転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1256話
朝食……いや、昼食を食べ終えてから1時間程。
当然ながらハルカは既に部屋にいない。
本人は仕事をサボるというのに凄く魅力を感じていたのだが、ダラダラと俺と話をしていると、突然通信画面が開いてルリからの突っ込みが入ったのだ。
昨日――正確には今朝と表現すべきだろうが――の様子から考えると、ルリがこのナデシコのコンピュータを制御していると考えていいんだろう。
ともあれ、ルリの突っ込みによりハルカもこれ以上サボっていられなくなった為に大人しく仕事へと戻っていった。
食事も鴨南蛮の汁まで全てを飲み干していたし、おにぎりも全部食い終わっていたので、食器の類もハルカが持っていった。
ちなみにおにぎりの中では昆布が一番美味かったと思う。
次点でシーチキン。
個人的にはフリカケとかをご飯に混ぜておにぎりにしたのも好きなんだけどな。
ともあれ、食事を済ませた俺はこうして1人でボーッとTVを見ながらゴロゴロしてるしかなかった。
いつもであれば空間倉庫から雑誌か何かを取り出すところだが、恐らく……いや、多分間違いなく何らかの手段でこの部屋の様子を見ているだろう者がいるのに、そんな真似が出来る筈もない。
……うん? だとすれば、ハルカが俺のおにぎりを食いながらサボっていたのも、その誰かさんには見られていたんじゃないのか?
まぁ、その辺はどうでもいいか。怒られるのは俺じゃなくてハルカなんだし。
TVでは、当然のように昨日の件が放映されていた。
『サセボシティが木星蜥蜴による襲撃を受けたにも関わらず、死者が奇跡的に0というのは何かあったとしか思えません。噂では、某企業が作り出した秘密兵器がその真価を発揮したと』
『某企業の秘密兵器、ですか? それは、具体的にどのような兵器なのでしょうか? 某とついているからには、どこの企業なのかも判明していると思うのですが』
『連合宇宙軍が配備している兵器に、デルフィニウムという人型の物があります。それをより発展させ、地上でも使えるようにした……というのが私独自の情報網で得たものです』
『人型の兵器ですか? 連合軍の主な兵器は、戦艦や戦闘機といった代物ですが、それに代わり得る力を持っていると?』
『持っているのでしょうな。事実、サセボシティを襲ってきた木星蜥蜴を単機で殲滅したというのですから』
何だ、このコメンテーターは。
言ってる事が合ってるような、合ってないような……
完全に間違ってる訳でもなく、完全に合っている訳でもないってのが色々と微妙だ。
ただ、完全に間違ってるわけじゃないって事は、その情報網ってのもある程度正確な情報を持っている訳で……どこの情報だ?
いや、あの時の事を考えれば、サセボシティに存在していた軍人しか考えられないけど。
そもそも、俺が到着する前に撃墜された者達にしての死者0ってのは、ある意味で凄いよな。
どうやって生き残ったんだ?
あの時の事を思い出していると、やがてこっちに近づいてくる気配を感じ取る。
これは……あのプロスペクターとかいう奴か?
俺の予想が正しかったかというのは、それから十数秒後に証明された。
「おはようございます、アクセルさん。……いえ、時間的に考えればこんにちはの方が正しいのでしょうが。それはともかく、よく眠れましたか?」
そう告げるプロスペクター。
俺が寝てからも動き続けていたと思うんだが、それでもこの元気は凄まじい。
プロスペクターの護衛としてだろう一緒に来ていたゴートの方は、多少ではあっても疲れているのを感じる事が出来るんだが。
「ああ。さすが最新鋭戦艦ってところだな。ぐっすりと眠ったよ。食事も美味かったし」
「そうですか、そうですか。ゆっくりして貰えて何よりです。……それで、早速ですが会社の方にアクセルさんの事を報告したのですが……一部条件付きながら、アクセルさんからの提案を受けてもいいと」
「一部? つまり、完全じゃないって事か?」
もっとも、こっちも色々と厳しい条件を突きつけたのを思えば、寧ろ一部ってくらいで済んで良かったと考えるべきか。
「まず、戸籍の方に関してですが、こちらは大丈夫です。全面的に受け入れさせて貰います」
「だろうな。ネルガルってのは色々と大企業らしいから、そのくらいは出来ると思ったよ」
「そうは言っても、結構大変なんですけどね。……さて、それで過去の詮索をしないというものですが……これは正直、難しいですね。いえ、勿論アクセルさんを煩わせるような事はしたいと思いませんが、あのミロンガ改でしたか? あの機体の性能を見てしまった以上、どうしてもそれがどこで作られたか知りたいと思うのも止められません」
「……つまり、交渉決裂か?」
「いえいえ。そんなに結論を急がないで下さい。……とにかく、これはミロンガ改の事にも関係してくるのですが、アクセルさんを煩わせないように、本社の方から専門の人を寄越すと」
「専門の人?」
いや、過去を調べる専門ってどんなだよ。
探偵か? ミロンガ改に関しても調べるとなると、余程技術的な知識を持つ探偵って事になりそうだが。
「何だか色々と凄そうな奴だな」
「ええ、まぁ。実際に凄い人だというのは間違いありませんよ。向こうの方でもアクセルさんには興味があるらしくて乗り気ですし」
乗り気、乗り気ねぇ。もしかして……
「四六時中俺に付きまとったりはしないだろうな? 男にそんな風にされるなんてごめんだぞ?」
「ああ、安心して下さい。その方は男性ではなく女性ですし、普段は副操舵士として活動する予定ですので」
「……いや、いいのか? 自分で言うのもなんだが、俺は身元不明の男だぞ? そんな俺に女を付けるとか」
「アクセルさんがそういう方ではないというのは、こちらとしても理解しているつもりですよ。そもそも、ハルカさんが部屋にやって来てもそのような行為をしなかったと思いますが」
なるほど、やっぱりハルカが俺の所に1人で来たのは、そういう理由だったのか。
本人が立候補したのか、プロスペクターが言葉巧みにそう仕向けたのかは分からないが。
同時に、これで予想通りにこの部屋が監視されているというのも理解した。
「それにしても、俺の方はともかくその女の方は随分と度胸があるんだな」
「そうですね。度胸というか、能力に関しては間違いなく一流ですよ。何と言っても、ネルガルの会長秘書を務めているような方ですから」
「……会長秘書? それは能力が高いのは分かるが、それこそそんな能力のある奴を……いや、俺が言うべき事じゃないか。既にそっちの方で調整済みなんだろ?」
「ええ。と言うより、寧ろその人の方が乗り気なんですよ。色々と野心家な方なので」
野心家、ねぇ。
どのみち俺にとっては長い付き合いになるかどうか不明なんだし、出来れば一緒にいる上であまり疲れない奴の方がいいな。
俺に対して妙な行動を取ったりすれば、お互いに面倒な出来事になるのは確実なんだし。
いや、会長秘書をやっている女なんだから、その辺はきちんと理解していると考えてもいいだろう。
「とにかく、その方……エリナさんという方なのですが、お綺麗な方ですので、アクセルさんもご不満はないと思いますよ」
「綺麗云々で不満がどうとかが決まる訳じゃないんだが……ともあれ、そのエリナとかいう女の件は分かった」
俺の過去を探る……つまり、無理に俺を詮索する訳ではなく、俺に自分から話させようというところだろう。
体の良いハニートラップにしか思えないんだけどな。
まぁ、そうだと分かっていればそれはそれでいい。
ミロンガ改に関しても、俺が情報を漏らさない限りは安心だろうし。
ぶっちゃけ、もし色仕掛けで俺に迫ってきても負けない自信はある。
それどころか、逆にネルガルの重要な情報を得ることすら可能かもしれない。
何せ、こう見えて毎晩9人の恋人を相手にしてるのだから、夜の経験値的な意味で俺に勝てる奴はそう多くない筈だ。
……まぁ、世の中には色んな意味で天才ってのがいるんだから、こっち方面での天才がいるというのも話が分からないではないけど。
そして過去を探る云々以外にも、当然俺の監視役を務めてもいるんだろう。
自分で言うのも何だが、俺は色々な意味で怪しい。
そんな俺を黙って信用するような真似を、利に聡い大企業がやるとは思えない。
会長秘書という重要人物を送ってくるのも、それを暗に示しているのだろう。
監視を取り除きたいのなら、俺の知ってる情報を教えろ。……そんな意味もあるのか。
「……で、そのエリナとかいう女が来るまで俺はこの部屋にいないといけない訳だ」
「はい、申し訳ありませんがそうなります。こちらとしても心苦しいのですが……」
「いや、俺も無理に事を荒立てるつもりはないから、気にしないでくれ」
プロスペクターは食えない奴って印象を受けるし、実際に食えない奴でもあるんだろう。
だが俺の事でネルガル本社と色々交渉してくれているのも分かる以上、無理は言えない。
「それで、いつくらいにそのエリナとやらは来るんだ?」
「日付が変わる頃には何とか……」
「へぇ。随分と急いでるんだな。俺が言う事でもないけど、そこまで素早く動くとは思わなかった」
「あははは。まぁ、こっちも色々とあるのですよ。連合軍との交渉も色々とありますし」
なるほど。会長秘書ってくらいだから、多分権限もプロスペクターよりも上なのか。
それを考えると、ネルガルとしてもそんな人物が窓口になった方がいいと。
……連合軍と言えば、俺が最初にネルガルと接触した時にはキノコがいたけど、あのオカマっぽいのも連合軍なんだよな? そんな風な事を言ってたし。
自分の権限を主張しまくる割りには俺に会いに来ないな。
あの時の言動から考えれば、手柄は独り占めとか考えそうな気がするんだが。
まぁ、俺にとってはうざったい相手と接触しなくてもいいんだから、運が良かったんだろうけど。
「そっちの事情は分かったし、俺がどうこう言うつもりもない。お目付役が来るまでは大人しくしてるよ。ただ……」
そこで一旦言葉を切ると、何故かプロスペクターはギクリとした表情を浮かべる。
まさか、何か無茶を言うとでも思ったのか?
いやまぁ、これまでの俺の言動を考えればそんな風に思われてもしょうがないだろうが。
「ただ……何でしょう?」
「そう身構えるな。別に無茶を言うつもりはないからな。この部屋にいてもTVくらいしか見る事が出来なくて暇だから、雑誌か何かないか? 暇を潰せるような」
ネットの類は結構発達してるみたいだけど、この部屋はそもそも要監視人物用の部屋らしく、ネットとかは出来ないんだよな。
いや、レモンとかマリューみたいにそっち系の技術があれば話は別かもしれないが、俺には自分でネットをどうにかするような技術とかはないし。
「……分かりました、すぐに用意させましょう。では、私はこの辺で失礼します。もし何か用事がありましたら、通信で呼んで下さい。では、失礼します」
一礼して去って行くプロスペクターを見送り、再び俺はベッドへと寝転がる。
本はプロスペクターが用意してくれるまで待つとして、今はTVで暇潰しでもするか
『木星蜥蜴はどこからやって来たと思います?』
『それは……木星蜥蜴というくらいですから、木星方面でしょう?』
『そうですね。普通はそう考える人が多いのは事実です。ですが木星の方から来たという訳であって、木星から来たと決まっている訳ではありません。もしかしたら、木星よりも更に遠く……土星、天王星、海王星辺りから来ている可能性もあります』
『……それはそうですが……』
『つまり、正確には土星蜥蜴、天王星蜥蜴、海王星蜥蜴と呼ぶのが相応しいかも……』
その言葉を最後まで聞かず、リモコンを別のチャンネルへと入れる。
敵の名前をどうこうしても、何の意味がある?
それに土星蜥蜴はまだしも、天王星蜥蜴、海王星蜥蜴というのは呼びにくいだろ。
『見て下さい。動物園で生まれた狐です。赤ちゃんの狐は可愛いですね』
何でここで動物園。
別のチャンネルへ。
『木星蜥蜴との戦いにより、ここ近年は株価の低迷が止まりません。ただ、そんな中でもクリムゾングループやネルガルといった企業は最近盛り返してきています』
クリムゾンというのは分からないが、ネルガルはこのナデシコとか開発出来るだけの力があるんだし、無理はないか。
あ、でもクリムゾンという名前は結構いいな。
取りあえず次のチャンネルへ。
『木星蜥蜴を調べたところ、これまでに見た事のない新しい技術が発見されているのも事実です。これを考えると、決して木星蜥蜴はマイナス要素だけではないという事だろうと思っても当然では?』
『それはそうだが、その代わりに受けた被害を考えれば……』
ちょっと興味があるけど、TVの電源を切る。
……取りあえずやるべき事はないし、寝るか。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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