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第四真祖一家が異世界から来るそうですよ?

作者:黒螺
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あら、魔王襲来のお知らせ?
   第二話 「箱庭の北側とサラマンドラの内情」

 
前書き
皆様お久しぶりです。

何とか生きている今日この頃・・・・・・引越しだの資格試験だので中々時間が取れずに申し訳ありませんでした。 

 


魔王退治の依頼をジンと話をつけた白夜叉はそのまま古城達を北に送ってくれた。


古城達が移動先のサウザンドアイズ旧支店から出ると、熱い風が頬を撫で、そこからは、街の一帯が展望でき、眼下に街が広っていた。

そんな光景に、飛鳥は大きく息を呑み、胸を躍らせるように感嘆の声を上げた。

「赤壁と炎と・・・・・・ガラスの街・・・・・・!?」

そこは、東と北を区切る、天を衝くかというほど巨大な赤壁。

境界壁から掘り出される鉱石で彫像されたモニュメントに、境界壁を削り出すように建築されたゴシック調の尖塔群のアーチと、外壁に聳える二つの外門が一体となった巨大な凱旋門。

遠目からでも分かるほどに色彩鮮やかなカットグラスで飾られた歩廊に瞳を輝かせる飛鳥。

昼間にも拘らず街全体が黄昏時を思わせる色彩を放っているのは、町の装飾のせいだけではない。境界壁の影に重なる場所を朱色の暖かな光で照らす巨大なペンダントランプが数多に点在している為だ。

キャンドルスタンドが二足歩行で街中を闊歩している様を見て、十六夜も喜びの声を上げた。

「へぇ~東とは随分と文化様式が違うんだな・・・・・・歩くキャンドルスタンドなんて奇抜なもの、実際に見る日が来るとは思わなかったぜ」

「ふふ、しかし違うのは文化だけではないぞ?其処の外門から外に出た世界は真っ白な雪原でな、それを箱庭の都市の大結界と灯火で、常秋の様相を保っているのだ」

白夜叉はドヤ顔で言った。十六夜は眼下の街に目を向けながら頷く。

「ふぅん~厳しい環境があってこその発展か・・・・・ハハッ!聞くからに東側より面白そうだ」

「むっ?それは聞き捨てならんぞ小僧、東側だっていいものは沢山あるわい、おんしらの住む外門が特別寂れておるだけだわい・・・・・・」

一転して拗ねるように口を尖らせる白夜叉。

東側の二一〇五三八〇外門は『世界の果て』と向かい合っている事で、箱庭外で手に入る資源が少ない。その為、力のない最下層のコミュニティでは発展に限度があるのだ。

そんな事はお構いなしに、胸の高まりが静まらない様子の飛鳥は、美麗な町並みを指差して熱っぽく訴える。

「今すぐ降りましょう!あのガラスの歩廊に行ってみたいわ!いいでしょう白夜叉?」

「ああ、構わんよ。宿はこちらで用意しておくから夕方まで好きに行動してここに戻ってこい、散策がてらギフトゲームにも参加してもよいぞ」

「わかったわ!さぁ、十六夜君も行きましょう!!」

飛鳥は上機嫌にそうに言い十六夜の腕をとると十六夜の腕で飛鳥の豊かに発育した二つの果実が変形する事になる。

「なっ!?ち、ちょっまっ!?あ、飛鳥!?」

その感触に慌てふためく十六夜と十六夜の慌てる様子を見て、自身の行動と体制を見直した飛鳥は

「え?・・・・・・~~~~っ!?」

頭から湯気が出そうなほどに顔を真っ赤にした。

「と、とあえず行くか?」

「そ、そうね、早く行きましょう!?」

顔を真っ赤にしたバカップル二人は街に繰り出す。



「それじゃ~私達も会場に行こうか、耀ちゃん!レティシアちゃんも道案内よろしくね!」

「うん!」

「(案内頼むで~)」

「まかされた」


零菜と耀は白夜叉に貰った一枚のチラシを見ていた、チラシにはあるギフトゲームに関する概要が書かれている。


『ギフトゲーム名  創造主達の決闘


・参加資格、及び概要

 ・参加者は創作系のギフトを所持

 ・サポートとして一名まで同伴許可

 ・決闘内容はその都度変化

 ・ギフト所持者は創作系のギフト以外の使用を一部禁ず


・授与される恩恵に関して

 ・“階層支配者”の火竜にプレイヤーが希望する恩恵を進言できる


宣誓

上記を尊重し、誇りと御旗の下、両コミュニティはギフトゲームを開催します。

“サウザンドアイズ”印
“サラマンドラ”印』


三人と一匹はゲーム会場に向かっていく。


余談だが現在のレティシアは零菜の専属メイドに近い立ち位置で零菜と行動を共にすることが多い、それはアスタルテが本拠地で古城と雪菜のメイドをしている姿を見て、『助けられた自分が何もしないのはどうなのか?』と思い古城夫妻に打診した所、アスタルテには基本的に本拠地の維持管理・警備を担っているため零菜の世話までは手が回らかったので渡りに船だったらしく、名目として『零菜の護衛兼お目付け役』として仕える事となったのだ。



「さて、俺達も行くか」

「はい」

「分かりました」

「それでは参りましょう!」

「うむ、でわ『サラマンドラ』の本部へ向かうとしよう」

古城、雪菜、ジン、黒ウサギ、白夜叉の5人は『サラマンドラ』に顔見せと挨拶をしに本部向かう。








「ジン久しぶり!!」

「わっ!!サ、サンドラっ!?」

『サラマンドラ』本部の謁見の間に通された古城達を見るなりサンドラは玉座から立ち上がり、真っ先にジンの下に駆け出した。少女らしい愛らしい笑顔をジンに向けたままスピードを緩める事なく突っ込んでいった、その衝撃でジンは体勢を崩してしまいままの勢いで馬乗り状態となったがとうのサンドラは全く気にしていないようであった。一方で急にマウントをとられたジンはジタバタもがきながら顔を真っ赤にしていた。

「コミュニティが襲われたって聞いて心配した・・・・・・本当はすぐにでも会いに行きたかったんだけどこっちも色々あって・・・・・・」

「それは仕方ないよ、けどまさかサンドラがフロアマスターになっていたなんて・・・・・・」

「それを言ったらジンだってコミュニティのリーダーになってるよね?」

「(へぇ~、結構いい感じみたいだな)」

「(いい感じと言うよりサンドラさんの方が果敢にアタックしているように見えますね)」

そんなジンとサンドラを微笑ましそうに眺めていた暁夫妻だったがその光景を心良く思はない人物もいたりする。

「サ、サンドラ!?そのような名無しの小僧に近づくんじゃない!小僧!!貴様も気安くサンドラを呼ぶな!!」

そこには腰に差していた剣を今にも抜こうとするサンドラの兄、マンドラの姿があった。


「サンドラはもう北のマスターなのだぞ!『名無し』風情が馴れ馴れしくして我等がコミュニティの威厳を貶める気か!」

「マンドラ兄様!彼らはかつての盟友ですよ!?そのような態度はどういうことですか!?」

「今は礼節よりも誇りだ!!そのようなことを口にするから周囲から見下されるのだということがわからんのか!」

「礼節を軽んじると言う事は相手を軽んじるという事です!そんなの誇りなんかじゃない!ただの傲慢です!!そんなものに誰だついてくると言うのですか!?」

マンドラを宥めようとするサンドラであったがマンドラは聞く耳を持たず、逆にサンドラを怒鳴りつけがすかさずサンドラが反論するという言い争いを始めてしまった。

「二人共やめんか!!誕生祭の前に兄妹で言い争ってどうするんじゃ!?」

「他所のフロアマスターが余計な事を・・・・・・」

「・・・・・・お見苦しいところをお見せしました」

「はぁ~すまんのこれが『サラマンドラ』の現状なんじゃよ」

「これはまたなんと言いますか・・・・・・」

「(よく内部分裂せずこれたものだな)」

「(ええ、ここまで拗れていると果たしてこのままコミュニティとして存続できるのかも不安になりますね)」

「それで白夜叉様?この御二人はどなたなのですか?初めて御会いする方だと思うのですが?」

「うむ、この二人は暁古城と暁雪菜と言ってな。わしが雇った最強の保険じゃよ」

「保険・・・・・・ですか?」

「さよう、こやつは暁古城といってな『主催者権限(ホストマスター)』を所有する、吸血鬼の王(第四真祖)じゃ、隣の雪菜は古城の奥方じゃよ」

「っな!?し、真祖だと!?」

「そ、そんな!?なぜそんな方がこの下層にいるのですか!?」

「まぁ~そこら辺はおいおい話すとして、まずは誕生祭の話を進めようぜ?」

「そ、そうですね・・・・・・まず何からお話致しましょうか?」

「あ~ならこっちから話させてもらえるか?まず俺と雪菜が白夜叉から頼まれた内容はあくまで最悪の場合の『保険』でしかないって事だ。この場合の最悪ってのは白夜叉が身動き出来なかったり『サラマンドラ』が手に負えない相手だったりした時だな」

「ですので基本的に私達夫婦は手を出しません、あくまで魔王が来た時の対応は主催の『サラマンドラ』と白夜叉様、後は依頼受けた『ノーネーム』が全面的に前に出ることになります」

「それと俺のギフト(眷獣)はあまり力加減ができないんだ・・・・・・使うとわりと被害がシャレにならなくなるんだよ」

「そ、そこまで凄まじいのか!?」

「そうですね、使う眷獣にもよりますが甚大な被害がでるのは間違いないでしょう」

「そう・・・・・・ですか」

雪菜の言葉に若干顔色が悪くするサンドラとマンドラだったがそれが冗談や誇張でないのは白夜叉自らが『最強の保険』と称すことで紛れもない真実だと実感させられた。
一方のノーネーム側でもその認識は正しいと思っていた。それは古城の十二体の眷獣の内、彼らはまだ四体しか見ていないがその一体、一体が途方もない力を持っていたからだ、それがあと八体もいるとなれば尚更である。
実際ノーネームメンバーは知らないがその昔、古城の眷獣が大暴して天災並みの落雷に見舞われたある島が建造物の破損、停電によるシステム被害やデータの損失など間接的な被害を合わせれば被害総額五百億円を超える被害を出している事があったりする。


「なるべく被害が出ないよには心がけるさ」

「・・・・・・よろしくお願いします」

「では次はわしらの番かの?今回、魔王が現れると聞いて最低限の対策は立てた。内容は『主催者権限(ホストマスター)』を用いて祭典の参加ルールに条件を加えることでな、詳しくはコレを見てくれ」


『火龍誕生祭

・参加者に際する諸事項欄

一・ 一般参加は舞台区画内・自由区画内でコミュニティ間のギフトゲームの開催を禁ず。

二・ 『主催者権限(ホストマスター)』を所持する参加者は、祭典のホストに許可なく入る事を禁ず。

三・ 祭典区画内で参加者の『主催者権限(ホストマスター)』の使用を禁ず。

四・ 祭典区域にある舞台区画・自由区画に参加者以外に侵入を禁ず。

宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

“サウザンドアイズ”印
“サラマンドラ”印』


「『参加者以外はゲーム内に入れない』、『参加者は主催者権限(ホストマスター)を使用できない』確かにこのルールなら魔王が襲ってきても『主催者権限(ホストマスター)』を使うのは不可能ですね」

「まぁ、押さえるところは押さえたつもりだがこれも最低限の処置でしかないんじゃよ」

「こちらとしても魔王がどの様な手を使ってくるか来るかわからない以上もっと対策を打っておきたいのですが・・・・・・」

「白夜叉しか協力してくない以上これくらいが限界ってことか」

「はい・・・・・・」

「ってかこれだと俺の『主催者権限(ホストマスター)』も使えないんじゃないか?」

「それについては抜かりない、二人には祭典でのスペシャルゲストとしてホスト側に招き入れる。そうすることでホスト側の関係者扱いになり参加者ではなく祭典のホスト側として『主催者権限(ホストマスター)』を使うことができる」

「なるほど・・・・・・ってちょっと待て!?まさか俺達も表舞台に出るのか!?」

「えっ!?」

「そのとうりじゃ、他にもサプライズとして黒ウサギにも司会進行と審判を依頼する、もちろん報酬ははずむぞ?」

「わたしは問題ないのですが・・・・・・サンドラ様はよろしいのでしょうか?」

「こちらとしては泊のつく事ばかりでなんだか申し訳ないくらいなのですが・・・・・・」

「分かりました、この依頼お引き受け致します」

「私達の衣装はどうするのですか?礼装なんて持っていませんよ?」

「それはこちらで最高の物を用意させよう」

「あんま派手なのは勘弁してくれよ・・・・・・」


表舞台に出ることになり憂鬱そうな古城をよそに話し合いはどんどんと進んでいくのであった。







 
 

 
後書き

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