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がっこうぐらし!The world in confusion

作者:ウィング
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chapter45

「敵が…ざっと30人…か」


翌日、俺は拠点から数キロ離れた住宅街の一軒やの窓から管理局の陣営を偵察していた。

ざっとバランスが取れた編成ではあるが8割ほど何故か動きに切れがない。

「まさか、新人か?」

そう観察していると此処の隊長であろうかその男に胸元を掴まれて激怒、新人達は怖じけずきながらそいつの言うことを聞いている。

「…無理矢理立たされてるってところか…」

そう思い俺は付けている通信機で通信する。

「こちら雄也です、硲さん…聞こえますか?」

《こちら、硲だ…どうした?》


「敵の編成部隊を見つけましたがそのほとんどが新兵の模様…隊長と思われる局員が恐喝で無理矢理ってところだろう」


硲さん…というより作戦本部に敵の情勢に連絡する。

《つまり、恐喝している隊長を狙えば自然に指揮系統は分断されてこちらに降る局員も現れるそういいたいのかね》

硲さんの言う通り、こちらに降れば無力化できるし何より新人達に罪なんてない…あれは無理矢理戦場に立たされている連中なのだ。

「甘い…ですか?」

《確かに軍人としては…甘い発想かもしれないが…君らしいといえば君らしい発想だ…我々も無益な殺害は極力避けたい…雄也くんの考えには賛同しよう、自衛隊の全員にその言葉を徹底させておく》

「ありがとうございます、それじゃあ俺はこのまま侵攻拠点の敵陣営に潜伏します」

そう通信を切ると俺は局員達の死角の窓から抜けて屋根を飛びうつって管理局が構える本陣営に向かう。

俺が自衛隊との本隊と離れて行動している理由、それは単身の敵本陣の奇襲で敵の混乱をさせるため、本陣に向かっていた。

恐らく管理局は俺が最前線で戦っていると思うだろう…それがまさか敵本陣に現れたらどうなる?

大混乱は確実…歴史で例えるなら三国志の合肥の山田ぁぁぁぁっ!!みたいなことをするってことだな

「さてと、そろそろ」

自衛隊達と局員の先鋒が激突する頃合いだ。

SIDE三人称


日が上って少したつ午前9時、自衛隊の拠点から少し離れた場所に自衛隊全戦力が来る侵攻に備えてあるものは草影に隠れ、あるものは建物中かは外を窺っている。

「もうすぐ…始まるんだ」

小学校の屋上の一番高いところでは圭が昨日のうちに手入れをしていたドラグノフを構えてそしてそのすぐ足元には試作魔導砲も置いてありどちらも弾込めは十分だ。

《こちら、α部隊、エリアBにて管理局の小部隊が目視した、たった今から交戦を開始する!》

圭の通信機から自衛隊の報告を受けて圭も体を伏せて狙撃体制に入り銃口をエリアBに向ける。

そして同時期エリアBでは自衛隊α部隊と管理局の射撃戦が始まった。

「く、来るな!こないでくれ!!」

管理局の半数以上は入りたての新人が占めており、ベテランの局員も雄也によって既に11人が殉職いることからベテランの局員の方が圧倒的に少なく、新人の局員が最前線に立たされる結果となった。

その新人局員たちも無理矢理立たされているわけで、命令に逆らえば殺されると脅され、強制的に非殺傷モードを解除されて局員達は射てば殺してしまう現状と逆らえば殺される恐怖感の板挟み状態で怯えながら戦闘していた。

「くそ!乱射するから下手に動けない!」

《こちらKです…援護射撃を開始します》

恐怖からの局員達の乱射によりうまく攻勢に出れない自衛隊達に小学校にいる圭からの通信が入る。

「あっ!?」

「ぎゃっ!?」

すると射撃していた局員達が肩、足などを撃ち抜かれてその場で激痛から倒れこむ。

「肩が…肩がぁ!」

「痛いよ…痛いょぉ…」

「帰りたいよ…ママァ」

誰も命を奪わずに次々と新人局員を無力化している圭。

「何を弱気になっている!高々野蛮人などに遅れをとるはずがない!」

と、なんの根拠もない言葉を戦場で怒鳴りあげる局員

「質量兵器など野蛮な兵器に頼る、野蛮人らしい兵器だが我々の足元にも及ばない!」

これまた根拠のない台詞である。

「口だけの達者なとうしろうだな」

「なんだと!この野蛮人がぁ!」

自衛隊の挑発で怒る局員が先だって突っ込んでいく

「野郎、ぶっ殺してやるぅぅぅっ!!」


その光景を遠くで狙撃体制で見ている圭は銃口をその局員に合わせて

「…さよなら」

引き金を引いてそして弾丸は局員の胸を貫き仰向けで倒れて即死した。

「た、隊長がやられたぁ!?」

「た、助けてくれぇ!!」

小隊の隊長が死んだことにより小隊員達の恐怖感は一気に膨れ上がる。

「よし!武装解除して投降しろ!命だけは助けてやる!」

自衛隊の隊長がそう勧告すると既になにもできない局員達は命を失いたいいっしんに降伏した。

そして他のエリアでも戦闘は始まっていた。

「突撃ぃぃぃ!!」

「わあぁぁぁぁぁぁっ!!」

「大和魂を見せてやれ!!」

「バンザーイ!!」

士気が異様に高い自衛隊達

「ひぃぃぃ!く、来るなぁ!!」

「なんで弾丸の中を突っ込んでくるんだよ!」

「こ、こいつら、頭狂ってる!」

元から半数以上が強制的に前線に立たされている管理局は勇敢に突っ込んでくる自衛隊を止める手だてなどなく蹴散らされていく。

前線に出ている狂信している局員はほとんどが圭の狙撃により倒され既に自衛隊優勢の戦いが続いていた。

開戦から一時間が過ぎた

小学校から凡そ15㎞離れた区役所の地下…管理局の拠点では非戦闘員のオペレーターと此処の指揮官が現在の状況を目にして唖然としていた。

「な、何故我々が劣性なのだ…あちらは高々50人程!こちらは300!新人が200人だとしても圧倒的大差のはず!」

6倍の戦力なはずの管理局が押し負けていることに声を荒げる。

「ハイマン准将!全線の局員から連絡!既に半数の局員が投降、及び戦死、至急増援を寄越してほしいとのことです!」

「まだそんな世迷い言をいっているのだ!まだ三倍の戦力が残っているのだぞ!さっさと野蛮人など片付けてしまえ!」

戦力を投入を断る指揮官…たが現状を見ても確実に戦力を投入するのが適切だと断言し要請を断った。

そして数十分が過ぎ…

「既に我々の戦力は8割が消失!このままでは全滅するおそれがあります!」

「上空を取っていたヘリが全て大破!…直撃したのは質量兵器ではなく魔力兵器…どうなっているんだ!?」

「自衛隊こちらに向かって徐々に戦線を押し寄せています!このままではここに攻めこまれる可能性も…」

既に管理局は前線を維持する戦力を失い逆に攻められそうになる、状況は自衛隊の圧倒的優勢であった。

(な、何故…何故こんなことに…こ、このままでは私は…この失態で降格…折角の地位を失ってしまう、な、なんとか…)

こんな状態であっても自分の地位を求めるハイマン…そんな彼らにまた新たな報が入ってくる。

《こ、こちら地下拠点第3Bゲート前!》

「騒がしいぞ今はこちらも忙しい!」

《し、侵入者です!たった一人で…ゆ、ユウヤ・ツキミヤが!?単騎で攻め寄せて「じゃまだぁぁぁぁっ!!》ぎゃあぁぁぁぁっ!?》

通信途中、別の声が聞こえてくると、断末魔をあげて司令室は動揺がはしる。

「な、なんだ!?何があった!?おい!すぐに映像をモニターに出せ!」

ハイマンは指示するとすぐにモニタに映し出されたそれは、血を拭きだし倒れ伏せる局員、そしてデバイスに付いた血を払う雄也の姿がそこにはあった。

「ば、バかな…ユウヤ・ツキミヤだと!?何故やつがこの拠点にいる!?やつは前線にいるのでないのか!?」

「み、味方からはそういった情報は一度も…」

「何故それを報告しない!…何故私がこんなめに…」

「し、侵入者なおも変わらず進行中…迎撃の為局員が応戦していますが…全く緩みません!」

「前線の部隊…壊滅!生き残りも消息が掴めません」

「バかな…野蛮人ごときに…6倍の戦力が…壊滅?ふ、ふはははははぁ!!」

完全に自分が描いた予想とはかけ離れたことにより、狂ったようにわらう司令官、既に負け戦この場の全員がそう思い始めた。

「お、俺は…死にたくないぃ!!」

遂に恐怖から自身の持ち場から離れて逃げ出す局員が出始めて指揮系統もこれによりズタズタになった。

一人また一人とこの場から離れていく局員たち、そして最後に残ったのは司令官であるハイマンだけとなった。

そして同時刻管理局本陣では慌ただしく逃げ惑う局員たち、そして避難口である扉が開くと扉の向こうには自衛隊が銃口を構えて待ち構えており、それをみた局員たちが絶句する。

「じ、自衛隊!?何故ここに…」


「貴様たちは既に取り囲まれている大人しく投降しろ、命の保証はする」

既に戦う気力など微塵にもない局員たちは次々と投降そして自衛隊総勢70名という人数で次々と拠点は制圧され、そして指令室には遂に雄也がたどり着き、ハイマン准将を目視する。

「ハイマン…お前が此所の指揮官か」

雄也にとってハイマンは元いた部隊の副司令

あの雄也にとって忌々しい作戦にも関わっていた男

そのハイマンに雄也は何もためらわずにアークを突きつける。

「き、きさま!本気で管理局を的に回す気か!」

「なんとでもいえ、ハイマン…これ以上管理局の横暴を許すわけにはいかない」

「くっ!この自分自身のために人を殺す殺戮者め!」

「殺戮者といいたいなら呼べ…だがお前たちもまた殺戮者と知れ!」

「…貴様と同じにするなぁぁ!!」

ハイマンは逆上して襲いかかってくるが、丸腰のため脅威とは思えず雄也はアークで腹を刺す。

「ぬぅっ!?」

「地獄に落ちろ…ハイマン」

冷酷な言葉を最後に雄也はアークを引き抜いて思いっきりハイマンの体を引き裂きその切り口から大量の血が吹き出して倒れた。

「……ファイア」


最後に司令室をあとにしながらファイアを詠唱しハイマンの遺体は炎に包まれて遺体は灰へとなった。


午前10時34分 開戦して1時間半あまり、自衛隊の圧倒勝利で戦いは終わった。

管理局の被害は行方不明者20人、自衛隊に投稿した局員429人、そして死者指揮官ハイマン准将を含め375人


近年管理局において最もの敗戦と後世語り継がれる戦いは幕を閉じた。

 
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