ゲーム
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第三章
「もうね」
「それだけになったんだな」
「これから二千三千ってね」
「斬っていくんだな」
「そうするよ、ルール違反じゃないしね」
「ゲームのな」
自由度の高いゲームなのでそうしたことをしてもいいのだ、剣客になろうとも。ネットゲームの特徴を言えばそうなるだろうか。
「だから運営からもか」
「全然言われてないよ」
「それもいいことだな」
「僕もルール違反はしないしね」
そうした遊び方はしない、雄太郎はルールは守る主義だ。
「それはないよ」
「真面目は真面目だな」
「悪人なのはゲームだけだよ」
「そうしていくんだな」
「このままね」
「そうか、じゃあ俺は俺でな」
久則は自分のことも言った。
「これからもな」
「トレジャーハンターとしてだね」
「やっていくさ」
「じゃあお互い頑張ろうね」
「御前に会ったら逃げるからな」
斬られるからだ、そうした話もしながらだった。
二人はそれぞれそのゲームを楽しんでいた。その中で雄太郎はゲームのファンサイトの掲示板を観ると。
彼のキャラクターのことが話題になっていた、その話されている内容はというと。
「酷い剣客いるよね」
「そうそう、後ろからでも斬ってきてね」
「相手が誰でも斬るんだよね」
「女子供でも」
「お坊さんでも斬るし」
「一人の時に会ったら」
もうそこでというのだ。
「すぐに斬ってきて」
「俺この前あいつにやられたよ」
「僕もだよ」
「私も。追って来るしおまけに強いし」
「とんでもない奴だよ」
「冒険もしないで人斬ってばかりみたいよ」
「うわ、最悪」
人斬りに徹しているその姿勢がというのだ。
「それじゃあ殺人鬼じゃないか」
「それもそのまま」
「そんな奴何とかしないと」
「早くやっつけないといけないわよ」
「お尋ね者に登録しようぜ」
「賞金首の対象にしよう」
「あの人斬り侍やっつけないと」
こうした話をしていた、雄太郎はそれを観て笑っていたが。
実際にだ、彼に対してだ。
賞金がかけられ多くの冒険者が挑んで来た。だが。
その冒険者もだ、彼は斬っていってだ。久則にも話した。
「最近もうね」
「御前狙われてるな」
「賞金首になってるよ」
実際にというのだ。
「完全にね」
「みたいだな」
「どんどん僕の賞金を狙ってね」
「冒険者が来てか」
「斬ってるよ」
「全員返り討ちにしてるんだな」
「そうしてるよ、それで戦いながらね」
その挑んで来た者達とだ。
「強くなっているんだ」
「それだけか?」
「それだけって?」
「だから盗みとかはしていないのか?」
「お家乗っ取りとか」
「汚職とかな」
ゲームではそうしたことも出来るのだ。
「買収とかな」
「お役人とか商人じゃないからね」
「盗みもか」
「倒した奴のお金は手に入れているけれど」
それでもというのだ。
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