ソードアート・オンライン~漆黒の剣聖~
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アインクラッド編~頂に立つ存在~
第十八話 すべてを懸けて
それは過去のお話。あるギルドに所属していた。そのギルドで出会った好敵手と呼べる存在たち。いろいろな冒険の数々。そして、あの日の夜のことも含めて・・・、それは懐かしい過去のお話。
◆
≪クロス・ユニバース≫
もとはシリウスとベガが立ち上げたギルドと言うよりパーティーといってもよかった。しかし、自主的、もしくは暇つぶしで行ったオレンジギルド≪ヘルハウンド≫討伐時にソレイユと出会い、多少なりいざこざというか意見の食い違いがあり争うことになってしまったが、最終的には、両者の誤解も解け、互いにシンパシーと言うよりも同族のにおいを感じため、そのままソレイユが≪クロス・ユニバース≫に所属することになった。
レベルは攻略組と遜色がないにもかかわらず、攻略には参加せず気まぐれに遊びほうけているだけであった。時にはクエストをこなし、時には人助けもした。暇つぶしにオレンジギルドをつぶしに行ったこともあれば、気まぐれにボス攻略をしたこともあった。気が付くと三人ともユニークスキルホルダーとなっていた。そのことを含め、レベルはそう変わらないまでも、攻略組とクロス・ユニバースでは実力が段違いだった。
しかし、あるクエストを発見してから、生活は一変した。
【神々からの試練。クリア条件:???】。ある廃村にある奇妙なクエストであった。それとともに出現したクエストがレジェンド・クエストだった。当時の受注可能なレジェンド・クエストはフェニックスの守護、バハムートの挑戦状、ヴァナルガンドの決闘の三つだけであった。クエストを受注できる廃村が二十一層という最前線に比べるとたいした場所ではなかったので、名前の割にクエスト内容は楽だと考えていた。ソレイユ、シリウス、ベガの三人はそれぞれ、フェニックスの守護、ヴァナルガンドの決闘、バハムートの挑戦状を受注した。
しかし、その考えは間違いだった。どれも高難度のクエストだった。とても二十一層で受けられる難易度をはるかに超越していた。苦戦しながらのなんとかクエストを完了した三人だったが、それだけでは終わらなかった。レジェンド・クエストを受ける前に廃村で受注したクエスト【神々からの試練】がクリアされていたからである。レジェンド・クエストを完了して、武器などを整え終わった後、三人はクエストを受注した廃村へと赴いた。
そこで露わになった衝撃の事実があった。それは隠しステージの存在だった。古今東西のRPGというジャンルのゲームには隠しステージなどと言うものが用意されているのがあたり前である。そして、そこに登場するモンスターは通常フィールドに登場するモンスターより手ごわいのが常である。それは、≪ソードアート・オンライン≫も例外ではなかった。
フィールド名:ジェネシアス。広大に広がる自然フィールド。人工物見当たらない大自然。そこに住むモンスターたち。中には定冠詞のついたモンスターまで普通にフィールドにいた。アインクラッドとはまた違ったスケール感であった。三人は意気揚々と隠しステージに挑んでいった。
そして、攻略組がアインクラッドを攻略していく中で、裏ではクロス・ユニバースが隠しステージを攻略していった。ジェネシアスは奥に進んで行くと、陸海空を司るモンスターと戦うことになり、それをくだすことで最奥への道が開かれる、ということを廃村で聞いていた三人はその言葉通りに最奥を目指して進んで行った。
攻略組が六十層を超えるあたりでようやくその陸海空を司るモンスターのもとへたどり着いた。これまでのことがあり、三人で一体ずつ潰していくことにしたのだが、そこで予想外なことが起きた。一体を集中的に狙うとほかの二体から支援攻撃が飛んできたりしたのだ。そこで三人は、一人一体で一斉に相手にすることをやむなしとして再び挑んでいった。ベガが空を統べる≪The Sky Blast≫、シリウスが陸を統べる≪The Ground zero≫、ソレイユが海を統べる≪The Crystal Ocean≫を倒し、最奥への道を開き、唯一と言っていい人口物である古塔(どう見ても隠しラスボスがいる雰囲気のある)を発見した。
その塔に挑むかどうか迷っているときにシリウスがソレイユに持ちかけた話が合った。それがクロス・ユニバース解散の原因となってしまう。
◆
『なぁ、ソレイユ。俺とお前、どっちが強いんだろうな』
それはただの疑問だったのかもしれない。
『さぁな、闘ってみたことないから知らんよ、シリウス』
だけど、それが疑問で終わらなかったらどうなるだろうか。
『ならよ、ソレイユ・・・』
簡単なことである。
『おれとお前、どっちが強いか・・・』
他者から見ればくだらないと思うだろうか。
『・・・殺り合おうぜ』
それでも本人たちにとっては、それが大切なことであった。
『・・・死んで後悔するなよ・・・』
それは同族ゆえに、同じ穴の狢ゆえに、避けられないことだったのかもしれない。
『・・・その言葉、そっくりそのまま返してやるよ』
二人が武術を学んでいるがゆえに、そして男であるゆえに、それを確かめざるを得なかったのだ。
◆
同じ穴の狢でいうのならベガも武術を学んでいる身である。しかし、決定的な違いはソレイユとシリウスが男、ベガが女と言うところである。そのため、シリウスは長年一緒にいる女性であるベガではなく、短い付き合いだが男性であるソレイユを選んだのは当然といえよう。
今、ベガがいるのは三十一層にある所々に岩が生えるようにある草原地帯だった。時刻は夜である。その岩の一つにもたれかかりながら視線を巡らすと、シリウスが愛用の槍を持ち目を閉じながら立っている。ソレイユはまだ来ない。しかし、それに憤慨した様子は見られなかった。
それから、待つこと数分後にソレイユはやってきた。見慣れた深みのある漆黒のコート。しかし、腰に差しているものは今までと違った。今までなら長刀一本しか差していなかったはずなのだが、今夜は二本、いつもの長刀と別に黒塗りの鞘に納められた刀がもう一本差されていた。それを訝しげに思うベガだったが、シリウスは特に反応を見せることなくソレイユを見つめていた。
シリウスとの距離が五メートルにたしたところで、ソレイユがメニューウインドウを操作して、決闘をシリウスに申し込む。申し込まれたシリウスはそれを了承、オプションを全損決着モードで決定した。
カウントが六十から始まった。
激しく荒々しいシリウスの闘気が高められていく。
静謐で荘厳なソレイユの闘気が高められていく。
カウントが五を超えたところでシリウスから名乗りだし、ソレイユもそれに応じる。この世界での名ではなく、現実に与えられた名を。
「八雲霧雨流槍術 霧雨烈。今持てるすべてをもってお相手しよう」
―――――― 5 ――――――
「陰陽月影流二刀剣術 月影桜火。我が誇りをもって、これを感謝とする」
―――――― 4 ――――――
最高潮に高められた闘気が飛び交い、ぶつかり合って世界を恐慌とさせる。
何人たりとも近づくことが許されない空間がそこにはあった。その世界に入ることが許されるのは二人のみ。
―――――― 3 ――――――
シリウスが槍を構え、ソレイユは長刀のみを構える。
視線が交差し、火花が散る。
そして―――
―――――― 2 ――――――
今まで費やしてきたものをこの一瞬に込めて―――
―――――― 1 ――――――
「「お前の命(すべて)を――――――」」
シリウスの生涯で、間違いなく最高の剣士が叫ぶ。
ソレイユの生涯で、間違いなく最高の槍士が叫ぶ。
―――――― 【DUEL】 ――――――
「「―――――俺にくれ!!」」
後書き
はい、そんなわけでめちゃくちゃな回でした・・・
ふざけんなと思う人もいるだろう、こんな設定あるわけないだろと思う人もいるだろう、つまらないと思う人もいるだろう・・・
だが、あえて言わせていただこう。
これが≪漆黒の剣聖≫の設定だぁぁぁ!!!誰であろうと文句は言わせなぁいっ!!!
ソレイユ「うるせぇよ・・・つか、ほんとめちゃくちゃな設定だな・・・こりゃ、批判が殺到だな・・・」
・・・・・・・・・いいもん、いいもん。どうせこんなめちゃくちゃな設定ですよぉだ。どうせ私は駄作者ですよぉだ
ソレイユ「すごいいじけ具合だな・・・。まぁ、馬鹿に変わっておれがいうのもなんですが、こんな作品でよければ今まで通りおつきあいをお願いいたします。なお、ジェネシアス攻略についてはスピンオフという形になると思うので予めご了承ください。ではっ、駄作者があの様子なので今日はこれで失礼します・・・」
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