戦国異伝
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第二百四十二話 淡路からその十
「雨では使えませぬ」
「大砲もな」
「そちらもまた」
「それに弾を込めるのにも時間がかかる」
鉄砲や大砲はというのだ。
「その弱点を考えたのが三段じゃしな」
「長篠の、ですな」
「鉄砲にも弱点がある」
雨では使えず弾を込めるのに時間がかかることがというのだ。
「そこを衝かれれば弱い」
「鉄砲もそうであり」
「他のものも同じじゃ」
やはり弱点があるというのだ。
「それは妖術も同じじゃ」
「そういうことですな」
「うむ、ではじゃ」
それではと言うのだった。
「次の戦ではな」
「はい、妖術を破りましょうぞ」
「この屋島ではあえて使わせず」
「そのうえで」
家臣達も応えた、そしてだった。
皆飯を食い終えてだった、また素早く屋島に向かった。そして。
屋島の近くになってだ、信長は周囲が暗くなろうとしているのを見て笑って言った。
「これでよい」
「ではこのまま屋島に向かい」
「そして、ですな」
「夜になればそこで」
「一気に」
「攻める」
その暗くなろうとしている中での言葉だ。
「そして勝つぞ」
「上様、その時は鉄砲をですな」
明智が問うてきた。
「使われますな」
「そうする」
まさにというのだ。
「あの者達にな」
「一気にですな」
「攻めてかかるからな」
「鉄砲と」
明智も言った。
「そして大砲も」
「だから鉄甲船も持って来たのじゃ」
この屋島までだ、信長は水軍も精鋭を選んで屋島に連れて来ているがだ。その中に鉄甲船も入れているのだ。
「二隻な」
「そしてその二隻の鉄甲船で」
「大砲を撃ってじゃ」
海からだ。
「そして勝つぞ」
「畏まりました」
「ではな」
こう話してだ、そしてだった。
信長は軍勢をだ、屋島に進ませた。屋島での戦がはじまろうとしていた。
第二百四十二話 完
2015・9・1
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