ガールズ&パンツァー もう一人の転校生 【リメイク】
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原作編
二回戦前 後編 練習と視察
・・・いったい、これはなんなんですか?
練習を見に来た私は呆気に取られています。なぜか裕香は目を輝かせて見つめています。そもそもどうやったらあんな発想になるんでしょうか?
どんな発想かって?それは、戦車に落書きしていることですよ!!
戦車道をやっている私たちからすると、戦車は大切なパートナーです。そのパートナーにあんなに大々的に落書きしちゃって。
模擬演習だから仕方ない?いやそれでも他にも方法はあったと思いますけど。
「梨華!私たちに足りないのって行動力かな?」
「裕香、あんな行動力つけなくていいからね」
あれがこの学校のスタイルなのかな?なんていうか新鮮だよね。どこがって?全部がだよ!
私たちのいた白河女子高では多種多様な戦車があったためわざわざこんなやり方もしていなかった。周りから見ると私たちのほうが「珍しい」と言われるかもしれない。でも、私たちにとってはこれのほうが珍しいのです。
「でもさ~、四号と三式を相手にあの動きだと心配になるよね~」
「確かに裕香の言う通りだね。・・・アンツィオかぁ」
アンツィオ相手に私たちがでなければいけないのかな?この状況をみるとやはり不安になるよね。でも、それはそれで仕方がないことかもしれない。
う~ん、でもプラウダの方がやっぱり驚異だよね。
なかなかに不規則な動きをする戦車をみながら梨華は考えているのだが、それとは別に裕香はなにかを考えていた!
あの人たちならきっと○○をすることができる!そうすればきっと私たちにとって優位になるはず!特に梨華にはいいことに違いない!
「ねぇ、わたしも練習に混ざっちゃだめ?」
「裕香、今日は見学に来たんだよ」
梨華はやっぱり止めるんだね。それも予想通りだけどね。梨華は作戦とかなら頭の回転が早いのに、それ以外のことになるとやっぱり固いよね~。
「今の服装忘れたの?」
今の服装?え~と、白河の制服だね!それがどうしたのかな?
「今出ていって、もし偵察行為と言われれば、私たちの存在が今度こそ公になるんだよ」
なるほど、梨華はまだそんなことを気にしているんだね。そろそろ同じ学校なんだから協力してあげてもいいと思うのに。それこそ負けたときのショックが大きいのになんで気付かないかな?
「そんな顔しないの。あと一試合我慢すればいいんだから。ねっ!」
「一試合我慢って、結構苦痛だよね」
裕香ってたまにあの子達に似ていること言うよね。何が目的なのかはわからないけど、そんな急いでもいいことはないけどね。勝つときは勝つ、負けるときは負けるんだよ。それに関しては運と言ってもいいかもね。
「あの練習で何を得たのか、試合が楽しみだね」
「梨華は何を得ると思うの?」
「見方次第ではいくつも得るものはあるけど、それに気づいているかが気になるところだね」
「梨華って、いつも遠回しにものを言うよね?」
遠まわしっていうけど、それにも理由はあるよ。それに、裕香には自分で気付いて欲しいんだよ。裕香が自分で気づくことができるなら裕香にとって絶対に経験になると思うから。
そういえば、最近は亜依、絵里、さやねにあってないね。
いったい何をしてるのかな?
「|アンチョビ≪ドゥーチェ≫!久し振り!」
さやねはなぜかアンツィオ高校に来ていたのです。彼女が今所属しているのは大洗なので、完璧に敵地偵察なのですが、その点を彼女は考え、なんと白河の制服できているのです。
「さやね!よく来てくれ」
それに近づいてきて握手をしているアンチョビを見ると、彼女たちにはずいぶんと仲が良さそうだ!
「すこし見せたいものがある」
「うん?」
なぜか自信満々についてくるよう促しているので、付いていくさやねだが、連れてこられたのはコロッセオの中。コロッセオと言えば格闘や決闘で使われるイメージだが、ここはそうではないらしく
「これがアンツィオの秘密兵器だー!!!」
と、見せびらかしてくるのはイタリアの重戦車であるP40。そう!アンツィオは念願の重戦車をついに購入したのだ!
「おぉーーーー!」
「こいつがあれば次の大洗戦も余裕だ!」
アンチョビ!それフラグだよ。
「さやね、裕香はどうした?」
「裕香は、梨華と一緒に作戦でも考えてるんじゃないかな?」
多分プラウダ戦の作戦だと思うけど。それに、梨華も出ない試合の作戦を考えるほど余裕は無さそうだしね!
「なるほど」
まぁ、裕香も作戦を考えることはあるけど、梨華と比べるとあまいと思うんだよね。
大狩流は隠れながら隙をついて戦うスタイル。
梨華も隠れようとはしないけど、裕香は隠れることすらしない。
きっと、三年前のことを忘れられないんだろうね。
「そうだ!アンチョビ、私と賭けしてみない?」
「なんの賭けをするんだい?」
「試合の勝敗。アンツィオが勝てば、プラウダの情報を譲ってあげるよ」
「負けた場合はどうなるんだ?」
「私たちも試合の後に料理でもいただこうかな」
アンツィオの料理は美味しいから出来れば食べたいんだよね~。それに、二人にはいい機会になるだろうしね。
ほんと、世話が焼けるよね~。
「と言うことは白河も見に来るんだな!」
「えっ?・・・うん!そうだね!」
確実に梨華とかはやは見に来るだろうね。二人が来ると言うことは、裕香や絵里、亜依も来るよね!
うん!間違ったことは言ってないね!
「次の試合を勝って!悲願の三回戦進出だ!」
張り切ってるけど、大丈夫かな?
「亜依!ちょっと休憩しようよ~」
朝からずっとこれじゃ体力持たないよ~。
私達は前回の練習試合のときに、装填速度が遅くなったっていたので練習をしているのですが、亜依が思った以上にスパルタで、さすがに私でも倒れそうです。
そもそも、こんなに練習したのは転校以前だから、鈍っても仕方がないよね!
「絵里。まだまだこんなんじゃダメだよ」
装填手の亜依が疲れないのに私が疲れるのはおかしいかもしれないけど、もう二時間ぶっ通しなんだよ~。
亜依も汗が凄いのによく頑張れるよね。
車内は私たちの汗ですごい臭いだよ!
「絵里。そんなのでプラウダに挑んで、負けたらどうするの?」
プラウダには負ける気はないけど、私たちが頑張ったところで、他のみんなが頑張ってくれないと意味がないよ~。
それに、プラウダだってわざわざフラッグ車でもない私たちを追いかけるなんて馬鹿な真似はしないと思うけどね。
それに私だって、
「誰があんなちっこいのに負けるもんですか!」
あんな、人を見下してくる人に負けるもんですか!
でも、カチューシャ先輩を嫌っているわけではないですよ。
ただ苦手なだけですから。
あっ、そうだ!
「亜依!明日は試合を見に行こうよ」
私の記憶が正しければ明日は大洗女子学園とアンツィオ高校の試合のはず。
プラウダには負けないとか言う前に、アンツィオに負けられても困る。
と言うわけで、私も少しは応援しようかなと言うことです。
応援と言ってただ見ているだけだと思う。
「それくらいならいいけど。でもその代わりに今日はみっちり練習するから」
うん!わかってたよ。でも思いっきり言いたい!
「やっぱり亜依はスパルタだ!! 」
結局、丸1日練習に時間を掛けました!
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