FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~
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団結!!
前書き
ふと思いましたが、妖精たちのクリスマスってやるとすればいつやればいいんだ?
冥府の門の前ではシャルルが変身魔法覚えてないから違うし、アルバレスの前は間違いなくクリスマスの季節ではない。
あの番外編はいつをイメージしてるのかな?すごく気になる・・・
無事に表彰式も終了し、俺たちは応援してくれた仲間たちの待つ応援席へとやって来ていた。
「おかえり!!みんな!!」
「よくやったぞ!!ガキ共!!」
一番最初に俺たちに気付いたカナさんがこの上ない笑顔で俺たちを迎え入れ、それに続くようにマスターが両手を広げてそう言う。
「さすがだったな、ラクサス」
「俺たち雷神衆は信じてたぜ!!」
「お疲れさま、ラクサス」
「ああ」
ジュラさんとの戦いで大金星を上げたラクサスさんは、彼の親衛隊であるフリードさんたちにすぐさま囲まれている。
「やったな!!グレイ!!漢だ!!」
「おう!!」
「ジュビアもグレイ様とハイタッチしたい・・・」
「あれ?してなかったんだ」
エルフマンさんがグレイさんとグータッチしているのを見たジュビアさんが羨ましそうにその光景を見ており、リサーナさんがまだハイタッチしてなかったことに逆に驚いていた。
「つーか、ガジルお前どこから出血してるかわかんねぇな」
「なんかゾンビみたいになってるな」
「言えてる」クスッ
「お化けだぁ!!」
「うるせぇ!!」
レオンとの戦いのせいで大量出血をしているガジルさんを見たウォーレンさんやアルザックさんたちは、まるで肝試しに出てくるかのような彼の風貌に恐怖しているというか、面白おかしく笑っているというか・・・なんとも言いがたい反応をしていた。
「でも、ガジルが無事でよかったよ。もう死んじゃうかも思ってたから」
「勝手に殺すなよ」
なんだか泣きそうなレビィさん。ガジルさんは大きなお世話と言いたげな表情だったが、彼女が目頭を熱くしているのに気付くと、頭をポンポンと叩いていた。
「エルザ、あんた本当に大丈夫なの?」
「あぁ。全く問題ない」
傷だらけのエルザさんにカナさんが心配して声をかけるが、さすがはエルザさん。全く問題なく立っているように見てとれる。
「シリルもお疲れさま」
「よく頑張ったね。ケガ大丈夫?」
そして俺の元にやってきたのはラキさんとキナナさん。ケガと言われて一番俺が気になっているのはレオンの絶対零度を弾いた左腕なのだが・・・
「あんまり・・・大丈夫じゃないかも・・・」
「「えぇ!?」」
戦いの最中に壊れてしまったと思われる左腕はいまだに感覚が戻ってこない。まさかこれもう使い物にならないとか言われないよな?さすがにシェリアとウェンディに治癒してもらえば大丈夫かな?いや、大丈夫だろう・・・うん。そう信じたい。
「そういえば、王国の衛生兵がケガの治療してくれるらしいよ」
「蛇姫の鱗のシェリアもいるだろうし、行ってみたら?」
なんと、最終日の治療には王国の兵隊さんたちも来てくれるらしい。4日目まではポーリュシカさんしかいなかったのに。やっぱり激戦だったから、てことなのかな?
「じゃあ、俺ちょっと行ってきます。医務室でいいんですよね?」
「うん!!さっきそう言ってたよ」
「気を付けてね」
ラキさんとキナナさんに場所を確認してから、俺は医務室のある方向へと向かっていく。俺が向かった後すぐに、グレイさんやエルザさんたちもやってきたので、一緒に向かうことにした。
「ガジルも早く行きなよ。みんな行っちゃうよ?」
「何言ってんだ。こんなの余裕に決まゴホゴホ!!」
後ろから心配するレビィさんと強がっているガジルさんの会話が聞こえてくる。なんかあの2人、本当のカップルみたいに感じるよね。特にレビィさんが彼を気遣うところとか。
結局、ガジルさんも医務室に強制送還されました(笑)俺たちは全員仲良く、医務室で衛生兵たちの治療を受けています。
「まずシリルから治療するね♪」
「ありがとうシェリア・・・」
医務室で俺を待ち構えていたのはシェリアだった。この大会中は対戦はなかったけど、こういう関わり合いができるのは絶対ウェンディのおかげだよ。
全身の目立つ傷跡を次から次へと治してくれるシェリア。やっぱり治癒能力が高いよな。羨ましい・・・
「あれ?腕大丈夫?」
そんな彼女が突然動きを止める。その理由は俺の明らかに異常をきたしているように見える左腕。
「ダメ。全然動かないの、レオンのせいで」
首を横に振った後、冗談半分でシェリアの好きな人の1人、レオンの名前を挙げてみる。
「やっぱり?ごめんね?レオンってば力あるのに自覚がないんだよね。後で教えておかなきゃ」
「それね」
レオンはパワーだけはある程度自覚があるようだけど、総合力に関しての自覚が足りなすぎる。シェリアも彼の無自覚さにはちょっと呆れ気味の様子。
「そういえばレオンは?」
実は今俺たちがいる医務室は昨日までの場所とは違う。かなり広い部屋に今日の大魔闘演武で戦った魔導士のほとんどが治療を受けている。ケガがない人やすでに治療を終わっている人はいないが、リオンさんやジュラさんのような最後まで残っていた人たちの姿が多いようだ。
「レオンなら、あそこ」
「?」
シェリアが指さした先を見てみると、そこには何かが山のように積まれており、目を凝らして見てみると、その隣で金色の少年が忙しなく口を動かしているのが目に入る。
「レオン。こんなところで食事するな」
「だって治療してもらわなきゃなんだけど、お腹も空いたから同時進行しないと」
そばにいるリオンさんに注意されているにも関わらず、レオンはモグモグと何かを食べている。隣の山を見てみると、そこには屋台で売っていた焼きそばやらフランクフルトやらの食べ物が俺やウェンディの食事量の何倍もの量が置かれている。たまにお菓子が入っているのは何なんだ?
「あいつ・・・マジで化け物だよね?」
「レオンは食べるの好きだからね。ソフィアも初めてあれ見た時ギョッとしてたし」
だろうな。しかもいつ崩れてもおかしくないくらい積んであった食べ物たちが、まるで吸い込まれるようにレオンの口の中に消えていき、あっという間に半分以下の量へとなっていた。
「ひひふもはへふ?」
「いや・・・見ただけでお腹いっぱい・・・」
俺の視線に気付いたレオンがホットドックを片手にそう言うが、俺は首を振っていらないことを伝える。俺もそこそこ食うはずなのに、レオンのあれは異常だ。ナツさんの食事も結構すごいと思ったのに、あれが子供のように感じてしまう。
「よし!!シリル、動かせる?」
そんなことをしている間にシェリアが俺の治療を終えたらしい。試しに左手を動かしてみるが、動く動く。多少痛みを感じはするが、気にするほどでもないし、たぶん明日以降にはほぼ完治しているだろうな。
「ありがとうシェリア!!」
「どういたしまして。じゃ、シリルも手伝って」
「うん!!」
今はウェンディがいないから、治癒の魔法を使えるのは俺とシェリアのみ。だから最初に2人の治療を終わらせ、他の人たちの治療にかかろうという考えらしい。そして俺とシェリアが治療をしていると、廊下からドタドタと誰かが走ってくる音が聞こえる。
ガチャッ
勢いよく扉が開かれると、そこには剣咬の虎のスティングさんがいた。
「どうした?スティング」
「何かあったの?」
彼と同じ三大竜のローグさんとグラシアンさんが問いかける。スティングさんは走ってきたことで乱れた呼吸を整えてから口を開く。
「みんな聞いてくれ。さっき連絡が入ったんだが・・・なんでも国王から話があるらしくて、治療が終わり次第クロッカスの中央広場に集まってくれってことだった」
国王から?それを聞いた魔導士たちはざわつき始める。王国主催の大会だから、何かお話でもあるのだろうか?
一体何の話なのかいまいちピンと来なかったが、王様の言葉に背くわけにはいかないので、俺はシェリアと共に全員の治療を終えた後、クロッカスの中央広場『リ・イン・クリスタル』へと向かった。
第三者side
シリルたちが中央広場に集まっていた頃、ルーシィ救出に向かったウェンディたちは、地上へと設置されたエクリプスの前に来ていた。
ヒョコッ
草むらの中から顔を出したのは、ウェンディ、シャルル、リリー、ハッピー、セシリー、ルーシィの6人。一緒に救出に向かったミラジェーンは、はぐれてしまったユキノを探すために城の中を探し回っており、一方のナツ未来から来たローグと交戦していた。
「すごいところに出くわしちゃったわね」
「扉が開くとこみたい」
シャルルとウェンディがそう言う。現在城では、ある計画のためにエクリプスの扉の開門が行われていた。
「あれ?ロキがいないよ?」
「本当だ~」
「扉の近くでは、魔法が使えんからな」
周りをキョロキョロと見回し、先程まで一緒にいたロキを探すハッピーとセシリーにリリーがそう答える。その隣にいるルーシィは、先程未来のローグが言っていたことを思い出し、少々浮かない顔をしていた。
「隠れている必要はない。出てきなさい」
「「?」」
白い鎧に身を包んだアルカディオスが隠れているウェンディたちに声をかける。
「オイラたち何にも悪いことしてないぞ!!」
草むらから飛び出すようにしてハッピーがそう叫ぶ。
「アルカディオスと大臣が一緒にいるってことは・・・」
「色々事情が変わったのです」
「妖精の尻尾・・・」
国防大臣ダートンは当初エクリプス計画に反対していたのだが、フィオーレ王国の姫ヒスイの話を聞き、今回のエクリプス2計画に参加することとなった。それにともない、アルカディオスとも和解し、現在に至るのである。
ウェンディとルーシィたちは話を詳しく聞くためにヒスイたちの前にやって来る。
「この度は申し訳ありませんでした。今は緊急事態のため、正式な謝罪は後日改めて」
「お姫様だ、シャルル、セシリー」
「えぇ」
「綺麗な人~」
ルーシィの拘束、奈落宮へと落としたこと、それらに対する一時的な謝罪をするヒスイ。しかし、ウェンディはこの国のお姫様に会えたとあった少々興奮気味の様子。
「それと、大魔闘演武優勝おめでとうございます」
軽く会釈をし、祝福の言葉を送るヒスイ。それを聞いたウェンディたちは一瞬で笑顔になる。
「優勝!?」
「皆さんやったんですね!!」
「さすがだな」
「あのチームが負けるわけないもんね~!!」
ハッピー、ウェンディ、リリー、セシリーがおおはしゃぎしながらそう言う。すると、大きな音がして、そちらを見上げる。
そこには開きつつあるエクリプスの扉があった。
「なんで扉を開いてるの?まだドラゴンは来てないのに」
ルーシィがいまだに姿を見せないドラゴンに対し、すでに扉を開けて待ち構えようとしていることに対して質問する。それを聞いたヒスイは横目でアルカディオスを見つめる。
「ドラゴンのことを?」
「えぇ。彼女らも事情を知っています」
一万のドラゴンが襲撃してくるというのはほとんどの者が知らされていない機密事項。だが、ウェンディたちはそのことを知っていた。
「そういえば、未来から来た君は?」
「「「「「「・・・」」」」」」
押し黙ってしまう妖精の尻尾。彼女たちがドラゴンの襲撃を知ったのは、未来から来たルーシィが教えてくれたからなのだ。アルカディオスはその少女の姿がないことに疑問を抱き、質問したのであった。
「殺されちゃったの・・・」
「もう1人の未来から来た男に」
「「!!」」
ここにいない未来のルーシィは、未来から来たローグの手によって殺されてしまった。仲間をやられたその怒りで、ナツが彼と現在戦闘しているのである。
「その男は言ってた。あたしが扉を開くのを邪魔したせいで、エクリプスキャノンが撃てなかったって」
「だから君を殺そうと?」
「扉を開くのを、邪魔するのですか!?」
ヒスイの言葉に首を振り、その考えを否定するルーシィ。
「そんなことしません!!だけど、どうしてドラゴンが来てないのに扉を開いているのか気になるんです!!」
「単純なことです」
何が単純なことなのかわかっていない様子のルーシィ。ヒスイはそれに冷静に答えを述べる。
「砲撃までに時間がかかるからです。ドラゴンが現れてからの開門では、間に合いません」
例えどれだけ威力がある魔法であれ、それを発射するまでの装填には時間がかかるものである。氷の神になったばかりのレオンはまさしくそれだった。そのため、ドラゴンの姿を確認したと同時に発射できるよう、今の段階で準備しているのである。
「本当に、ドラゴンを倒せるんですか?全部」
7年前、天狼島でアクノロギアと交戦した彼女たちだからわかる。ドラゴンの絶対的な力とその恐怖を。だから、それを全滅させることができるのか、気になっているのである。
「確実・・・とは言いませんが、最悪の事態に備え、陛下も策を講じているはずです」
エクリプスキャノンですべてのドラゴンを一掃できなかった場合、何かしらの対処をしなければならない。その作戦は今、中央広場にいるフィオーレ王国国王、トーマ・E・フィオーレに託されていた。
リ・イン・クリスタルにて・・・
中央広場へと集められた魔導士たち。そこでは今、国王トーマによりこれから起こるドラゴンの襲撃のことが伝えられていた。
「というわけで、大魔闘演武の余韻に浸る暇もなく大変心苦しいのだが、今この国は存亡の危機にあるとさっき聞いた」
「い・・・一万のドラゴンですと?」
信じられないような事態を聞かされ、動揺が走る魔導士たち。
「アクノロギア1頭でも、まるで歯が立たなかったのに」
「あれは特別だとしても・・・」
「一万ってのはね・・・」
エバーグリーン、リサーナ、カナがそう言う。
「今、城では大規模な作戦が遂行されておる。『エクリプス計画』」
「エクリプス?」
前日にシリルたちからエクリプスについて聞いていた妖精の尻尾の面々は聞き覚えのある単語に反応している。
「この作戦の目的は、一万のドラゴンを一掃するというもの」
「一掃って、本当にそんなことできんの?」
カナの最もな疑問。他の魔導士たちも皆同じように考えており、トーマも険しい表情になっている。
「それはなんとも・・・相手は大群ゆえ必ず数頭、あるいは数百頭が残ると推測される」
「まぁ、そうなるじゃろうな」
トーマの言葉に納得した様子のマカロフがそう言う。
「魔導士ギルドの皆さん。どうか私たちに力を貸してください。生き残ったドラゴンを皆さんの手で倒してほしい。この通りです。この国を救ってください」
そう言って深々と頭を下げるトーマ。それを見た魔導士たちは驚いた表情を浮かべたが、すぐにそれに対して反応を見せる。
「「「「「オオッ!!」」」」」
「当然だ!!」
「任せとけ!!」
「「「「「オウッ!!」」」」」
「怪物なんかにやられるかよ!!」
「「「「「オウッ!!」」」」」
「魔法と共に歩んだこの国は」
「俺たちの国だ!!」
「絶対に守ってやんよ!!」
高々と拳を掲げ、思い思いの言葉を言っていく魔導士たち。それを聞いたトーマは頭を下げたまま、感激の涙を流していた。
「私たちの仲間が王国軍に捕らわれているのだが」
「無事です。先程、姫と合流したとの報告が」
エルザが近くにいる王国の兵隊にルーシィたちのことを聞くと、無事だということが確認できたため、みんな安堵の息を漏らす。
「おし!!もう一暴れするか!!」
全身包帯でグルグル巻きにされており、ミイラのようにも見てとれるガジル。だがやる気は十分なようで、士気は高いように感じる。
「相手はドラゴン」
「滅竜魔導士の俺たちの出番というわけだな」
「楽しみだな!!ドラゴン狩り!!」
スティング、ローグ、グラシアンの三大竜は自分たちの力を発揮できる場面だと確信し、気合いを入れている。レクターとキセキ、フロッシュのエクシードトリオは相棒たちの活躍の場とあって楽しみでしょうがない様子。
「お嬢は?」
「さぁ?」
剣咬の虎の女魔導士、ミネルバの姿がどこにもないことにルーファスとオルガが気づき、そんな会話をしていた。
「全てのギルドの意志が1つに」
「なんて素敵な香り」
一夜とニチヤは全魔導士の意志が統一されたことに嬉しそうな表情をしている。
「ドラゴン対ペガサスか、絵になるね」
「いい音が奏でられそうです」
「頑張ろ」
「チッ。しょうがねぇな」
イヴ、タクト、ヒビキ、レンのイケメン魔導士たちがそう言う。
「カグラちゃん、休んでなきゃダメだよ!!」
「そんな傷じゃ倒れちゃうよ!!」
「いや、みんな戦うのだ」
ミネルバに体を貫かれたカグラはまだ完全に回復できておらず、かなり苦しそうなのだが、それでも自分だけ休むわけにはいかないと戦う様子である。
「「「「「ワイルドォ!?フォー!!」」」」」
「うちらはセクシーフォーだよ」
そんなカグラを見て興奮した四つ首の仔犬のメンバーが得意の掛け声を言い、アラーニャに突っ込まれていた。
「お前との共闘も懐かしいな」
「足を引っ張るなよ」
六魔将軍討伐以来の共闘となるリオンとグレイは互いに楽しそうに会話をしていた。
「ウェンディは無事なの?」
「大丈夫に決まってるじゃん!!」
「えぇ。きっと大丈夫ですよ」
友達であるウェンディの姿がないことに心配しているシェリア。それに対し彼女を信じているシリルは歯を見せながら微笑み、彼女に恋敵と間違えられていたジュビアも同じように返す。
「戦じゃのぉ」
「さっき寝ててよかったぁ」
ラクサス戦に引き続き血がたぎる戦いになると感じたジュラと、シリルに破れたことで十分に睡眠を取ることができたレオンがそう言う。
「私も回るよ!!激しくねぇ!!」
蛇姫の鱗のマスターオーバは、自らの体を激しく回転させ、戦う準備は万全の様子。
「ありがとう・・・ありがとう・・・」
「国王」
国民を守るために協力してくれる魔導士たちに感謝してもしきれないといった様子のトーマ。彼は何度も何度も感謝の言葉を言い続ける。
「ありがとう・・・ありがとう・・・カボ」
「「「「「!?」」」」」
感涙しているトーマの語尾に聞き覚えのあるシリルたちは、やる気全開モードから一転、驚きのあまり呆けてしまう。
「カボ?」
「え?どういうこと?」
「その語尾の香りは・・・」
この時魔導士たちは悟った。もしかしてあの着ぐるみの中身は彼なのではないのかと。
頭を下げたままだったトーマは自分が語尾を誤ったことにようやく気づき、慌てたように辺りを見回す。
「皆さん!!楽しみますぞ!!」
「「「「「オオッ!!」」」」」
1つ咳払いしてから再度気合いを入れ直す魔導士たち。その様子を後ろで見ていたラハールとドランバルトは、ある男に遭遇していた。
魔導士たちが生き残ったドラゴンたちと戦闘する準備をしていた頃、城ではエクリプスの扉が開かれようとしていた。
ギィィィィ
徐々に開かれていく扉。その中から霧のようなものが流れ出ており、近くにいるウェンディたちの足元を少しずつ覆ってきていた。
「扉が・・・開く」
人類の希望を乗せたエクリプス。運命の扉が今、開門された。
後書き
いかがだったでしょうか?
久しぶりのウェンディ登場!!やっぱりヒロインか出てこないとダメですね。
次回からはドラゴンとの交戦になるはずです。たぶん・・・出てきてはい次回とはならないと思います・・・
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