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ラブライブ!~μ’s feat.me~

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序曲
  LIVE4 バレンタインデー

 
前書き
前話編集しました。 

 
2月13日……
KEIONフェスティバルが終わり、先輩達も引退して軽音部には俺一人となった。それから何も練習できないと実感した俺は屋上で昼寝をしていた。
「やっと見つけたわ。あなたが高坂刹那君でしょ?」
俺の眠りを妨げたのは現生徒会長の絢瀬絵里先輩だった。
「貴方は今部活をやっていないのかしら?」
「軽音部ですけど一人なので部活を停止してます。」
「なら、お願いがあるの。」
「何ですか?」
「生徒会に入ってくれないかしら?」
はぁ、何を言い出すかと思えば生徒会の勧誘か。なら答えは1つだ。
「嫌です。」
「なぜ?」
「面倒だから。俺の自由が奪われるから。帰るのが遅くなるから。」
「でも、男子であるあなたの意見がこれからの生徒会に必要なの。お願い!」
「拒否します。」
「ウチは鳴神君にやってもらいたいなー。」
今度は違う奴の声が聞こえてきた。長がだめなら下のやつが出てくるのか。なんとも頭の悪い奴等だ。でも、気になることがひとつある。
「なぜ、俺の旧姓を知っているんだ?」
「ウチのこと忘れたん?昔、隣に住んでたんよ。」
俺の旧姓を知っていて昔、隣に住んでたか。何だ?なんか思い出せねえ。なんか頭の中がモヤモヤする……ッ!
何だよ…この痛み……頭が割れるように痛い………
「だ、大丈夫⁉」
「刹那君⁉」
二人の声が微かに聞こえる。あれ?なんで……近くにいるはずなのに……






















気づいたら俺は保健室にいた。
「刹那君、大丈夫?」
目の前には絵里先輩と、
「の、のんたん?」
その隣には俺の知っている幼い頃の少女と雰囲気が似ているデカイものを二つ胸に装着しているのんたん(希)がいた。
「良かった、覚えててくれてたんや。」
「今思い出した。で、なんでここにいんの?」
「あなたが急に倒れたのよ。いったい何があったの?」
「なんか頭が割れるように痛くなって、そっからは全く覚えてません。で、生徒会の勧誘でしたっけ?」
「よく覚えてるわね。生徒会の勧誘についてはさっき言った通りなのだけど…」
「もちろん、やるよね?」ムギュー
「頭を挟むな!それにやらねえし…」
「も・ち・ろ・ん、やるよね?」ムギュー
「いや、だからさ…」
「Yesって言わないと希が窒息死させるわよ?」
それで死ねるなら本望だ。だが、俺はまだ死ねない!
「あー、もう、分かったよ!やれば良いんだろ!やれば!」
「よし、それなら早速会議するわよ。まずはこの……」
それから二時間会議をして俺は家に帰った。

翌日……
「刹那ー、起きてー。」
「もう少し……」
「今日はバレンタインデーだよ。」
「その言葉を口にするなー!」
バレンタインデーなんて消えてしまえ!俺の悪夢のバレンタインデーなんて!俺の黒歴史のバレンタインデーなんて!聞きたいか?俺の黒歴史を掘り返したいのか?なら、聞かせてやるよ!怖いからな!吐くなよ!

それは去年のこと……

            ☆

ある中学校には二人の偉人がいた。

曰く、大学レベルの頭を持っている。
曰く、プロ顔負けの演奏をする。
曰く、この世の女全てが彼らのものである。
曰く、その二人は愛し合っていると。

それら全ては噂だったが根から嘘というわけではなかった。一般大学くらいなら入れるし、プロのバンドにも匹敵する演奏をした。流石に最後の二つは根から嘘だと思うけど。(そう信じたい。)
「刹那!早く行くぞ!どっちが多く貰えるか勝負だ!」
「言ったな!負けた方は罰ゲームだからな!」
俺が話しているのは獅子神隼人。俺の友達だ。俺達は全力疾走で学校を目指す。


学校に着くと異様な光景が広がっていた。
『『『おはようございます!』』』
女子が校門前に2列になって並んでいたのだ。
「「………は?」」
『『『おはようございます!』』』
「お、おはよう。」
「刹那、この異様な光景は何だ?」
「俺にもわかんねえよ…」
俺達が歩いて昇降口に向かうと両脇の女子が包まれた何かを渡してくる。おそらくチョコだろう。女子全員(ある3人を除いて)から渡されたチョコの数は157個であった。正直、気持ち悪かった。
昇降口で靴を履き替えようと下駄箱を開けるとある一通の手紙が置いてあった。その手紙の内容を確かめようと開ける瞬間、
『異端者を発見!抹殺します!』
『『『チョコをもらった男子は皆殺しだぁぁああああ‼』』』
彼らはこの学校でモテない男子で編成され大きい組織となった《異端審問会》の皆である。って紹介してる場合じゃねえ!逃げねえと!
「「殺されてたまるかぁあああ‼」」ドゴッ
『『『な、何⁉』』』
俺達は逃げずに正面から立ち向かっていた。その理由は俺達が武道の達人であるからだ。
『なぜ金属バットや竹刀やスタンガンを持っているのに立ち向かってくるんだ⁉』
こいつらは正直危ないと思う。なので、近くにいた奴をボコり竹刀を奪って、
「鳴神流 龍尾回し‼」
小さい頃にマスターした武術で凪ぎ払う。すると、周りにいた雑魚共は断末魔を上げて倒れた。獅子神を心配して見てみると向こうは向こうでボコっていた。
「獅子神流 百鬼獅子流し!」
獅子神は瞬時に相手の懐に入り、鳩尾に一発入れて襟を掴み飛ばしていた。周りの奴等は気絶してるし。だから、心配だったんだよ獅子神の相手をしている奴等が。俺みたいに手加減を知らないから。
『第弐部隊突撃ぃい!』
「「まだ居たのかよ!」」
それから俺達は第八部隊まで相手をして終わったと思ったら登校してきた海未に『武道は喧嘩のために使うものじゃありません‼護身のために使うのです‼』と説教された。『いや、本当に危なかったんだからね?相手は地味に凶器を持ってきてたからね?』と言おうとしても許されるはずがないと思ったので土下座して許しをこいた。そして、顔を上げると海未の水色のパンツが見えて指摘したら蹴り飛ばされまた説教をされた。ちなみに、俺と獅子神と穂乃果とことりと海未は同じクラスである。

時は過ぎて昼休み……
「ふー、今日は朝から疲れたな。給食も食ったことだし寝っかな。」
「おい、刹那。朝置いてあった手紙は何だったんだ?」
「あー、そういえば見てねえな。待ってろちょっと確認してみる。」
そう言って手紙を開くと何か綺麗な字で書かれたものがあった。多分、ラブレターとかだろうな。だが、その中身は想像を絶するものだった。

『あなたの事が好きです。あなたよりも歳は上ですがあなたを幸せにして見せます。あなたが望むのならば肉便器でも奴隷にでもなります。答えは授業で聞きます。結婚を逃した35歳より
*ps あなたがだめだったら隼人君に突撃します。その時にはフォローをお願いします。』

「アウトォォオオオオオ!」
「急にどうした⁉」
「これを見てみろ!」
「どれどれ………アウトォォオオオオオ!」
「だろ⁉船越先生だよな!これ!」
船越先生とは結婚のためならテストの点数操作までしてしまう国語の先生である。男子からは『老いぼれサキュバス』なんても呼ばれてる。
「おい、次の授業の担当は船越だぞ!どうするんだ!」
「知らねえよ!というか、もう時間がねえ!知らねえふりして何とか潰すしかねえだろ⁉」
「分かった、何とかやってみよう。しくじるなよ。」
「お前もな。」
この話が終わったあとに丁度、船越先生が入ってきた。
船越先生は上機嫌の用だ。

『じゃあ、始めまーす。日直さんお願い。』
『起立。礼。着席。』
『では、今日はバレンタインデーということで……』
船越先生の授業はいつも雑談から始まる。いつもは面白い話をするのだが今日は雰囲気が違う。まさか、
(おい、初っぱなから来る気だぞ。)
(みたいだな。かなりヤバイぞ。)
幸いにも俺達は隣同士だったので小声で話す事ができる。そして、俺の班はいつもの5人という最強のメンバーだ。俺と獅子神に耐性のあるやつを置いたと担任は言っていた。
『刹那君、お返事を聞かせてもらえる?』
「絶対、アンタとは付き合わん‼」
『どうして?あの手紙には最強の条件しかなかったはずだけど。』
「アンタのは最凶なんだよ!」
『じゃあ、どうしたら……』
待てよ………アレなら使えるかもしれない!
「先生、俺の知り合いに結婚を迫ってるイケメンがいます。そいつの連絡先を教えるので俺の事は諦めて下さい。」
そう言うと、先生は危機迫ったように俺から連絡先を聞き、電話をした。教師が授業中に電話って良いのかよ。
『ありがとう刹那君!じゃあ、先生は大事な用事ができたので今日の授業はここまで。』ビューン
ふう、これで一件落着っと。

放課後、軽音部にて……
「二人ともお疲れ。」
そう言って部室でチョコを食べて出迎えてくれたのはヴォーカル担当の黒薙白夜だった。外見は男の娘みたいな感じだな。
「じゃあ、始めるか。」
獅子神のその一言で部室のテーブルの上にたくさんのチョコが置かれた。量を見ただけでも泣きそうだった。
「「「これを全部食べるのか……」」」
白夜のチョコはまだ少ないから良いだろ!俺たちなんて……チックショォオ!


2時間後……
3人でこの量は正直言って辛かった。甘党の俺でさえも辛いと感じたほどだ。二人はかなりキツかっただろう。
「「「もう飽きた……」」」
3人の声が重なり心の声を絞り出すように言った時、ドアがノックされた。
「どうぞー。」
「おっ邪魔しまーす!」
「失礼します。」
「部活中にごめんね。」
部室に入ってきたのは穂乃果達だった。それぞれは何か包まれた物を持っている。まさか、チョコだとでも言うのか……
「はい、バレンタインデーのプレゼント。」
俺は要らないと思ったが穂乃果達だったので素直に断ることができず受け取った。
「ラッピングを外してみてください。」
海未にそう催促されラッピングを取ってみる。『どうせチョコだろ』と思ったその瞬間だった。
「「「Y……シャツ?」」」
穂乃果達のプレゼントはYシャツだった。冬服、夏服用のそれぞれ2枚セットの。
「うん。来年から私たちも高校生でしょ?バレンタインデーだからチョコを渡そうと思ったんだけど3人はたくさん貰うだろうなーって思ってそれにしたんだ。実用性も考えて。」
「それを私達で買いに行くのも苦労したんですよ。男物は買ったときがなかったので。」
「全部ことりちゃんが選んだんだよ。」
「ありがとな。でも、これって何だ?」
俺が袋の中から取り出したのは1通の手紙。
「「「それはまだ読まないで‼」」」
穂乃果達に大声で止められたので男子勢は驚きながらその手紙をしまった。
『完全下校時刻です。速やかに下校してください。』
「んじゃ、帰るか。」
チャイムが鳴ったので俺達は帰ろうとする。だが、昇降口のところに立ちはだかる者がいた。
『『『さようなら!』』』
まだやってたのかよ………

            ☆

どうだ?途中の方は結構怖かっただろう?俺はチョコ、船越先生のせいでバレンタインデーが嫌いになったんだ。
「よって学校には行かん‼」
「早く起きないとこのゲームをアンインストールするよ。」
な……んだと!それは昨日やっと全ステージクリアしていろいろと特典をもらったリズムゲームじゃないか!クソッ、それを人質に取るとは……
「分かったよ!行けば良いんだろ!行けば!」
「それでよろしい。」


学校にて……
(さて、今日は何もないよな?去年みたいなことはないよな?)
そう考えて登校するとやはり何もなかった。
「ね?何もなかったでしょ?」
「あぁ、ここは健全な学校で良かった。」
「刹那はいろいろと自惚れすぎです。」
「あはははは………」
俺はいつも通り穂乃果達と登校してきた。海未になんか言われた気がしたが無視しておこう。だが、ここは健全だと思うにはまだ早い!ここからが勝負なのだ!

下駄箱には何もない。よし!

机の中には何もない。よし!


朝HRにて……
『皆、おはよう。今日は朗報があるぞ。なんと我がクラスに転校生が二人もやって来たんだ。しかも、男だ!』
『『『おぉー!』』』
『じゃあ、入ってきて良いぞ。』
(転校生か……この時期に転校してくるってことは元の学校で何かあったのかな?まぁそんなことはどうでもいいか。男と言うのは良いことだからな。一番の心配は俺と気が合えばいいが……)
俺がそう思っている間に転校生が入ってきてたみたいだ。って、えぇええ!
「獅子神隼人だ。よろしく。」
「黒薙白夜です。よろしくお願いします。」
『じゃあ、二人は刹那の近くの席に座ってくれ。刹那、いろいろと頼むぞ。』
先生にそう言われて俺は手招きをして教える。俺は山ほど聞きたいことがあるが、
「詳しい話は後でする。昼休みまで待っていてくれ。」と獅子神に言われたので俺は余計な詮索はしなかった。


昼休み……
俺達はいつものメンバーに獅子神と白夜を入れた6人で食べていた。
「おい、なんでお前らが今さら転校してきたんだ?」
「それを話すと長くなるが、簡単に言うとお前に負けたからだ。」
獅子神よ、俺は何もしてないはずだが。というか、女子3人は冷たい目で『二人に何をしたの?』的な感じで見るのはやめてくれ。
「隼人、それでは話が見えないのですが?」
「あぁ、ごめん。見ての通り隼人の頭に糖分が足りてないから僕から説明するね。」
獅子神に代わって白夜が説明する。白夜の話によると、俺がKEIONフェスティバルで優勝して、優勝を達成できなかった獅子神達が廃校を止められず今日来たという。でも、
「準優勝したお前らだったら入学希望者とか多くなかったのか?」
「俺たちもそう考えてはいたが現実は厳しくてな。入学希望者どころかオープンキャンパスへの参加者が一人だけだったんだ。隣町のUTXにごっそり持っていかれて廃校になったというわけだ。」
「でも、なんでこのタイミングで来たの?2年生からでも良かったんじゃない?」
ことりが質問する。それは俺も思った。
「全員の転校が決まった時点で廃校になるということだったからな。」
そうか。こいつらもなかなか苦労したんだな。
「じゃあ、この重い空気をなくすとして。隼人君達って何に入るの?」
「「軽音部。」」
だろうね。
「あ、そういえば今日はバレンタインデーでしたよね?」
「あぁ、そうだが?」ガクガク
なぜだろう?バレンタインデーという言葉を聞くだけで怖くなってしまう。
「今日の放課後、部活が終わってから皆でパーティーをしませんか?」
「海未ちゃん、ナイスアイデア!」
「やっちゃおうよ!ねえ、やるよね?」
「「「えっ、あ、はい。」」」
しまったー!つい、流れで返事しちまった!
「じゃあ、部活が終わったら校門前に集合ということで。」



というわけで放課後………の前に部活………
獅子神と白夜は理事長に報告をしなければならないようで俺は先に部室に来ていた。部室のドアを開けるとなぜか涼風先輩がいた。
「先輩、お久しぶりです。何したんですか?」
「……これをあげたくて。言っておくけど義理だから。」
そう言われて渡されたのはチョコだった。
「……じゃあ、頑張ってね。」
「えっ、あ、はい。ありがとうございました。」
涼風先輩はチョコを渡して帰っていった。うーん、ツンデレなのかクールなのかが未だに分からない。
「邪魔するぞー。」
「じゃあ、お邪魔しまーす。」
そんなことを考えてるうちに獅子神達がやって来た。俺はふと思った。これからはこの二人と一緒か。面白くなりそうだな。
それから二時間みっちり練習して3人は集合場所の校門前に行った。 
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