十六話 完
2015・10・4
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