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ハイスクールD×D大和の不死鳥

作者:sou×yuki
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53会合後編

 
前書き
なんか抜けていたので投稿します 

 
 



◇いのり

「さて、長話が過ぎてしまったようだ。だが、これだけは言わせて欲しい……私を含め、四大魔王は全員、君達には大いに期待を寄せている。だから、私達と、そしてこの場に集って頂いた各勢力のVIP達、それから政府重鎮の者達の前で聞かせては貰えないか? 君達の夢、目標、野望……将来を担う君達が、どんな悪魔になる事を胸に秘めているのか、それを聞かせて欲しい」

 その言葉に真っ先に反応したのは、先ほどヤマトに説得されたサイラオーグ。一歩前に出て、誰よりも先に己が夢、目標を声高々に宣言した

「俺の夢は、魔王になる事が夢です!」

 政府の重鎮や魔王、各勢力のVIP達を前にして、堂々と目の前に居る魔王からいずれはその座を頂戴すると宣言した。

その大胆さ、気概、何よりその夢を何一つ恥じる事無く、恐れる事無く宣言したサイラオーグに、誰もが感嘆を漏らす。

「ほう、大王家から魔王か……すさまじい夢であるな」

「俺が魔王になって欲しい。それほどの男であれば、自然と俺が魔王になるでしょう。そうでなければ、所詮はその程度の男だったというだけの話です」

 サイラオーグが魔王になるに相応しい男であるのかは、民衆が決める事であり、己はその為に鍛えぬくのみ。もしそれで民衆の心を掴む事が出来なければ所詮サイラオーグという悪魔は魔王の器ではなかった。それだけの事だと、サイラオーグは断言した。

単純明快で、それでいて誰もが聞いていて聞き心地の良い言葉。ここまで単純でありながらも、真理とも言える言葉を平然と口に出来る辺り、サイラオーグという悪魔が、若手ナンバー1(ヤマトを除いて)と呼ばれているのも頷ける。
 
「私の目標はレーティングゲームの覇者となり、愛する眷属と共に精進する。それが現在一番近い目標です」

 リアスさんの目標はレーティングゲームの覇者……つまりトップに立つという事。

 つまりそれは、現在のレーティングゲームの覇者であるディハウザー・ベリアルも、いずれはゲームで下すと魔王達の目の前で宣言した事……

「私の夢、目標は……冥界にレーティングゲームの学校を建てる事です」

 続けてソーナさんが口にした目標を聞いて、魔王達以外の冥界政府の役人達……つまり老悪魔達が全員首を傾げた。

 彼らにはソーナさんの言っている事の意味が理解出来なかったようで、随分と見当違いなことを聞き返している。

「レーティングゲームの学校なら既にあるではないか。君とて人間界の学校へ進学するまではその学校に通っていた筈だが?」

「いえ、そういった貴族や特例ある悪魔、上級悪魔だけが通える学校ではなく、平民、下級悪魔、転生悪魔、そんな悪魔であれば誰でも身分、階級に関係無く平等に学ぶ事の出来る学校……私の夢は、そんな学校を作る事です」

 良い目標。それが四大魔王全員と、アザゼル、ガブリエル、ヤマト全員の見解だった。
 しかし、他の冥界政府の役人達にとってはソーナさんの口にした目標はただのジョークとしか受け取らなかった様で、皆が爆笑し、嘲笑う。
……ヤマトがキレるよ?

「く、くははははははは!!! 何だその目標は! シトリー家次期当主というのは随分とジョークが上手いのだな!」

「平民や下級悪魔、ましてや転生悪魔如きが平等? 冗談にしては随分と笑えるではないか!!」

「そのような戯言、このような戯れの場だからこそ口に出来て良いが、公式の場では口にせん方が良いぞ? ククク……」

 悪魔の社会は完全な貴族主義社会、貴族や魔王といった上流階級の上級、最上級悪魔には満足いく教育が施されるが、中級や下級悪魔、それから他種族からの転生悪魔は教育を受けるに値しないとして見下される事が殆どだ。
 ソーナさんはそれを何とかしたいと思っているのだが、老悪魔達から見れば気に掛ける必要すら無い者に教育を受けさせるというソーナさんの目標は、戯言にしか聞こえない。

「私は、本気です」

「本気であるのなら、なおさら考えを改めよソーナ・シトリー。たとえ冥界が変革期に入っていようと、上級悪魔が下級、転生悪魔を見定め、下の者は力を示して伸し上がるのが常。上級悪魔は常に気高く、下級悪魔、転生悪魔は常に卑しく、それが悪魔にとっての常識。決して上級悪魔が下の者を教え導くなどあってはならないのだ! それを、乙女の夢物語であっても本気だと口にするなど旧家の顔丸つぶれも良いところですぞ」

二人のヤマトの顔をみると怒りを隠すつもりもない表情を浮かべる。

「サーゼクス・ルシファー様」

「何かな? ヤマト殿」

 ヤマトがサーゼクスの名を〝様〟付で口にした瞬間、この場の全員が口を噤んだ。ソーナさんが笑われた事に反論しようとした匙も、それは同様に。

「私は、私やアザゼル様、ガブリエル様はこのような若手悪魔を嘲笑う為の場に態々呼ばれて来たのでしょうか?」

「……ヤマトさんの言う通りです。私も、将来ある若者を嘲笑う場に呼ばれたとあれば遺憾の意を表明せざるを得ません」

「ああ、全くだ。そこんとこはどうなんだ? サーゼクス、セラフォルー、アジュカ、ファルビウム」

ヤマトの言葉にガブリエルとアザゼルも賛同して、魔王の意見を求めた。だが、魔王の誰かが発言する前に空気の読めない老悪魔が『だまれ、新勢力ごときが!』、『下等種族上がり』などのヤジが飛んでくるが、ヤマトが老悪魔のひとりの呼吸を断ち切り、死ぬ寸前まで追い込んだことにより静かになる

「すまなかった。ヤマト殿、アザゼル、ガブリエル、うちの政府の者が大変不愉快なものを見せてしまった」

「本当にごめんね☆」

 正式に謝罪をヤマト、アザゼル、ガブリエルが受け取った事で、会合は続くことになった。

そして、この七人でレーティングゲームリーグ戦が開かれることとなり、私達、グレモリー眷属の初戦はソーナ・シトリーが率いる、シトリー眷属……修行を頑張ろう…


続く 
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