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ドリトル先生北海道に行く

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第一幕その一

                 ドリトル先生北海道に行く
               第一幕  夏休み
 大学は学校なので夏休みがちゃんとあります、それは八条大学も同じです。
 それで今大学に学生さん達はとても少なくてです、中はとても静かになっています。
 その静かな学園の中で、です。先生は一緒にいる動物の皆に言いました。
「何か夏の学園はね」
「うん、普段と違ってね」
「学生さん達がいないから」
「だからね」
「凄く静かで」
「違和感があるね」
「そうだね、トミーも講義がないから」
 だからと言うのでした。
「大学には来ていないしね」
「先生達はいてもね」
「職員さん達も」
「学生さん達がいないと」
「本当に静かだよね」
「王子も今はね」
 普段は学園に通っているので先生のところにも毎日来るのですが。
「いないからね」
「そう、日本自体にね」
「祖国に帰ってね」
「それでいないから」
「そのことが寂しいね」
「そうだね、本当に寂しいね」
 また言った先生でした。
「この夏休みは」
「研究室にいて論文を書いてね」
「図書館で本を読んで」
「博物館や動物園に行っても」
「それでもだね」
「うん、学生の諸君がいないから」
 とにかくこれに尽きました。
「夏休みは寂しいね」
「先生の夏休みは?」
 ここで聞いたのはダブダブでした。
「あるよね、やっぱり」
「うん、あるよ」
 先生はダブダブにすぐに答えました。
「それもね」
「そうだよね」
「ただ。夏休みはどうしようかな」
「何も予定ないの?」 
 今度はチーチーが尋ねてきました。
「夏休み」
「うん、ないよ」
 実際にと答えた先生でした。
「特にね」
「そうなのね」
「うん、だから夏休みもね」
 その期間もというのです。
「ここに来て本を読んだりしようかな」
「それじゃあ夏休みじゃないわよ」 
 ポリネシアは先生の言葉を聞いてすぐに返しました。
「全然ね」
「うん、そうだけれどね」
「やることがないのね」
「お家にいてもね」
 先生達の今のお家にです。
「何もすることがないから」
「十時と三時にお茶を飲んで」
 ホワイティが言います。
「後は読書だね」
「僕はお昼寝もしないしね」
「シェスタの習慣ないよね」
「イギリス生まれだしね」
 イタリアやスベインの人達はお昼寝、シェスタをします。ですが先生はイギリス生まれのイギリス育ちだからです。
 だからです、午後はなのです。
「お茶を楽しむよ」
「それだけね」
「後はお散歩をして」
「それじゃあ普段の日曜と一緒だよ」
 ジップがすぐに言いました。
「それこそ」
「そうだよね」
「全然夏休みじゃないよ」
「ううん、この大学にいれば」 
 先生は腕を組んで言いました。
「動物園にも水族館にも行けるし」
「博物館や美術館にもね」
「植物園もあるから」
 先生の好きな場所が大抵です。 
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