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『小さな街の、大きな闇。』

作者:零那
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『海斗、空へ』



1日1日が長く長い日々だった。
それぞれが出来ることは全力で限界を越えてやってた。
あらゆる情報は得た。
それでも海斗の居場所には直接結びつく事が無かった。

そんな中、署からの連絡で海斗の遺体を目にすることになった。

クスリ漬けにされた痕跡...
顔も含め全身に暴行を受けた痕跡...
背中一面には未完成の和彫り。
零那の父さんと同じ絵柄...。

靴下の中...足の裏からメモが何通も見つかったらしい。

『零那、俺の背中どうせならオマエが探してる父さんと同じやつにしたろう思てな。でも絶対完成したんは見せてやれんやろな...ごめんな...オマエを守ってやれんで悪かった。空からチャント見張っとくけん、もぉ悪い事すんなよ(笑)辛くなったら空見上げて俺を呼べ!!』

『怜、すまん!!賢いけん零那と一緒にメッチャ動いてくれてるんやと思う。ホンマすまん!!でも俺絶対見つからん場所に連れて行かれるし、それに、殺される(笑)永斗は、ああみえて弱いから頼むわ怜!!』

『渚、唯、オマエらはデリ辞めろ!もぉ幸せにならなあかん。いつまでも自分を追い込むな。渚、永斗と幸せになってくれ(笑)唯は怜と幸せになってくれ♪』

『永斗...オマエは多分...俺のこと解らんのんちゃうかな...?解るか?同じ顔やろ!
双子やからな(笑)いい加減、渚を幸せにしてやれ♪』

最初で最期の海斗からのラブレター。
皆が皆のを何回も読み返した。

どれだけ海斗が強がって明るく書いたか...其れを想うだけで、苦しくて苦しくて、息をするのも苦しくて...
過呼吸になりながらも海斗を抱き締めて、一生分の涙を流したんじゃないかってくらい泣き続けた...

永斗がこうなることを予想出来てたのは海斗だけ。
やっぱり双子って言葉じゃ言い表せん何か不思議なチカラがある。
心底繋がってるんやろなって思う...

其れでも、永斗は記憶が戻らず、後日、戸籍を見て事実を知るも納得せず混乱を招いた...


 
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